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2007年12月17日 (月)

中国の危ない食品

中国の危ない食品―中国食品安全現状調査

先週に引き続きミセスが選ぶBOOK大賞、「ベストセラーの予感!の本」のレビューです。投票はコチラ

一年の世相を漢字一文字で表す2007年「今年の漢字」が「偽」に決まった。応募総数中、「偽」には約18%が集まったとか。ニッポンはミートホープ、「白い恋人」、不二家に赤福、船場吉兆など大手、老舗に関わらす食品をめぐる偽装に明け暮れた1年だったともいえるだろう。

今回、ご紹介する本は中国の危ない食品―中国食品安全現状調査(著者:周勍、販売元:草思社)。この本は10月に出版されたが、日本を含むこのところの食品偽装事件を考えると、この「危ない食品」といったタイトルからだけでも「ベストセラーの予感!の本」になりそうだ。消費者としてはこういう類の本が売れるというのは実情のひどさを反映しているようで、あまり喜ばしいものではないのだが。

冒頭部分には、気分が悪くなってしまいそうな衝撃的な食品汚染のオンパレードが続く。

田うなぎやスッポンなどの水産物には化学物質ホルモン(環境ホルモン)を含んだものが多く、中国内では相当数の性早熟―7歳で生理が来たり、6歳でヒゲが生えてきたり―の子どもたちが出ているそうだ。北京の飲食業界では、「海鮮類は高価なものほど食べてはいけない」が不文律としてあるほどらしい。ふつうなら2年かけて1キロに成長するスッポンが、促成剤を使うと2、3ヶ月でその大きさになり売られているというから驚きだ。

安徽省で端を発した「毒粉ミルク事件」で中国の赤ちゃんが凄惨な疾病の犠牲者になっている。「頭部巨大化幼児」もその一例だとされている。半世紀以上前に起きた日本の「森永ヒ素ミルク中毒」を思わせる悲惨な事件が今もお隣の国で起こっているとは。著者は、その事件さえも氷山の一角と記している。

しかし、この本はただの暴露本とは一線を画している。その真骨頂は、後半の「経済のグローバル化と『食の安全』をめぐる戦い」から展開する作者の鋭い分析だろう。

中国は今、食品の輸出を行う際に、先進国が設定する食物安全基準という枠組みを乗り越えなければならない事情が明かされている。つまり先進国が押し付けた高レベルの安全基準が中国には「ソフトの貿易壁」として立ちはだかるわけだ。詳しくは是非直に著者のペンの力を感じてもらいたい。

現代社会は、もはや中国の食の問題を「対岸の火事」としていられないグローバル化の時代を迎えている。特に来年は中国で開催されるオリンピックがあり、日本を含め世界の注目が中国に向けられ、食の問題も大きな問題の一つとなるだろう。蛇足だが少し前に話題になったダンボール肉まんのことも触れられている。著者の洞察には納得させられる。(アレはやっぱりダンボールだったのではないかということ!)

読み応えのある本だ。中国に在住しながらペンの力を信じているジャーナリスト、周勍の勇気と緻密なルポルタージュに惜しみない拍手を送りたい。

*「ベストセラーの予感!の本」であるとともに、食をあずかる主婦にも読んでもらいたいと思います。「主婦力をアップしてくれた本」にもなる本です。

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コメント

怖い、危ない、はわかっていましたが、
なんかナマナマしい本みたいですねー。
一つひとつの事実を知ると、
本当に「グローバル化」っていい面ばかり強調されてるなって思います。
同じような食とグローバル化の問題では、
「ダーウィンの悪夢」もオススメですよ~。

投稿: gamzatti | 2007年12月21日 (金) 09時06分

gamzattiさん、こんにちは。ホント、読んでいて気持ち悪くなってしまった部分もあって、今はスーパーで中国製品は敬遠気味~。
「ダーウィンの悪夢」は予告編を観て観たいと思ってました。やはりオススメですか!

投稿: コニコ | 2007年12月21日 (金) 18時34分

コニコさん、こんばんは。
今、もっとも怖いテーマの本ですね。
日本でも偽装や改ざんが問題になっているし、
家族の食の安全を守る主婦としてはぜひとも一読しなくては!
TBいただきました。

投稿: ちーたんママ | 2007年12月21日 (金) 23時59分

ちーたんママさん、TBとコメントありがとうございました。
あんまり神経質になりすぎると食べるものがなくなってしまいそうなこの頃。でもしっかりとした消費者の目はもっていたいですね。

投稿: コニコ | 2007年12月22日 (土) 21時30分

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