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2009年5月19日 (火)

「コーヒーの鬼がゆく」

コーヒーの鬼がゆく―吉祥寺「もか」遺聞

コーヒーがなくては一日が始まらない私ですが、「コーヒーの鬼がゆく―吉祥寺「もか」遺聞」(嶋中 労著、中央公論新社)のコーヒー狂たちは、”人生そのものがコーヒー”で成り立っているという―そのものすごさには脱帽です。

表紙に描かれているのは、「しめぎモカ」の麻袋。しめぎとは、コーヒーの奇人変人代表格、自家焙煎の鬼といわれた吉祥寺「もか」店主、標交紀(しめぎとしゆき)から名づけられたモカ豆のこと。

寝る時間を惜しみ、焙煎中はイスがあっても決してすわることなく何時間も集中してコーヒーをいとおしんだ伝説の男、標。この本は、”コーヒー馬鹿”とも呼ばれた彼の話を軸にコーヒーのあれこれ満載の本でした。

黒いダイヤといわれるコーヒー。標が恋焦がれ、捜し求めたのがダイヤモンドのようなコーヒーだというのですが、一体どんなコーヒーなのか?

口に含めば、こうばしい香りが体中にしみわたり、砂糖を入れずともトロリとした甘味が感じられる。もちろん、苦味、酸味もバランスよく舌を刺激して、からみつくようなしつこい味は一切ない。スッキリした味なのだ。飲んだ後には、爽快感と高揚感が残り、さらにもう一杯飲みたくなる・・・。これが、私の思い描く”ダイヤモンドのコーヒー”なのだ(「珈琲の旅」標交紀、みづほ書房より引用、「コーヒーの鬼がゆく」128ページ)

素材の旨味をそのまま活かしたコーヒーを求める、まさに職人のことば。といっても、素人にはダイヤを見分けることが第一むずかしい。おいしいコーヒーを味わうのには、砂糖やミルクを入れているようじゃ~、ということです。コニコはコーヒー好きではありますが、ミルクを入れて飲んでいるのでまだまだですね。

そうそう、コーヒーにまつわる話しの中で「エデンの園の”禁断の実”が実はリンゴではなくて赤いコーヒー・チェリーだったかもしれない。」(190ページ)というくだりがありました。人類発祥の地エチオピアの高原は、コーヒーの原産地でもあるわけで、なかなか浪漫あふれる話しです(と思うのはコーヒー好きだけかも!)。

コーヒーをただただ頑固に愛し続けた人々の話を読み、コーヒーに憑かれた人がつくったコーヒーを飲んでみたいなと夢想しました。

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