« コニコのアバター、あらわる♪ | トップページ | 村上春樹訳「おおきな木」 »

2010年9月12日 (日)

「声の網」(ネタバレあり)

声の網 (角川文庫) 声の網 (角川文庫)

著者:星 新一
販売元:角川書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

8月にご紹介した星新一の短編集「声の網」を読んでみました。

この短編集は、目次をみると一見関係のないお話が12つ並んでいるようにみえますが、ちょっとした仕掛けがしてあって読み進むうちに「な~るほど」とわかるようになっています。

しゃべりたがりの私ですので、ネタバレがお嫌な方は、ここでストップしてくださいね。是非お読みになってからまた遊びに来ていただきたいのですが。

最初の短編のタイトルは「夜の事件」。時は冬、1月の、通称メロン・マンションと呼ばれている12階建ての1階から物語は始まります。民芸品店を営む主人公のもとに謎の“犯罪の予告電話”がかかってきます。やがてお店には予告通りの強盗が入ることになり・・・

というふうにサスペンスタッチで物語が進みます。2話は2月、メロン・マンション2階に住む女性が主人公。電話でのプライベートの噂話が盗聴されているような気が。秘密の話は他言無用の情報満載。またもや謎の電話が女性にかかってきます。「こちらは、あなたについてなんでも知っているのですよ。あなたが想像している以上に。ほかであなたについてどんなうわさがなされているかも・・・」(46ページ)なんていう電話。ちょっとちょっと、コワーくなってきますよね。さらに3話は3月、3階の住人の話し・・・と続き、謎はもっともっと深くなり、住人への詮索と監視は強くなっていくんです。12話が1月から12月までの1年間の話になっており、それぞれの主人公がメロン・マンションの1階から12階の住人であるという仕掛け。読み進むとやがて、ハタと謎の真相がわかり、この物語が25年も前に書かれたという事実に驚かされます。

私が一番印象的だった短編は、4話の「ノアの子孫たち」。主人公の津田の勤め先は、“情報銀行”でクライアントが忘れている情報を指摘するというもの。「忘れるということによる失敗を、人生から消してくれる。」(77ページ)というのです。いや~、コニコは、忘れるということで人生、助かっている面もあるので、なんだか管理が行き届く過ぎてコワーい。

少しずつ涼しくなっているこの頃。こんな連作ショート・ショートでおやすみ前の読書を楽しんではいかが?

|

« コニコのアバター、あらわる♪ | トップページ | 村上春樹訳「おおきな木」 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/114487/36619349

この記事へのトラックバック一覧です: 「声の網」(ネタバレあり):

« コニコのアバター、あらわる♪ | トップページ | 村上春樹訳「おおきな木」 »