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2010年12月22日 (水)

「吉原はこんな所でございました―廓の女たちの昭和史」

吉原はこんな所でございました 廓の女たちの昭和史 (ちくま文庫) 吉原はこんな所でございました 廓の女たちの昭和史 (ちくま文庫)

著者:福田 利子
販売元:筑摩書房
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先日「パリ、娼婦の館」を読んでいて、「はて、日本の吉原はパリの娼館とどんなところが違って、どんなところが似ているのかしら?」と思い、こちらの本を読むことにしました。

著者の福田利子さんは、3歳の時に、吉原の引手茶屋「松葉屋」に養女になった方。引手茶屋とは、貸座敷(大見世)に行く前のお客様のもてなしをし、貸座敷へ案内することを生業にするところだそうです。平成10年まで松葉屋を引き継いで商っていた女性です。彼女が語る、“廓の女たちの昭和史”は、まるで小説のように激動のものでした。戦時中には、兵隊さんが吉原で逃亡を企てたり、花魁と無理心中したりなど「そんなことがあったのか」とびっくりです。

特に驚いたのが4章の「民主主義の時代と吉原」。昭和20年、焼け跡の吉原が進駐軍の最初の慰安所となったという件には本当に驚きました。

“終戦の詔勅”が放送されてまもない8月18日にはもう、内務省から各府県に向けて「進駐軍特殊慰安施設について」という無電が打たれていたというんです。
 戦争中は、前線の兵隊さんを慰問するために女の人たちが集められ、今度は進駐軍将兵を慰めるために、また女の人たちが集められたというわけです。(158ぺージ)

さらに戦後「はとバス」が吉原に乗り入れたのも、松葉屋のアイデアだったそうで、華やかな「花魁ショー」の生まれたエピソードも面白く読みました。

ノンフィクションとしても、昭和の歴史を知る読み物としても、なかなか味わいのある本です。

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