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2012年4月21日 (土)

小泉さんに魅せられて

英語で短編を読む「コニコの英語カフェ」読書会も4月から3シリーズ目に入りました。

今シリーズのテーマは“怖い話”。ホラーとかグロテスクといったものもありますが、実は「その心理・行動って怖い!」という話も読んでいこうと思っています。4月に選んだのが小泉八雲の「Gikininki (食人鬼)」。怪談の中に入っている短編です。欲に目が眩んで餓鬼道に堕ちた僧に夢想国師が出会うという話。

一夜の宿を乞うた村人から、死人が出た家にその夜いると災いが起るということを聞いた夢想国師が見たものは、死人はおろか、お供物までバリバリと食う餓鬼の姿。英語ではその姿を"shape"と表現していました。リーダーズ英和辞典で、shapeを引くと、(おぼろげ[奇怪]な)姿、幽霊という意味がありました。八雲が魅せられた日本の影のような幽霊は、西洋が想像する"monster"(怪物)とはっきりと違うものなのですね。

先日、読んだ小泉さんの「日本の心」も、いま読書中の「怪談・骨董」も少しも古びていないストーリーや洞察に心惹かれてしまいます。特に「怪談・骨董」の巻末にある平井呈一さんの解説では、八雲さんの奥さん、セツさんの「思い出の記」が紹介されていて、微笑ましい夫婦の様子が書かれていました。セツさんに昔話をせがむ八雲さんは、まるで母親に読む聞かせをねだる子どものようで、100年以上も前のその情景に妙に親しみを抱きました。

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読書会で小泉さんを読んだ後、ふらり雑司ヶ谷霊園の彼のお墓を訪れてみました。3年前にもこちらの夏目漱石のお墓参り をしましたが、今回の主役は小泉さんです。管理事務所の向かいにある花屋さんで菊の花を買って手向けてきました。中央に八雲さん、左に奥さんのセツさん、右にお孫さんのお墓がありました。菊の花を買った花屋のご主人によると、「八雲さんの曾孫さんがご存命中で、松江で先生をしている」とか、「八雲さんと夏目漱石さんはあんまり仲が良くなかった」(東大の教授職であった八雲さんの後任が夏目漱石)とか、「いまでも外国の大使が小泉八雲さんのお墓参りに来る」とか、滅多に聞けないお話をいろいろしてくれました。ついでに「泉鏡花さんのお話もお読みになってみたら」なんて薦められたり、とってもお話好きなご主人でした。ちょっと得した気分です。お墓参りしていると、ずいぶんと蝶々が飛んでいて、小泉さんの本の虫の項を思い出します。死んだ人が蝶々になってお墓にきているのかしら、と思えてくるから不思議です。奥の深い小泉八雲の世界、あらためて面白いと感じました。

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