« スキャンダル★「フィガロの結婚」(ネタバレあり) | トップページ | お正月の楽しみは♪ »

2008年12月31日 (水)

原書「Nine Stories」

Nine_stories 後数時間で今年も終わりです。

この1年、「コニコの喫茶店」に立ち寄って拙い文を読んでいただき、本当にありがとうございました。

さて、大晦日、コニコは栗きんとんを作りながら、今月の原書、そして今年最後の本のレビューをどう書こうか思案していました。

「Nine Stories」はその名の通り、9つの短編から成ります。長いものでも50ページ程のものですから、「The Catcher in the Rye」のように最後まで一気に読めるかなと思っていました。そうしたら・・・思いがけず時間がかかってしましました。もちろん、英語も時代的な言い回しとか、ニュアンス的にわからない表現などがあり難しかったのですが、何より戸惑ったのが各短編の前半と後半で状況というか、人物の焦点が全く変わってしまう点でした。

"A Perfect Day for Bananafish", "Down at the Dinghy", "For Esme-with Love and Squalor", "Teddy"は、冒頭からどんな場面でどんな状況なのかを追っていると、途中からそれまで出てきた人が関係なくなり、いきなり違った展開へと連れて行かれる感じがしました。

それぞれの短編であじわう最後の感覚は、一瞬ロアルド・ダールのようなブラックなどんでん返しと似ているのですが、この「ナイン・ストーリーズ」ではブラックはブラックでも全然違う、すごく暴力的に無情であり、かつ切ない無常な感覚でした(特に"A Perfect Day for Bananafish" と"Teddy"に強く感じる感覚)。不思議な読後感です。

では、どの話が一番好きかと聞かれたら、チーフの気持ちと語り手の少年のワクワクク感が辿れる"The Laughing Man"かな、と思えるのです。でも、どの話が好きかという質問より後になって気になる話といわれたら"For Esme-with Love and Squalor"と "De Daumier-Smith's Blue Period"の2つです。妙に大人びたEsmeのぎこちないふるまいが最後の手紙とエコーしてこころに残ります。また、De Daumier-SmithがSister Irmaに書いた2通の手紙が若さが滲み出ていて(執拗に年齢を聞いたりとかね)おかしくもありましたが、その後の急な展開も不思議で謎でした。

一読しただけでは全体像がつかめず、でもそのつかめない加減がまた魅力なのかもしれないと思う9つの謎々でした。

P.S.どうぞ皆様、良いお年をお迎えください。

|

« スキャンダル★「フィガロの結婚」(ネタバレあり) | トップページ | お正月の楽しみは♪ »

英米文学」カテゴリの記事

原書でキャンペーン」カテゴリの記事

コメント

 こんばんは。

Nine Stories,全部読まれたんですね! 私は学生時代翻訳ではすべて読んでいるはずですが、たぶん英語では一部だと思います。確かに不思議な魅力ですよね。色々書きたいのですが、今日一日頑張りすぎて(?)余力がありません、眠りのモードにはいってます。【笑】またこの次、いや来年ってことで。
 いつも色々な方面にアンテナを張って豊かに暮らしておられるコニコさんのブログ、また来年も楽しみにしています。私ももう少し英語がんばらなくては・・・でもこうしてご縁ができてブログをはじめてほんとうによかったと思っています。来年もどうぞよろしくお願いします。よいお年を!

投稿: 点子 | 2008年12月31日 (水) 23時04分

点子さん、2008年、コメントのおおとりをありがとうございました。共にいろいろ読んだり考えたり出来て本当に楽しかったです。
2009年が明けて、どうぞ本年も宜しくお願いします。

投稿: コニコ | 2009年1月 1日 (木) 20時15分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 原書「Nine Stories」:

« スキャンダル★「フィガロの結婚」(ネタバレあり) | トップページ | お正月の楽しみは♪ »