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2009年7月24日 (金)

河童忌

文豪ナビ 芥川龍之介 (新潮文庫)

 今日は何の日と問われれば、誰かしらの誕生日であり、誰かしらの命日にあたるといえよう。今日は芥川龍之介の命日だ。太宰治のそれを「桜桃忌」、松尾芭蕉を「時雨忌」というように、芥川の死んだ日の別名は「河童忌」と呼ぶ。

その由来は、35歳で夭折した芥川龍之介が自殺する4ヶ月前に発表した「河童」という短編からつけられたといわれる。

ふらりと立ち寄った本屋で「文豪ナビ 芥川龍之介 (新潮文庫)」(新潮社)なる本をみつける。今日は彼の短編を読み返したい気分だ。

今風の名作のサビの部分だけを抜き取ったものだが、といっても龍之介の場合は短編が多いので、ナイフの切れ味の良い文をかなり味わえる。巻末にある梨木香歩さんのエッセー「命がけの実験」を読んでいくうちに、やっぱりサビだけでは収まらず、彼の作品のwholeを読みたくなる。

 鬱屈し、蹲った(うずくまった)ような状態から、次第に揺れ動き、時にドラスティックに回転してみせるような軌跡を描く個人の内界。その形而上の動きを主な見せ場として進行する小説のあり方を、今ここで心理主義と定義するなら、芥川は日本の近代における最初の心理主義小説の担い手であった。(「文豪ナビ 芥川龍之介」140ページ)

ちくま日本文学(002)

結局「ちくま日本文学(002) 芥川龍之介」を取り出して今日は一日「鼻」、「地獄変」、「河童」にハマッてしまった。国語の時間に読んだ「鼻」は懐かしく愉快で、「地獄変」では命がけの芸魂と恍惚に慄いた。「河童」はで―狂人の口を借りて痛烈に人間をえぐる様は鋭くも鬱々としている。う~ん、「河童」はこの齢になって、深さを感じる作品だ。

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