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2011年9月26日 (月)

「阪急電車」

阪急電車 (幻冬舎文庫) 阪急電車 (幻冬舎文庫)

著者:有川 浩
販売元:幻冬舎
発売日:2010/08/05
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ちょっと前にこの本原作の映画「阪急電車」を宣伝してましたよね。ウェディング・ドレス(本当はそうではないのだけれど)を着た中谷美紀が電車のホームに立っている、あのCMです。

「どんなドラマがあって、彼女はあのようにしているのだろう?」と知りたくなるのが女心。文庫本になって、私の電車の中での読書の友にと読んでみました。

有川浩さんの本をはじめて読みました。ささやかだけど、なんて味わいのあるドラマが綴られているんでしょう。心に人を包み込むような穏やかな秋風が吹いたようです。

ひとつひとつのお話が、ゆるやかにつながっていて、見知らぬ人々がお互いを支え合うような人情を持って接している―阪急電車の今津線は、おばあちゃんも、ちっちゃなこどもも、恋に悩む乙女も相乗りする長屋みたいなところに思えてきます。

あの中谷美紀、演じる女性は翔子という名前でした。この名前、私が若い頃、もしも女の子が生まれたらつけたいなって思っていた名前の一つでした。なんだか余計に親しみが湧きました。

彼女の白いドレスは「討ち入り」の印だったんですね。なぜって?それは是非読んでのお楽しみになさってください。

迷って悩んで、毎日を過ごしていく普通の人たちの心がたくさん詰まっている本です。巻末の児玉清さんの解説もステキです。この本を応援する児玉さんのコメントを最後に引用しておきますね。

 電車に乗っている間は、いわば人生のつなぎの時間なのだ。乗り物に身を乗せて目的地までの時間は人間にとってなにやらエキストラ・タイムなのだ。ある意味で人生の無為の時間とも言える。つまり、所在なく自分の心を休業状態にしているときなのだ。だから、どうしても無表情でぼんやりした顔をしている。しかし、視点を別な角度にしてみると、乗り物というのは運命共同体だ。乗客は期せずして身を寄せ合った仲間たちということもできる。アットランダムに身を寄せ合った人々たち。いろんな人たちの集まりだ。しかも人間は一人一人誰もが自分の物語を背負って人生を生きている。物語と物語が一杯に詰まっているのが乗り物なのだ。(264ページ)

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