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2011年7月13日 (水)

「山羊の目は空を青く映すか」(Do Goas See the Sky as Blue?)

もう1年近くも前の話題ですが、やっときちっと読めました。これは5月分の「原書でキャンペーン」とさせてくださいん。

イギリスの文芸雑誌「GRANTA」と日本の「群像」が共同企画を読んでみました。桐野夏生 「山羊の目は空を青く映すか」が「群像」に日本語で、そしてコチラで「GRANTA」に載った翻訳(Do Goats See the Sky as Blue?)が読めます。

Photo Granta_2 

原書がまたまた日本語ですが、桐野夏生さんの小説がどういうふうに英語になっているか、興味深いものでした。10頁ほどの短編ですが、ジョージ・オーウェルの「1984」のような完全に管理されたディストピアを描いた作品。「東京島」で感じたようなざらりとした感覚で、タンネという子どもを主人公として語られます。舞台は、いつともどこともわからない、たぶん未来の先進国のどこか。監視のキーになるのが、なんと鐘の音。大聖堂の鐘の音は、天につながる神聖なものなのが、この世界では、囚人を支配する恐ろしいタイム・キーパーとして何度も出てきます。

原文と翻訳を比べて読んでいくと、なんと翻訳では省かれているところが3箇所かあり、びっくりしました。日本語を読んでいるとあまり感じないのですが、英語だけで読み進めていくとちょっと理論的には“うん?”という箇所が抜けていました。「へえ~、こういうのもアリなのかしら?」と思いました。

いちばん印象に残ったところは、ここ。

タンネはもう笑っていなかった。思ってもみなかった現実が自分を襲っている。現実という世界の皮を一枚剥がしてみると、そこには真っ暗な地獄がある。それを初めて見た気分だった。

Overcome by a reality he'd never imagined, Tanne was laughing no more.  Peel back one layer from the real world and you found a drak, hellish place.

こんなふうに翻訳は、文の並びも多少変えたりしているんですね。これからは、日本の小説も、川端や三島だけでなく、どんどん翻訳されて海外で読まれてほしいものです。そんな試みとしてこういった共同企画は、是非応援したいものです。また、何かあったら紹介しますね。

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