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2010年11月16日 (火)

映画「わたしの可愛い人 シェリ」(「Cheri」)(ネタバレあり)

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♪モンシェリCoCo~ モンシェリCoCo~♪と、はいからな大和和紀のマンガに夢中になったのは40年近くも前のこと。モンシェリって響きがおフランス的で、それだけであこがれたものです。そんな遠い記憶を呼び起してくれたのがコレット原作の「シェリ」(シェリとは“ベイビー、ダーリン”という意味)。

「ボヴァリー夫人」「モリエール」とちょっとフランスがマイ・ブームになっているので、この映画「わたしの可愛い人 シェリ」を観てきました。

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40代後半のレアなる女性は、ベルエポック時代のパリのココット(高級娼婦)。彼女が、ココット仲間のマダム・プルーの一人息子、19歳のシェリと暮らすようになって6年間が経ったある日、シェリが結婚することになります。母親が決めた結婚相手、シェリより年下の若き妻が登場することによって、レアとシェリの甘い生活は終わりになるのですが・・・。

さてさて二人の恋愛の行方は、別れて募る恋心、“歳の差なんて”といいたいところが・・・

いざ想い想われ再会してみると、シェリは若い妻を知る前のシェリではなくなっていて、しぜんとレアと妻を比べ、彼女を“ひとりの婆さん(オバサンでなくて、婆さんなんですよ!)”としてみるわけです。再会して一夜を過ごしたシェリは、レアの元を去っていきます。そしてラストで、レアの顔のクローズアップが映し出され、ナレーションが入り、シェリがレアの元を去ったのは間違いで、彼が戦争に行った後、自殺をしたことが語られてThe End。

終わり方がちょっと唐突でした。なんで、彼が自殺してしまったか、このナレーションの前にシェリやレア、シェリの妻の想いなどもっといろいろあったろうにと思えました。実は、原作の「シェリ」には続編「シェリの最後」というものがあって、最後のナレーションは、その続編で起きた出来事を一気に語っていたようです。本を読んでいる人には違和感がないかもしれませんが、そうでない人には「あれ?」という感じは否めないと思います。

監督は、「クィーン」を撮ったスティーヴン・フリアーズ。もう一つ、難をいえば、できればこの映画はフランス語で聞きたかったと思います。フランス語ができるわけではないのですが、シェリという名前や、シェリがレアのことを呼ぶ“ヌヌーン”という言葉、フランス語独特の鼻に抜ける音など、フランスの息遣いを聞きたい思いがあったので。キャストがアングロサクソンって感じで、どうもイギリス的な気がしてしまって。

とはいっても、一見の価値がある映像の素晴らしい映画でした。「ベルエポック時代の時代は、まさにこんなに華やかだったんだろうな~」とため息の出る豪華さ。マダム・プルーの家の庭は、まるで印象派の絵のようだし。レア役のミシェル・ファイファーの衣装、ヘアの美しいことといったら、大人の女の魅力満開です。特に暖炉の前での彼女の金髪は、クリムトの絵をイメージしたヘアスタイルとか、退廃的な感じがよく出ていてウットリしました。

さらに、シェリが母親の豪邸にある温室の前で佇む姿は、萩尾望都の「ポーの一族」のエドガーのような妖しい美しさがありました。シェリ役のルパート・フレンドは、「プライドと偏見」ではウィッカム役を演じ、 マーティン・スコセッシ製作、エミリー・ブラントと共に主演をつとめた『ヴィクトリア女王 世紀の愛』(09)ではアルバート公役を演じるなど、さまざまな役で違った魅力を出している注目の俳優さんですね。

枯葉の舞い散る秋に、こういう映画をみて、フランスのベルエポック時代に思いを馳せてみました。

原作「シェリ」の翻訳をされた工藤庸子さんのブログが面白かったです。

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コメント

コニコさん、ラスト、彼が自殺って字幕だった?私は女が自殺したって読んだような気がして「若い男にも去られ、散々じゃん。オバサンに救いなし…」ってガックシきてたのよ。

もちろん一緒に観たmoonhighさんは正しく英語で理解してたんだけど。

単なる私の思いすごしおよび勘違いだったのかなー。

投稿: クーネルシネマ | 2010年11月17日 (水) 19時20分

「私のかわいい人・・」知らなかったです。
ブログを読ませて頂いて、俄然、観たくなってしまいました。てか、観なくては!!
そのフランス的な華やかさと退廃的雰囲気というのが気になりますよ。(*^^)v
英国人の描いたフランスと言うものにも興味がモコモコ・・
「クレアモントホテル」では彼が老婦人にどのように接するのか、という楽しみができましたよ。(^^ゞ

投稿: MINA | 2010年11月19日 (金) 19時08分

クーネルシネマさん、こんばんは~。お返事が遅くなってごめんなさいね。急に寒くなって風邪ひいちゃった┐(´-`)┌
これから年末にかけて忙しくなるって~のに、体調万全にしなくっちゃね、お互い

ところで、映画の結末ですが、私がみた時は字幕は問題なかったと思いますよ。英語でももちろんシェリが銃で頭を撃ったといってたし。試写会とロードショーで字幕が変わったかもね。イメージ的にもレアは自殺、しないでしょ。女は強しでしょうね

投稿: コニコ | 2010年11月19日 (金) 20時33分

MINAさん、「クレアモントホテル」は要チェックですね。ルパート・フレンドが主演のこの映画、イギリスでは2005年公開作品ですが、このところの彼の人気で観られることになったようで、めでたいことです
「クレアモント」では、金髪のイギリス人ですよね。楽しみ~

「シェリ」では、ネタバレしちゃいましたが、きっと楽しめると思いますよ。シェリのお母さん役の服装もレアと対照的でこってりしていて面白いですよ~

投稿: コニコ | 2010年11月19日 (金) 20時46分

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