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2009年12月 2日 (水)

「Read Real Japanese Essays」

日本語で読もう [エッセイ編] - Read Real Japanese Essays

“生の日本語を学習したい外国人向けの本”として編集された本ながら、“日本人が日本語で読むエッセイ本”としても楽しめるユニークな本をご紹介します。

日本語で読もう [エッセイ編] - Read Real Japanese Essays
(講談社インターナショナル)
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この本の編者はジャパンタイムズにもコラムを書いていたJanet Ashbyさんです。1975年以来、長年日本に滞在されて日本の小説や漫画などのポップカルチャーに精通している方。彼女が選んだ作家陣は、とてつもなく魅力的で、かつそのエッセイは味わい深いものでした。

8つのエッセイのうち、お気に入りは「どう書いても嫌な奴は嫌な奴」by町田康。出だしの「昔から、文は人なり、なんてなことが言ってあるが考えてみればその通りで、文章にはそれを書いた人の人間性が如実に現れる。」(同書 54ページ)で、“なんだ、まともなこといっているけど、どんな展開になるのかな~?」って思って読みすすめていくと・・・

アラアレ、どこへ連れて行かれるやら、パンクロックの歌詞が紹介され、次にはエゴイスティックで我が儘な随筆が綴られ、可笑しいことこのうえない。

また、小川洋子さんの「『博士の愛した数式』を巡って」は、文章の構成がまとまっていて、さすが数学者の小説を書かれたお方と敬服してしまいます。このエッセイは、『博士の愛した数式』の帯の文句、「世界は驚きと歓びに満ちている・・・」ということばではじまり、数式を解くように見事にそのことばで終わっています。

各エッセイの扉にはそれぞれ1ページ作者紹介がひじょうに簡潔にまとめてあります。ともかく読みやすいです。そして対訳がついているし、日本語を説明する英語の解説もついています。日本人が英語を学ぶのにも役立ちそう。

たとえば、平野啓一郎の「無常ということ」の解説の一部を紹介すると、

何とちっぽけなものであろう 何と・・・だろう is a mostly written pattern used for emphasis: 何と難しい本だろう "What a difficult book it is!" 何と・・・ものであろう is a variation on this pattern.  In spoken Japanese, people tend to say なんて・・・んだろう。(90ページ)

と、日本語のニュアンスも丁寧に説明してあります。

このシリーズ、フィクション篇もあるそうなんで、また挑戦してみたいと思います。CD付なので読まないで聴く手もありです。

P.S. えるこみ、「ミセスの本棚」にこの本の書評を書きましたので、そちらもどうぞご覧ください。

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