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2008年2月19日 (火)

書籍「象の背中」(ネタバレあり)

象の背中

「川の流れのように」はわたしのカラオケの十八番。先日も気持ちよく歌い上げました(完全に自己満足の世界!)

そういえば、この曲は秋元康の曲。その秋元康の長編小説「象の背中」(産経新聞出版)を読みました。またしてもたっぷりと泣いてしまいました。映画の時にもやられてしまって、号泣は2度目です。

weepなぜにこうも激しく感情移入できるのか。

読み手は、物語の、夫と妻、親父と息子、父親と娘、兄と弟、義理の息子と舅、上司と部下などのシチュエーションの中に一瞬、現実の「自分」をダブラせるのではないでしょうか。

そして主人公を核として、ガン宣告、余命半年という非日常に、自分の日常を重ねて、ふと立ち止まり、周りの人との関係を考えながら読むのでしょう。また、「自分なら」を藤山幸弘の”自分探し”に投影しているのかもしれません。

こんな幸弘のことばが印象に残ります。

「ずっと、考えているうちに、俺は幸運なのかもしれないと思えて来た。もちろん、強がりではあるけどね。残りの時間がわかっているから、『じゃあ、何をしようか?』と考えられるわけだろう?世の中には、事故や病気で、ある日、突然死んでしまう人もいるんだ。俺だって、余命を知らずに痛みに耐えていたら、ある日突然、この世を去っていたかもしれない。何も準備ができないままね」(本文153ページ)

映画「象の背中」に比べて幸弘はダメダメ亭主ぶりを増していますが、それがまた切ない。映画では描かれなかった2人の女性との場面、そして「いつか」との出逢いも、過去から未来が開かれる思いがし、清々しささえ感じられました。(自分が当事者だったら、とてもそうは思えないでしょうけど)

親は、息子や娘に自分の言葉をしっかり覚えていてほしいという願いがあると思います。幸弘がホスピスに入り、息子と最後のお酒を飲むシーンは世の父親の憧れともいえるかもしれません。(ここに秋元康の遊び心がチラリ)

浮気相手の話題で、幸弘が息子に問いかけます。

「情けない親父だよな?がっかりしただろう?」

「そんなことないよ。堅物に見えた親父の”人間くささ”を垣間見たような気がした」

「そこだ。俺が、50年近く生きて来てわかったことは・・・。”人間、みんな、同じ”ってことだ。とびきりの善人もいなければ、とびきりの悪人もいない。多少、運がいいとか、悪いとかの差はあるにせよ、どんぐりの背くらべのような人生を送って、最後は、みんな、死ぬんだ。美空ひばりの『時の流れのように』だ」

「『川の流れのように』でしょ?」(本文303ページ)

恥ずかしながら一番泣けたところはというと、娘はるかが父親にボーイフレンドを紹介する場面。娘だった自分に対する亡くなった父を思い、わが娘と夫の未来を想いました。

今日の言葉

This story was a tearjerker. (この話は本当に泣けた weep

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