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2010年3月10日 (水)

「鶴屋南北の恋」

鶴屋南北の恋 鶴屋南北の恋

著者:領家 高子
販売元:光文社
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わたしゃ、この本に惚れました。なんとも粋な本です。「どうやったら、こんな活き活きとした江戸のいなせ姐さん、兄さん(爺さん)が書けるんだろうね~」と思わず嘆息してしまいます。

お話は江戸の歌舞伎立作者、鶴屋南北ご本人と、その倅、重兵衛、そして2人に愛された鶴次の生きざまを追ったもの。

まるで、かの者たちが江戸の町を闊歩する音が聞こえてきそうです。そして切ない想いに身を焦がす鶴次の、じっと南北を待つ姿が目の前に浮かんできます。

わたしの仕事は鶴屋南北の側にいること。何処へも行かないこと(203ページ)

と、観念とも悟りともとれる情の深さで、南北が冥土に旅立つまで添い続ける女の愛しさ。

遊びだと思いなさい。生きているってのは、何もかも命の遊びなんだ(156ページ)

と、齢70歳を超えても色艶を楽しむ男の興。いずれもかわいい女の懐を、大きな男の懐をひしと掴んで離さない。もちろんそんな時は長くはないと承知の上。

10年馴染んだ情人を大南北のため、鶴屋一門のためと差し出した倅、重兵衛の心中も企みも、口に出してしまえば野暮の骨頂。

清々しさが残る“鶴屋南北の恋”―大芝居、ほろっとこさせてさらりと胸に迫ります。

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