小川洋子さんって、面白い職業や趣味をもっている人を作り出す能力が天才的です。今回の日記もどきのゆるやかな連作短編集にもふんだんに出てきます。この主人公、つまり日記の書き手も、一見フツーのオバサンのようですが、書き記している日記の内容はキテレツです。
「運動会荒らし」や「あらすじ教室の先生」といった、そんな人いないと思えるのですが、アレアレ、もしかしたらとも思える、不思議なお話が続出。奇妙な気分になります。愉快だったのが、「運動会荒らし」の主人公が、「パーティー荒らし」に同胞意識を持ち、その熟練の技を評するところ。おやすみ前に、日記代わりに読むと、おもしろい夢がみれそうな気がします。
コメント