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2010年12月31日 (金)

「神様のカルテ」

神様のカルテ 神様のカルテ

著者:夏川 草介
販売元:小学館
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今年最後の本のレビューです。 「年中咲いている桜」という記事を書いてから図書館に予約して半年、やっと今月に入って順番が回ってきました。人気の本ですね。世間では、「神様のカルテ2」が話題ということですが。

信州、本庄病院に勤務する青年内科医、栗原一止が主人公。彼を取り巻く厳しい地方の医療環境を描きながら、周りの温かな人との絆を淡々とした語り口で描いた秀作でした。

なんたる失態だ……私は慨嘆した。

という冒頭からして、とんでもない医療ミスでもしたのかと思えば、自らの結婚記念日を忘れてしまったというヘマ。一止の誠実さと仰々しい言い方にギャップがあるのが可笑しいです。

心に残るシーンはいくつかありましたが、中でも桜の件が泣かせます。絵に描いたような素晴らしい風景が、文字通り画で描かれていて息を飲むようです。

また、医師として一止が患者に向き合う姿が、いろいろな問題を投げかけて考えさせられます。

死にゆく人に、可能な医療行為全てを行う、ということが何を意味するのか、人はもう少し真剣に考えねばならぬ。「全てやってくれ」と泣きながら叫ぶことが美徳だなどという考えは、いい加減捨てねばならぬ。(175ページ)

まさに現代の医療の問題で、身近な問題でもあります。

年明けに読むのに、読後感の爽快な1冊です。

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