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2009年7月28日 (火)

「グレート・ギャツビー」読書会(8)

Photo 昨日に引き続いて読書会のまとめです。今度は「グレート・ギャツビー」。舞台はアメリカ20年代のNY。4章半ば、胡散臭いMr.Wolfshiemとの会話から、5章のデイジーがニックの家を訪れる前までを読みました。

このWolfshiemおじさん(お歳は50歳ということですが)がいかにもあやしげです。ギャツビーとは最近のつきあいのようですが、Oxford UniversityのことをOggsford Collegeと言ったり、臼歯のカフスボタンをしていたり。ギャツビーのバックグラウンドもこのおじさんの言葉ではいまひとつ信用に欠けてしまいますね。このおじさんのモデルになったのがArnold Rothsteinという実在の人物です(写真)。

1919年には「ブラックソックス事件」として有名なワールドシリーズの八百長を画策し、スキャンダルを引き起こした男。当時、別名The Fixerとも呼ばれていた犯罪界の大物だったそうです。あの「フィールド・オブ・ドリームス」に出てくるシューレス・ジョーは、この事件の当事者です。

こんな犯罪界の大物がモデルのWolfshiemおじさんと知り合いのギャツビーもなんとも胡散臭い感じがプンプンです。ギャツビーは、その闇の世界とつながっている大胆不敵なところがある反面、デイジーのこととなると信じられないくらい妙にうぶなところを見せます。今回、読んだ箇所の醍醐味はその落差がとんでもなく大きなところにあるともいえます。

4章の後半では、ジョーダンによってデイジーとギャツビーの過去が明かされることになります。ここでは、2人の恋というより、デイジーの気持ちの不安定さ、たよりなさが描かれています。そして、夫のトムの浮気性も結婚直後からだったことが判明します。読書会ではトムの浮気について大いに盛り上がりました。トムはデイジーを飾り妻として結婚したのか、などなど。

今回読んだ中でわたしが一番フィッツジェラルドらしい文だなと思ったのが次の文章。

"Gatsby bought that house so that Daisy would be just across the bay."

Then it had not been merely the stars to which he had aspired on that June night.  He came alive to me, delivered suddenly from the womb of his purposeless splendor.

「ギャツビーがあの家を買ったのは、それが湾を隔ててデイジーの向かい側にあるからなの」

 ということは、あの六月の夜に、彼が熱いまなざしを送っていた相手は、空の星だけではなかったのだ。その瞬間、彼は意味なき散財という胎内をすっと脱け出し、僕の眼前で血肉ある存在となった。(「グレート・ギャツビー」村上春樹訳127ページ)

華麗かつ、どこかしら悲哀がある佇まいの文がたまりません、とフィッツジェラルド好きが読書会でもつい暴走してしまいました。

さてさて、次回はデイジーの登場でギャツビーとの再会と相成ります。こちらの読書会も8月はお休み。お楽しみは9月に!

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コメント

 ファウストといいギャツビーといい、どちらも読み応えたっぷりの読書会なのですね。ファウストは子供の頃ダイジェストで読んだだけ!なので漫画でいこうかな? ギャツビーなつかしくて、コニコさんの記事を読ませていただくたびにちょっと取り出しては見るんですけど・・・わけのわからん自分の書き込みだけちらちらみて、また閉じてます・・・(^_^;)

投稿: 点子 | 2009年7月31日 (金) 09時15分

点子さん、おはようございます。
ファウストはこれから読む第二部が読み応えがあります。マンガなら手塚治虫氏のものはいかが?
あと、ギャツビーで「わけのわからない自分の書き込み」というのはわかりますね~。わたしもその時は、自分の中で考えがもう風船みたいに膨らんで夢中で書き込むのだけれど、時間がたって読むと「何をいいたいのか???」なんてことよくあります。
ギャツビーの読書会ははまだまだ来年までかかりそうですが、ファウスト・クラスは今年中に終わりになります。無事読めますように。また感想をお聞かせくださいねwink

投稿: コニコ | 2009年8月 1日 (土) 08時06分

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