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2010年1月 8日 (金)

「イグアナの娘」(ネタバレ)

イグアナの娘 (小学館文庫)

去年書いたレビュー、ユリイカ特集「母と娘の物語」で萩尾望都さんの「イグアナの娘」を読みたいといっていましたが、忘れずに読みましたよ~♪

のっけからお話に惹き込まれます・・・

イグアナ姫は魔法使いを訪ねました
「魔法使いのおばあさん あたし 人間の王子様に恋をしてしまったの
あたしを人間の女の子にしてちょうだい」

「いいとも」魔法使いはいいました
「人間の女の子にしてあげよう・・・ただし・・・」

イグアナの娘 (小学館文庫)

著者:萩尾 望都
販売元:小学館
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っとこんな具合にはじまり、人間になったイグアナ姫はめでたく人間と結婚し、玉のような2人の女の子を産んで幸せに暮らしました***とはいかず****

なんと最初に生まれた女の子はイグアナだったのです。それも不思議なことに産んだ母親と本人のリカだけにしかイグアナに見えないというから、悲劇です。母親は次に生まれた人間らしいマミちゃんを猫っかわいがりし、長女のリカちゃんには継母のように冷たく当たります。やがて結婚して家庭を持った長女リカは、急死した母の死顔を見て驚愕します。母もイグアナだったと悟るのです。この時見たイグアナの母の夢にリカの思いは浄化され、つぶやくセリフが胸に沁みます。

わたしを産んで愛せなかったでしょ
愛せなくて苦しかったでしょ

母と娘の愛憎劇を“イグアナ”というグロテスクだけれどどこかユーモラスな動物で語るという発想がすばらしいです。人魚姫や雪女が恋をして人間になりたいと思うのは、もとが美しいからで、彼女たちのお話は切ない悲恋になるのだけれど・・・恋するイグアナとは。お母さんの抱えている秘密は重いし、冷たくされて落ち込むリカもかわいそうなのにどこか可笑しいです。だって、母親と自分以外の周りの人には、リカは才媛に見えるのですから。思春期の悩めるリカを、イグアナの姿と人間の姿の両方で描いているのが淡々とした面白さを出しています。

萩尾さんはこの物語を描くことで、自分の母親との関係に折り合いをつけたところがあったのでしょう。後から、じわっと味がでてくるお話でした。

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コメント

ご機嫌なお天気の日曜の朝ですねー。
ゆっくりと起きたら日曜美術館は養老天命反転地という珍妙に面白そうな場所の紹介になっておりコニコさんオススメのコンテンツは終わってました。

さてさて、「イグアナの娘」、私達がシカゴにいるとき菅野美穂(娘)と川島なお美(母)でドラマ化されてかなりの名作と話題になっておりました。

私は原作もドラマも観たいと思いつつ、今になっております。DVDになってたら観たいわー。

カラマーゾフは父殺し、今度の読書会はイグアナの娘?

投稿: クーネルシネマ | 2010年1月10日 (日) 10時31分

クーネルシネマさん、毎度(◎´∀`)ノ
DVD出てますよ。菅野美穂って結構好きな女優さんなのでさっそく見ましたよ。よかったわ~♪おすすめです。ってことで、マンガ、ドラマ共にトレビアンでしたhappy01

投稿: コニコ | 2010年1月12日 (火) 13時50分

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