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2009年3月22日 (日)

「グレート・ギャツビー」読書会(5)

久々の読書会報告です。1、2月は諸事情により欠席しましたので、2章の後半からをちょっと復習しておきます。

トムとミセス・ウィルソンに誘われてニックは2人のアパートを訪れることになります。

そのシーンの中でミセス・ウィルソンの描写が俊逸。

Mrs. Wilson had changed her costume some time before and was now attired in an elaborate afternoon dress of cream colored chiffon which gave out a continual rustle as she swept about the room.  With the influence of the dress her personality had also undergone a change.  The intense vitality that had been so remarkable in the garage was converted into impressive hauteur.  Her laughter, her gestures, her assertions became more violently affected moment by moment and as she expanded the room grew smaller around her until she seemed to be revolving on a noisy, creaking pivot through the smoky air.

ミセス・ウィルソンはしばらく前に衣装替えをしていて、今ではクリーム色のシフォンの、手の込んだ造りのアフタヌーン・ドレスを身にまとっていた。彼女が部屋の中を歩きまわると、さらさらという衣擦れの音が間断なく聞こえた。衣装が替わったことによって、人格にも変化が見受けられた。修理工場で気づかされた強烈なまでのバイタリティーは、見事なばかりの尊大さへとかたちを変えていた。笑い声や、身振りや、権柄ずくなものの言い方は、刻一刻とわざとらしさを帯び、彼女がそんな風に膨張していけばいくほど、まわりで部屋はますます小さく縮んでいった。そして最後には、煙草の煙に包まれたその部屋の中で、彼女一人がきいきいと軋む耳障りな片足旋回をやっているみたいな様相を呈してきた。(「グレート・ギャツビー」52ページ)

トムの愛人のマートル(ミセス・ウィルソン)は、醸し出す雰囲気がまるでトムと瓜二つ。横柄で傲慢な似たもの同士、惹かれあうのでしょう。そして惹かれあう力が強ければ強いほど、時として反発する時はとんでもなく激しいものになるようです。彼女のデイジーへの嫉妬も暴力的に燃え上がり、アパートでの”little party”(ささやかなパーティ)は散々な形でお開きになりました。

そして第3章。今回の読書会はここから。場面は変わり、今度はいよいよギャツビー邸での”little party”(ホストであるギャツビーが「ささやかなパーティ」と呼んでいるだけで、もちろん盛大なパーティ)へ。冒頭のパーティが始まるまでの描写もいかにパーティがゴージャスなものであるかを語っています。ご馳走といい、パーティ会場といい、やってくるお客さんの賑やかさといい、豪勢でまるでその情景が浮かんでくるようです。そして、introductions forgotten on the spot and enthusiastic meetings between women who never knew each other's names.(即座に忘れられてしまう紹介があり、お互いの名前も知らない女たちが再会を熱烈に喜び合ったりしている)なんていうことは、大パーティではよくありそうですよね。

浮かれているお客たちは、そのほとんどがホストのことを知らず、招待もされていないというハチャメチャさ。おまけに「キャツビーは人を殺している」などと噂話をしたりして。そんなこんなでなかなか当のギャツビーは現れず。

おや、やっと出てきたと思ったら、酔った中年のヘンなおじさん。しきりと”real”を連発します。「これは全くの本物だ」といえばいうほど、ウソっぽく思えてしまう皮肉。もしかしたら、こんなところにギャツビーの本質が布石として描かれているのかもしれません。第3章が始まって10ページ近くしてからようやくギャツビーの登場。今回は彼が出てきたところまでで、時間となりました。

次回は3章後半。ギャツビーが何のためにニックを招待したかがわかるでしょうか?お楽しみに。

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