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2009年6月24日 (水)

monkey business vol.5 対話号は

モンキービジネス 2009 Spring vol.5 対話号

もうそろそろ春も終わりになろうとしているのに、というかもう梅雨で夏になろうという時期に春号のご紹介。毎度のんびり者のコニコですが、「モンキービジネス 2009 Spring vol.5 対話」、実は私の中ではぴったり旬です。

もともと対談ものは大好きで、この号も楽しみにしていたのですが、買って安心してしまい今まで積読でした。

でもです、冒頭2本の対談はタイムリーで刺激的。「1Q84」読後にすぐさま手に取りました。

①村上春樹 x 古川日出男 (対談というよりインタビューですが)

②川上弘美 x 小川洋子 (司会 柴田元幸)

①のインタビュー「『成長』を目指して、成しつづけて」は、最近出ている村上春樹インタビューものの中では俊逸。今日、読売新聞に3日間(6月16日~)にわたって連載されたインタビューと「クーリエ・ジャポン」7月号のインタビューを読みましたが、比べてこのmonkey businessの古川さんがとっても聞き上手で、村上春樹も一番リラックスしています。

村上ファンの古川さんが順を追って丁寧に聞いているので、まるでマラソンでひとつひとつ通過点を走る抜けるように村上春樹も小説を磨いていったステップを語っています。

そうそう、インタビューのとっかかりが「肉体から小説を作る」っていう話から入って、

古川:村上さんを見ていると、作家でいちばん大事なのは、やっぱり健全な肉体だなと思いますね。

村上:そうですね。健全な肉体に宿る不健全な魂(笑) (monkey business p10)

なんていうのがあって、らしいなってわたしには大受けでした。

それにしても、小説家としての30年の軌跡は「どのように書くか」の挑戦の連続だったんですね。少しずついろいろなハードルを自らに課していって、なんだか修行僧みたいなところもあります。特に印象深かったのが、「人称をめぐって」の話し。「一人称」から「三人称」へ書いていく過程で登場人物に名前がついていって、ととても具体的に話しているのが楽しくて。

あんまり楽しいところを書いてしまうと、これから読む人には申し訳ないので、村上インタビューはこのくらいにして、②の対談は・・・「ベクトルとブラウン運動のあいだで」

前の村上インタビューを受けるように、小川さんが書き始めの頃、村上春樹の「風の歌を聴け」が出て書きやすくなったといってます。川上さんは多和田葉子さんの「犬婿入り」を読んで「こういうものもありなんだ」と思ったそうです。そして、こちらの対談でも人称の話題が出て「誰に語らせるか」ということを話しています。「書く」という行為の中でどの視点から書くかは本当に重要だし、むずかしいこのなんですね。

この他、お二人の個性がお話の中でいい具合に際立って、それぞれの作品のメイキングを聴いているみたいになります。川上さんは理系の人なんですね。知りませんでした。彼女の本は読んだことがないので是非何か読んでみようという気になりました。

やっぱり、人と人の対話って、かみ合ってもかみ合わなくてもなかなか奥深く面白い、そんな思いにさせてくれる特集です。

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