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2009年8月 5日 (水)

「柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方」

柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方

柴田先生の名前と魅力的なタイトルで手に取り、さっそく読み始め、読了しました。

柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方」(著者:柴田 元幸,高橋 源一郎、河出書房新社)は、今の小説のムードを感じるには面白い本です。アメリカ文学の代表として、かつ翻訳家の大御所としての柴田先生VS.ニッポン小説の代表として、かつ書き手としての高橋源一郎氏という建前ですが、お二人ともにそんな肩書きなどはやすやすと超えて、あらゆる意味での小説のクリエーターの立場で楽しげにお話されています。

といってもわたしがお二人の話にどれだけついていっているか、かなりあやしいのところがあるのですが・・・。ホント、柴田先生にしても高橋氏にしても半端でない読書量で「あんまり読んでないですけど。」とさらりと言われると・・・。こっちはつい、はっは~って「何も読んでないわたし、すみません。」って謝りたくなります。この本の中で、お二人が「海外小説」と「ニッポンの小説」(または海外に紹介したい現代日本の小説」)それぞれ30冊ずつ計120冊紹介している一覧表がついているんです(古典は除く)が、その中でわたしが読んだ6冊・・・トホホ。

それでも、めげずに、例えば素直な高橋氏の質問、「アメリカ文学の今の傾向は何ですか?」に耳を傾けるとそれなりに腑に落ちるところがあります。柴田先生のご意見は「個人的な妄想に根ざした幻想文学が主流と言っていいと思います。」(79ページ)でした。その代表的な人がケリー・リンクとか、エイミー・ベンダーだとか。

話しについていけなくても、途中からお二人の小説にかける熱い思いが感じられて読み進めます。そして最後には「読む」「訳す」「書く」がリンクする”無意識”がキーワードかなと思えたのですが、この”無意識”も、たくさん読んだり訳したりすることで自分を「無」にしたいという秘められた衝動とつながるようです(210ページ)。それは、一気に「書く」という行為も可能にしてしまうもので、しかしそこにいくには「コピーガードを解く」(柴田先生曰く)、または「チャクラを開く」(高橋氏曰く)というひとっ跳びが必要らしいのです。でも、皆が皆、それをできることではないようですね。

わたしにできることは、小説を読むこと。なんだかこの本を読んで、その読み方も名作ってことにこだわらないで、もっと面白がって小説を読書してもいいんだなって思えました。

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