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2009年10月 7日 (水)

ポー、命日

黒猫/モルグ街の殺人 (光文社古典新訳文庫)

 今年で生誕200年のエドガー・アラン・ポーが亡くなったのが10月7日。40歳という若さだった。

今日は、彼の短編集「黒猫/モルグ街の殺人 (光文社古典新訳文庫)」(光文社)を読んでみた。小川高義さんが訳した新訳だ。

あらすじは―子どもの頃から動物好きな”私”がお酒に溺れて動物たちを虐待するようになり、可愛がっていた黒猫プルートーをも殺してしまう。それから続いて起こる不幸な出来事。プルートーの償いにふたたび飼いだした黒猫だが、やがて疎ましく思うようになり・・・。

あまりにも凄惨で、この後の怪奇をここで明かすつもりはない。是非続きを読んでもらいたい。

久しぶりのポー作品は、私が若い時に読んだより恐ろしさを増した気がするのはなぜだろう。前は”黒猫”が怖かったが、今回読むと”私”が怖い。暴力にとりつかれていく、悪のためになす悪―この人間の残虐さ。心の闇が2匹目の黒猫に乗り移ったのではないかと思ってしまう。人間の心の謎の部分があぶりだされて容赦ない。わたしが齢を重ねて人間の心が複雑な代物であると感じられるようになったからか、いわれなく虐待する魂が恐怖だ。

「黒猫」の、最後の場面には勝ち鬨にも似た悲鳴が残響する。

ポーの短編は珠玉。

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