« 文化遺産略奪に思うこと | トップページ | ここはどこ? »

2011年2月17日 (木)

「幸福立国ブータン」

幸福立国ブータン 小さな国際国家の大きな挑戦 幸福立国ブータン 小さな国際国家の大きな挑戦

著者:大橋 照枝
販売元:白水社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

一生のうちで一度はいってみたい国の中の一つにブータンがあります。家族にはなかなか共感してもらえずお預け状態ですが・・・いつか行くぞブータンへhappy02

てなこといっていて、どうして行きたいかは――“GNH(国民総幸福量)”という言葉を知ってから気になる国になったんです。そんなわけで、手にとった本がこの本。

一見、現代の桃源郷のような国ブータンですが、いろいろな問題も書かれていてこれからの将来に注目したいところです。

この本の中で日本にも大事だなと感じたところは、「ディグラム・ナムジャ精神」ということば。

ブータンの組織で推進されているのはディグラム・ナムジャという精神。調和のある生活を意識的に送るという精神。家族の崩壊、核家族化という社会的な傾向や、片親家庭、社会の端に高齢者を追いやる状況に対抗して、私たちはその伝統、習慣を維持し、育てようとしています。(中略)幸福は人間関係にあります。大事にしている人に喜びを与え、思いやりを持ち、色々なものを分かち合い、自らの欲を制御するということです。幸福は人間関係が拡大するときに感じるもの。人間関係がうまくいかない時は、悲しみや寂しさを感じます」(29ページ)

このことばは、ブータンの首相ジグメ・イェゼル・ティンレイ氏が「国民総幸福量」と題する基調講演をした時の一部だそうです。日本の社会は、無縁社会といわれ始め、人間関係、人との絆がうすくなりつつありますが、そこに幸福を見いだしにくくなっているのも実感です。

また、この本の中で紹介されているブータンの魅力の一つに、自然の景観があります。2008年に建立された新しい寺院ドゥルック・ワンゲル・ラカンから望めるヒマラヤ連峰は、なんとも神々しいとのこと、見てみたいものです。その一節に、こんなことが書かれていました。

「この中(ヒマラヤ連峰)に、まだ登頂されていない山が一つあります。ブータン人は、ヒマラヤといった神聖な場所に登ったりしません。だから一つ残った未登頂の山がこのままであってほしいと思っています」(44ページ)

「そこに山があるから登る」という気持ちも分からないでもありませんが、畏怖の念をもって山を見るといった「聖なる山」の考えに納得もしました。そう、平山郁夫氏の描いた「西方浄土須弥山」がヒマラヤをモデルにしたといったように、その山々の前では、きっと神仏を感じることでしょうね。やはり実際にこの目で見てみたいわ。

後半は、統計資料的なところがあり、コニコには今一つでしたが、ブータンに興味のある方には参考になる本だと思いますよ。

|

« 文化遺産略奪に思うこと | トップページ | ここはどこ? »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/114487/38932375

この記事へのトラックバック一覧です: 「幸福立国ブータン」:

« 文化遺産略奪に思うこと | トップページ | ここはどこ? »