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2009年9月 7日 (月)

「図書館ねこデューイ」の続き

Deweyx この本を読んで、10年以上前に住んでいたアメリカの中西部オハイオの小さな図書館のことを思い出したました。日本語もまだおぼつかない小さな娘を連れて、慣れない車の運転に緊張しながら、よく図書館通いをしました。

アットホームな雰囲気で、夏などはたくさん本を読むと絵本をプレゼントしてくれたり、絵本の朗読会でクッキーをもらったり。楽しく懐かしい思い出です。そこにデューイがいたら、きっともっと本を読みに通いつめたかも?なんて思ったり。

(写真USA TODAY より デューイとヴィッキー By Tim Hynds)

この本は、もちろんデューイの魅力がたっぷりと紹介されていますが、その他にも観光地では見られないアメリカの中西部、小さな町の歴史と日常が垣間見られます。ヴィッキーはこんなふうに自分たちのことを語っています。

わたしたちは善良で、たくましく勤勉な中西部人なのだ。誇り高く、卑屈ではなかった。自慢はしない。隣人の敬意によって自分の価値を測れると信じていて、そうした隣人たちと、アイオワのスペンサー以外に暮らしたい場所はなかった。何世代にもわたって祖先が格闘してきたこの土地だけではなく、お互いがお互いに織りこまれているのだ。そして、その織物のあらゆるところに顔をのぞかせている鮮やかな輝く糸が、デューイだった。(242ページ)

デューイは人懐っこいねこで、とりわけ悩んでいる人やこころを閉ざしている人を敏感に察してひざにのったというのです。突然ひざにのられた人は、最初はびっくりするでしょうが、そんなさり気なさは、苦しむ人には大いなる慰めだったでしょう。精神的に深く傷ついている時は、本人が辛さをことばにすることができない時が多いし、ことばで慰められることも難しい時があると思うんです。そんな時に”ただそばにいるだけ”ということがどんなにはげみになるか、それがわかるねこだったんですね。

デューイのお母さん、ヴィッキー(図書館長のこと)が、思春期の娘ジョディとの関係に悩んでいた時、デューイが母娘の橋渡し役になってくれた場面もなかなかこころに残るシーンです。特にジョディが成長してボーイフレンドをデューイに紹介するところはヴィッキーの気持ちになってしまって感無量でした。

このお話は映画化されるそうで、ヴィッキー役は、メリル・ストリープに決まっているということ。また観たい映画がふえてしまいました。

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