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2008年1月10日 (木)

ニッポン・サバイバル

ニッポン・サバイバル―不確かな時代を生き抜く10のヒント (集英社新書 379B)

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今日は、本のレヴューの時間。応援隊のコニコです。

紹介する本はニッポン・サバイバル―不確かな時代を生き抜く10のヒント (集英社新書 379B)(著者:姜 尚中、販売元:集英社)

10章の章立てで今のニッポンの問題、さらに現代社会が抱える問題を3つの「Why」と5つの「How」で斬っています。そして大事な「お金」と「仕事」の話も取り上げています。

この本、実は集英社女性誌ポータルサイト(インターネットにアクセスする時に玄関口となるウェブサイト)に掲載した「another door~もうひとつの世界へ」を加筆しとものだそうです。ネット掲載がどういうものだったかわかりませんが、ネットユーザーと姜 尚中の双方向コミュニケーションサイトだったのではないかと思います。携帯小説ではありませんが、ネットから派生した本。それを手頃な価格帯の新書で世に出すとは、送り手のベストセラーへの意気込みを感じます。「ベストセラーの予感!の本」にノミネートされた20人の筆者の中でお会いしたいなって思う筆者の一人、姜 尚中。

章立ての始めに「みんなの声」というものがあって、男女を問わず10代後半から40代前半の意見が並びます。いわゆる「今の風潮」が垣間見れてそれもこの本の魅力のひとつ。

姜 尚中が、なるべくわかりやすいコトバで丁寧に自身の考えを話していくという形で進みます。彼の、若い世代を一生懸命理解しようする姿勢があたたかい。

わたしも、若い世代にいろいろな人生の疑問を聞かれる歳。「なんで勉強しなきゃいけないの?」「どうして日本は自殺する人が多いの?」などなど。この本を読むことで、私自身が抱えている若い人からの質問への戸惑いを再考するチャンスになりました。

第1章 「お金」を持っている人が勝ちですか?

第5章 激変する「メディア」にどう対応したらいいの?

第10章 どうしたら「幸せ」になれますか?などなど

特に慧眼だと思ったのは第8章の「今なぜ世界中で『紛争』が起こっているの?」の「格差」の問題でした。姜 尚中の真骨頂です。

格差社会をなくす方向に多くの人が努力しているにもかかわらず、今の世界はますます持てる者と持てない者の差異がはっきりしてしまう方向に走っています。冷戦後、実質的には資本主義社会一色になり、グローバル化が進んで、あえてそうした”差異”を作ろうとする傾向が資本主義社会にはあるということです。資本は”差異”を作ることで価値を作り出し、今のシステムが保たれているという事実。そこにはマクロ的には「あの国よりはマシだ」、ミクロ的には「あの人よりマシだ」という差別が生まれやすい土壌が出来てしまっているという点。他者蔑視の構造です。フランスやロスで起きた移民のヘイトクライムはその一例でしょう。

「どう考えていくのか、そしてしたたかにしなやかに生き残っていくためにはどう行動していくのか?」そんな質問の先に、未来への願いをこめて書かれた本です。

今日の言葉

Hate crimes occur when a perpetrator targets a victim because of his or her membership in a certain social group, usually defined by race, religion, sexual orientation, disability, ethnicity, nationality, age, gender.[

(ヘイトクライムとは、犯罪者がある人種、宗教、性愛の有様、障害、民族、国、年齢、性などを理由に、特定の異なる集団をターゲットにして起こす犯罪。)

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今週の他のレヴューはこちら

Photo_3

Photo_4◆消えた年金を追って リヨン社 長妻昭◆ガムザッティの感動おすそわけブログ

◆マルイチ バツイチでキレイになった、21人のハッピー・ストーリー マガジンハウス 森綾◆ちーたんママの懸賞生活

「マルイチ」のレヴューは後ほどになる予定です。来週あたりまたチャックしてみてくださいね。

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コメント

ご紹介ありがとうございました。
TBいただきました。
「格差社会」って、ほんと、どうにかなりませんかね。

投稿: gamzatti | 2008年1月11日 (金) 13時41分

gamzattiさん、「格差社会」「移民」はこれからも大きな問題になるでしょうね。今度インドネシア人も福祉関係で日本にいわゆる「正式に」入ってくるわけだし。日本がどんなセーフティネットを考えるかがキーのひとつでしょうか。

BOOK大賞の投票も後2週間ちょっとですね。私たちの書いたレヴューが少しでも他の人の「読みたい気持ち」につながればちょっと嬉しい気がします。あとひと仕事、「楽しい読書の時間」です。

投稿: コニコ | 2008年1月12日 (土) 15時55分

コニコさん、こんばんは。
今年もよろしくお願いします。

「ニッポン・サバイバル」タイトルからして、今の厳しい格差社会を表してますよね。
実は「マルイチ」本がまだ届いてなくて、読んでいないんですよ。なので、レビューは書いてないのですが、紹介記事だけUPしました。

投稿: ちーたんママ | 2008年1月13日 (日) 23時39分

ちーたんママさん、ちょっとそわそわしますね。でも読みやすそうな本みたいなので、届いたらパーッて読めるんじゃないかしら、なんて余計なことを思ったりしてね♪

後2週間ちょっと、投票の方も気になります。

投稿: コニコ | 2008年1月14日 (月) 17時36分

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受信: 2008年1月11日 (金) 13時29分

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