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2010年11月28日 (日)

「しがみつかない生き方」

しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書) しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)

著者:香山 リカ
販売元:幻冬舎
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一年前に相当話題になった本ですが、今頃手に取っています。友だちが貸してくれました。帯には「『ふつうの幸せ』が最大の幸福」と書いてあります。逆説的にいえば、「『最大の幸せ』がふつうに幸福だと思っているあなたに」ということでしょうね。

目次をみると、かなり内容が読みとれます。以下はその章のタイトル。

ほしいのは「ふつうの幸せ」、恋愛にすべてを捧げない、老・病・死で落ち込まない、仕事に夢をもとめない、子どもにしがみつかない、お金にしがみつかない、等

傑作なのが、最終章第10章「〈勝間和代〉を目指さない」です。若い女性には、熱烈なる勝間ファン、カツマーと呼ばれる崇拝者がいるそうです。それほど人気の彼女は殺到する講演・取材依頼に抗するために必要なのは「断る力」なのだと説いているそうです。が、ここで香山リカさんはこう書いています。「断る以前に依頼が来ない人の方が多い」。この指摘はかなり鋭いです。努力すれば、だれでも勝間さんになれるとは限らないし、私は彼女のようにあからさまな“勝ち組”をうたいたいとも思いませんし。

一番印象に残った章は、「自慢・自己PRをしない」という章。ブログで、さんざん自己主張している私なんですが。度の過ぎた自慢・自己PRは時には辟易させられ、自分では控えなくっちゃと自戒しているので、いたく共感しました。

雅子さまの謙虚なもの言いと恥じらい
もう「デクノボー」では生き残れない
果てしなき自慢競争の始まり

という具合に。特に「もう『デクノボー』では生き残れない」には、「おっと、“デクノボー”は時代遅れということ?」と食いつきました。先日読んだ「のぼうの城」は戦国時代の話。あの話では、城代が“デクノボー”であったことがよかったのではなく、上に立つものが“デクノボー”であっても、それを許し、慕うまわりの環境があったという時代だったわけです。今、“デクノボー”のリーダーがいたら、すぐにまわりがそれを許さず、リストラされて負け組のレッテルをはられ、自業自得と世間から非難されてしまうという時代だと思います。世知辛い。

その他、第3章「すぐに白黒つけない」という章も、イラク人質バッシングについて深い考察が描かれていて興味深く読みました。当時の「自己責任」の大合唱も狭量な社会になっていく気がしていて、とても違和感を感じたものでしたから。

201ページの新書版。お金にしがみつきたくなる年末に、こんな本をさらりと読んでみるのも目からウロコかもしれません。

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コメント

コニコさん、こんにちわ。
この本、絶対に読みます! このウロコだらけでかさぶた状の目から、誰かウロコを取ってくれーって感じ。
私の場合はわりと簡単に「しあわせ」だとは思えるの。でも、けっして「あー、余は満足じゃ」とはならないのね。
いつもどこかちょっと退屈してるし、飢餓感もある。
香山リカさんには「ふつうの満足を手に入れる10のルール」を書いて欲しいわ。

投稿: moonhigh | 2010年11月29日 (月) 19時30分

moonhighさん、あらまあ、ハタメにはちょっと退屈している風には全然みえませんが、そうなんですか?
でも、moonhighさんの満足しないでハングリー精神をもっていらっしゃるの、コニコは好きですよ。

“ふつうの満足”ってのもなかなか面白いテーマではありますね。リカさんが書いてくれたら、私も読みます。

投稿: コニコ | 2010年11月30日 (火) 00時11分

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