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2008年5月 6日 (火)

書籍「秘密」VS映画「秘密」(ネタバレあり)

秘密 (文春文庫)

夫が東野さんの本を読んでいるのをみて読みたくなった。いつものこと。今回は「秘密 (文春文庫」(東野 圭吾著、文藝春秋)。

一気に読み進んだ。杉田平助、妻・直子、娘・藻奈美の運命が3巴になって怒涛のように絡んでゆく。

本の冒頭文は、さりげない物語の始まり。この文は実に巧妙。

予感めいたものなど、何ひとつなかった。

直子の指輪の秘密は、この物語の大きなクライマックス。平助と直子の2人だけの秘密。これが愛する人への切ない直子だけの秘密になるところに、読み手は身を切られるように感情移入していくことになる。そして平助は、指輪から直子のその秘密に込められた決意をかみしめることになっていくわけだ。平助は泣きながら直子の秘密を知らないふりをする。ここに哀切があり、とんでもない設定をリアルだと思わせる力があった。

秘密 ところが映画の「秘密」(東宝ビデオ)は・・・。本があまりに豊かに切なく気持ちを表していただけに、ラストシーンをみてあきれるほど失望した。本のあとがきに寄せて載っていた広末涼子の「『秘密』との日々」の文が清々しかったし、映画での直子と藻奈美の演じ分けも若いなりに頑張っていたと思うが、なんともラストで直子の秘めた思いが平助にダイレクトにばれてしまうのが本当に興ざめだった。
さらに短い時間に語る映画という媒体なので、多少サブプロットが割愛されることも仕方のないことだがバス運転手、梶川幸弘と根岸典子のつぐないの話が全くなく、ギャンブルのせいでお金が必要だったとされているのには、この話の冒涜とさえ思ってしまった。

本は、職人技のような伏線の張り方で人間の細かい感情まで丁寧に書いた作品だったが、映画は観終わって白けてしまうものだった。映画を観るのだったら、先には本は読まない方がいいと思った。そして本を読んだら映画を観ない方がいいと思った。

今日の言葉

「お父さん」彼女がいった。「長い間、本当に長い間、お世話になりました」涙声になっていた。

うん、と平助は頷いた永遠の秘密を認める首肯でもあった。(文春文庫「秘密」438ページ

世の父親は普通の状況でも娘の結婚式はつらいのに、この運命の親子だったら・・・

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コメント

私も映画に幻滅したクチです。
ほんと、あれはないよ、って感じで。

原作はいいんですね。
ちょっとホッとしました。

投稿: gamzatti | 2008年5月 6日 (火) 20時51分

gamzattiさんもご覧になりましたか。映画がね~ちょっとね~でした。本は一気に読めますよ。人間関係も複雑に絡んでジワーッときます。

ところで、昨日の「祝☆カフェ・カラマーゾフ」のコメントに是非注目してください。コメントを下さったのは、なんと!嬉しくてweepそうです。

投稿: コニコ | 2008年5月 6日 (火) 21時19分

うひょ~!!
これは、私のブログに熊川哲也が書き込みするくらい、
すごいことですナ。

コニコさん、おめでとうございま~す!

投稿: gamzatti | 2008年5月 7日 (水) 19時45分

gamzattiさん、またまたコメント痛み入ります。嬉しくて踊りました。gamzattiさんにもいいことがありますようにnote

投稿: コニコ | 2008年5月 7日 (水) 23時13分

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