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2007年11月20日 (火)

「博士の本棚」

博士の本棚 博士の本棚

今年3冊目になる小川洋子さんの本の紹介です。2月のまだ寒い日に読んだ「物語の役割」、春うららかな日に読んだ「ミーナの行進」、そして、秋の夜長に読んだ「博士の本棚」。みんな、こころをほ~っと和ませてくれる本たちです。今、書評本がちょっとした人気ですが、ふつうの書評とは違った趣です。この本は、小川さんの本への思いをご自身の書くという暮らしに引き寄せた語りで、温もりのあるものになっています。

それは季節の折々に語り合う身近な友達のようです。そして友達にそっと宝物をおしえてくれるような穏やかさとつつしみがあります。

特に第1章「図書室の本棚―子供の本と外国文学」を読むと、小川さんのさらりとして無垢な感じの文体の秘密が、たくさんの子どもを主人公とする本と海外の小説を読んだことにあるということが感じられます。

そして第4章「書斎の本棚―物語と小説」では、小説を書き続ける勇気を与えてくれた本たちのことも教えてくれています。

「『中国行きのスロウ・ボート』(村上春樹著)は、もしかしたら自分にもいい小説が書けるんじゃないだろうか、という錯覚を呼び起こした。錯覚と希望を混合するくらい愚かにならなければ、誰も小説など書けないだろう。」(241ページ)

錯覚ということばの謙虚さに驚いてしまうわたしです。

そして、最後の項でつづられる「死の床に就いた時、枕元に置く七冊」。思わずリストアップしてしまいました。

「万葉集」

「アンネの日記」(アンネ・フランク)

「中国行きのスロウ・ボート」(村上春樹)

「西瓜糖の日々」(リチャード・ブローディガン)

「ダーシレンカ あるいは子犬の生活」(カレル・チェペック)

「サラサーテの盤」(内田百聞)

「富士日記」(武田百合子)

この中でわたしが読んだことがあるのは「アンネの日記」だけでした。本屋さんの本棚でこの本たちと出会うことを楽しみにまたわたしも読書、読書。こうして秋は深くなっていきますね。

今日の言葉

One whole wall was bookshelves from floor to ceiling.(一つの壁が床から天井まで全部書棚だった。)

なんて、わたしの理想の書斎です。

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薄明かりの土間に、死んだ友人の後妻が立っている。夫の遺品を返してほしいと、いつも [続きを読む]

受信: 2007年12月 2日 (日) 23時24分

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