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2007年7月20日 (金)

河合隼雄さん、逝く

村上春樹、河合隼雄に会いにいく 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

著者:河合 隼雄,村上 春樹
販売元:新潮社

子どもの宇宙 (岩波新書) 子どもの宇宙 (岩波新書)

著者:河合 隼雄
販売元:岩波書店

今日の朝刊で河合隼雄さんの訃報を知りました。去年、脳梗塞で倒れられて1年近く患われていたとは全然知らなかったので、「エッ、本当に?」という気がしました。

床心理に特に興味があるというわけではないので、河合さんの専門書を読むようなことはなかったのですが、「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」や「約束された場所」の対談を夢中になって読んだりしました。そのやりとりは柔らかでいて洞察にすぐれ、面白さは無類のものでした。

でも、なんといってもわたしの中で印象に残るのはこの本。 「子どもの宇宙」です。初版は1987年に出ているので、もう20年も前の本です。出会いは何年か前の古本屋で、ふと手にとった本が河合さんの本。題名に惹かれて「はじめに」を読んでみました。

この宇宙のなかに子どもたちがいる。これは誰でも知っている。しかし、ひとりひとりの子どものなかに宇宙があることを、誰もが知っているだろうか。

そんな問いかけで始まる河合さんの語りは静かですが、強いものが感じられるものでした。読み進むと、この「子どもの宇宙を語ることの難しさ」を児童文学の力を借りて丁寧に話してくださっています。そこにはたくさんの子どもに向けて書かれた児童文学という贈り物がありました。「モモ」「クローディアの秘密」「トムは真夜中の庭で」などなど・・・実は子ども向けとなっていても、大人にこそ、そこに拡がる子どもの宇宙を感じてほしい願いがあったのだと驚かされます。

河合さんは、子どものときにもっていた素晴らしい宇宙の存在を忘れることなく生きた人ではないかと思います。

今日の言葉

Claudia knew that she could never pull off the old-fashioned kind of running away.  That is, running away in the heat of anger with a knapsack on her back.―From the Mixed-up Files of Mrs. Basil E. Frankweiler

(むかし式の家出なんか、あたしにはぜったいにできっこないわ、とクローディアは思っていました。かっとなったあまりに、リュック一つしょってとびだすことです。―「クローディアの秘密」冒頭部分)

この物語は「子どもの宇宙」第1章―子どもと家族―の中で取り上げられている作品です。

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コメント

そうなんですか・・・
河合先生亡くなられたんですか。
私も大好きで・・・あの方の著書は
多分、ほとんどもれなく読んでます。
昨秋倒れられたのも知っていました・・・。
御冥福をお祈りします。

投稿: ゆう | 2007年7月21日 (土) 00時27分

そうなんです。びっくりしました。新聞にお写真が載っていたので、「あれ」っていう感じでみてみたら、訃報だったので・・・。でも、たくさんの本や言葉という贈り物を残してくれたと思います。悲しいですが、ありがとうございましたという気持ちです。

投稿: コニコ | 2007年7月21日 (土) 15時53分

TVに出演されていたときも、とてもお元気で、お話しも面白くて、一度講演を聴きに行きたいと思っていたのに、機会を逃してしまいました。文化庁長官として、高松塚古墳のカビが問題になったときに倒れられたので、それも精神的な負担になったのでは、などと推測していました。
日本の知識人として、誇れる人でしたよね。

投稿: バーバママ | 2007年7月22日 (日) 15時30分

コニコさん、おひさしぶりです。
河合さんの逝去はたいへんショックでした。昨年、倒れられたことも知らなかったので、私にはあまりにも突然の訃報でした。ご冥福をお祈りします。
拙宅でも書きましたが、たいへん影響された方ですから。柔軟な考え方に何度励まされたことか。

>河合さんは、子どものときにもっていた素晴らしい宇宙の存在を忘れることなく生きた人ではないかと思います。

本当にそうですね。
未読の著書がたくさんあるので、これから少しずつ読んでいきたいです。

投稿: びあんこ | 2007年7月23日 (月) 09時11分

バーバママさん、ようこそ♪お返事遅くなってすみません。
講演会といえば河合さんの講演会というか、生授業というのを娘がまだ小学生だったころ受けたことがあって、とてもわかりやすい算数の授業をしてくれました。「1+1=2だと考えるのが当たり前ではないこともあります」というようなことをおっしゃって、とても印象的でした。じわじわと河合さんの言葉を思い出しています。

投稿: コニコ | 2007年7月25日 (水) 21時16分

びあんこさん、ホントお久しぶりです。コメントとっても嬉しいです。びあんこさんも河合さんに影響を受けた一人なんですね。なんか、またまた嬉しいです。オススメの「とりかへばや、男と女」面白そう♪さがしてみます。彼の柔軟な考えと鋭い洞察、すごいですよね。

投稿: コニコ | 2007年7月25日 (水) 21時22分

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河合 隼雄 子どもの宇宙 (岩波新書)  10年以上前になりますが、河合隼雄さんの著書に、どっぷりはまっていました。感激しすぎて、一時臨床心理学を志そうと思ったほど。  これほど素人にもわかりやすく、かつ面白く、臨床心理学の世界へいざなってくれる学... [続きを読む]

受信: 2007年7月21日 (土) 13時35分

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