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2009年3月21日 (土)

ゲーテ「ファウスト」完読

ファウスト〈第1部〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) ファウスト〈第1部〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)

著者:ヨハーン・ヴォルフガング ゲーテ
販売元:集英社
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手塚治虫氏の「ファウスト」翻案3作を読んだ後、やっと原作のゲーテ「ファウスト」を読み終わりました。「カラマーゾフの兄弟」ほど長くはなかったのですが、第一部は一気に読めたのに、第二部に時間がかかってしまいました。

今回読んだのは2004年に出た池内紀氏訳、集英社文庫から出ているヘリテージシリーズ。世界で誰でも知っている古典をタイトルだけでなく、実際に読み上げることのできる本としてシリーズ化されている文庫です。この「ファウスト」は、活字も大きく、散文調に訳されているので、発売当時は新訳が出たと結構話題になったものです。池内紀氏は新聞、雑誌のコラムなどでも活躍されている方で、この人の文は読みやすいなと思っていたので、訳本は迷わずこれを選びました。

一読して―「古典とはこういうものか」と感じ入りました。つまり現代に脈々と通じるものがあるということ。時空をやすやすと超越したものがあること。古典が種になり新たな名作をうむことなどなど(「カラマーゾフの兄弟」は確かに「ファウスト」の強い影響を受けていると感じます)。いろいろな示唆に富んでいました。

昨日レビューした「ベンジャミン・バトン」ではありませんが、「老い&若さ」の問題や、今の世界で起こっている金融危機の問題などをファウストの世界も抱えていていて悩んだり喜んだりしているのが妙に身近に感じられました。

詳しい感想はまた別の機会にするとして、取り合えず700ページ強、読み上げました。

余談ながら、文庫、第二部巻末に「エッセイ『ファウスト』の光と空間」と題して多和田葉子さんが執筆されていますが、これがなかなか味わい深いものです。原書で読んでいる多和田さんの読書の喜びが伝わってくる素敵な文章でした。

そうそう、もうひとつ。そのエッセイのあとに池内紀氏が「ゲーテと髭おやじ」という文を書いておられます。その中で、彼も手塚治虫氏の漫画「ファウスト」を幼い頃にこよなく熟読したと打ち明けています。わたしも同じ「ファウスト」の入り方をしているので、ちょっと嬉しくなりました。

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