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2007年12月28日 (金)

原作「ハゲタカ」「ハゲタカ2」読了して(ネタバレあり)

ハゲタカ2(下) (講談社文庫 ま 54-4)

ハゲタカ2(下) (講談社文庫 ま 54-4)(著者:真山 仁、販売元:講談社)をTVドラマと同時進行で読了しました。

これで「ハゲタカ」上下、「ハゲタカ2」上下を制覇。コニコの野望が実現しました。それぞれ400ページ強あったので、4冊読み終えると達成感がありましたよ~。「読んだ!読んだ!やった!」

でも、これで終わりではありません。お話はまだまだ続くようです。だってね、最後のページに…to be continuedって書いてあるから。(ウーン、TVドラマの方も6話完結じゃなくって、この…to be continuedを見たいですよね。)

なんといっても原作「ハゲタカ」上下がバツグンにダントツに面白いです。「ハゲタカ II」上下(文庫本で改題、単行本では「バイアウト」)も充分魅力的ですが、前作と比べると、全体のお話の構造が荒唐無稽になりすぎて緻密さが少し粗いというか、鷲津が表に出すぎて現実味のないスーパースターになっちゃった感がありましたね。

まあ、ともかく、その面白さはどんなところか?TVドラマを見た方の多くの人が鷲津に魅力を感じたのではないでしょうか。原作で誕生した鷲津という男は「悪魔か救世主か」わからないピカレスクロマンのオーラがすごいです。TVがクールな鷲津としたら、原作の鷲津はワイルドさも感じさせます。そうそう、本では彼はハゲタカになる前は、ニューヨークのジャズピアニストだったんですよ♪反骨精神を持っていて、父親と自分自身の葛藤があり、ハゲタカになる決心をするまでの悩める鷲津も読んでいてワクワクしました。TVでもちょこっとだけピアノをたたくシーンがありましたが、原作のトーンを少しだけ出してたんですね。このシーン、結構渋い感じで、コニコには大森さん演じる鷲津にうっとりでした。TVの鷲津はハゲタカの前身が芝野の部下の銀行マンということで、芝野との因縁の対決につながるのですが。

それから本ではアラン・ウォードがゲームオタクという設定。そしてリン・ハットフィードが鷲津の恋人。そして鵺(ぬえ)の飯島の人物も生々しくて鷲津との丁々発止にドキドキしちゃいました。

TVドラマでは本に書かれている人物のエッセンスを上手につかんでストーリーも新たに膨らませているところがあります。TVで主要な役になる三島由香や西野治は原作では登場せず、本の中の何人かをミックスして作り上げた人物のようです。脚本の林宏司の力量は大したものです。

登場人物が多少変わっても、原作、TVともに通底するものは「会社の経営倫理」「会社は誰のものか」といった、失われた10年を今にどうつなげていくのか、という視点があったと思います。今年頻繁に起こった偽造事件も経営者の放漫経営が原因だったところもあり、まさしく今の問題だと考えさせられます。そして「企業の再生」という問題もどういう形で行われるか、「ハゲタカ」経験をすることであらためてそのプロセスの重要性を感じました。

最後に―芝野が鷲津という人物を坂口安吾の「続堕落論」を引用してこう表現しています。

安吾を読んでいて芝野がもう一つ感じたのは、鷲津政彦という人間は、安吾が言う堕落者そのものだということだった。「続堕落論」には次のような一節がある。

堕落者は常にそこからハミだして、ただ一人荒野を歩いていくのである。悪徳はつまらぬものであるけれども、孤独という通路は神に通じる道であり、善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや、とはこの道だ。

悪い奴が一番強く、時として正しい。嫌な時代になったものだ。(文庫「ハゲタカ 2」(下)428ページ)

今日の言葉

picaresqu: of or relating to an episodic style of fiction dealing with the adventures of a rough and dishonest but appealing hero.

(ピカレスク:悪漢ヒーローが冒険を繰り広げる小説ジャンルの)

悪いんだけれど、人を非常に惹きつけるものがありますね。

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