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2012年7月の記事

2012年7月31日 (火)

夏の文学教室 2012 ①

第1日目のお目当ては、3時間目の板東玉三郎さんと真山仁さんのお話でした。1時間目の日高昭ニさんと、2時間目の伊藤比呂美さんの講演は、さぼりです。

この「夏の文学教室」も、コニコにとっては3年目。こちらの講演のひとつの特徴は聴衆の年齢層が高いことですが、今回は、ちょっとだけオーディアンスの平均年齢が下がった気がしました。これも玉様の効果かしら。普段はチラホラと空席のみられるよみうりホールも、ほぼ満席。コニコも玉三郎さんのお顔が見られるように前の方に席をとりました。

予定の時間より少し遅れて到着した玉三郎さんでしたが、この暑い中、なんとも涼しげな、すっとしたグレーのスーツ姿、白と茶色のおしゃれな靴で登壇されました。真山さんは赤いパワーネクタイをして登場。

真山さんは、小説家になる前、フリーライターをやっていたそうで、玉三郎さんとはその頃からのおつき合いで、今回のの聞き手に選ばれたそうです。

さて、お話のテーマは、「泉鏡花の世界」。わたしは、泉鏡花をまったく読んでいないし、お芝居もみていないのですが、玉三郎さんが語る熱っぽい鏡花の作品の魅力に圧倒されました。なんと8歳ころに「天守物語」をみて、「こういう芝居をやりたい」と思ったというのです。ちょっとすごいですよね。さらに、玉三郎さんの美意識は、だいたい10歳くらいまでに決まっていたというのですから、恐るべき子どもだったことがわかります。

その頃の逸話として、色を平坦にしてしまう蛍光灯が嫌いで、自分の部屋は一切蛍光灯をつけないでくれと親に頼んだとか。こういった、こだわりの感性が、深く泉鏡花の世界と響き合ったんでしょうか。

また、玉三郎さんが泉鏡花に惹かれるところは、幻想の世界を描くことで、人間の根源的なところに触れているからといっていました。鏡花が描く女性は、凛とした魂の持ち主だということもさらりと述べていました。不思議なのは、鏡花を深く理解し演じられた玉三郎さんの何気ない、「鏡花先生は~」という言葉が、わたしたちの日常とは違うレベルで話されているようで、聞き役の真山さんと、時としてちぐはぐな会話(いい意味で)になっていたのも面白い発見でした。これはぜひ鏡花の作品を読んでみたいし、玉三郎さんが出た芝居もみてみたくなります。

玉三郎さんの鏡花作品、おススメは、「天守物語」と「日本橋」ということ。この夏、読んでみようかな。

天守物語 [DVD]

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2012年7月30日 (月)

夏の文学教室 2012 「文学・『土地』の力」

今年も「夏の文学教室」の時期がやってきました。今日から土曜日まで、有楽町のよみうりホールに通います。

恒例のコニコの夏合宿。このところの常連さん、島田雅彦氏や堀江敏幸氏のお話を聞けないのは残念ですが、今年は、桜庭さんや磯崎さんの講演が楽しみです。

初日の今日は、「泉鏡花の世界」と題して真山仁氏と板東玉三郎氏の対談があります。

暑さにめげずに、行ってきま~すhappy01

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2012年7月28日 (土)

「決断力」

羽生棋聖は全7タイトルの獲得数が通算81期となり、大山康晴十五世名人(1923~92年)と並んでいた歴代最多記録を30年ぶりに更新して単独1位となった。(産経ニュース7月5日)

将棋にくわしいわけではないのですが、羽生さんの話はテレビなどで「面白いな~」と思っていました。30年ぶりに歴史的記録を作られた羽生さんの記事を読んで、彼の「決断力」を手に取ってみました。その圧倒的な強さの秘訣は何か?

実はこの本、目次を読むと、もうそのエッセンスが端的に書かれていて、羽生さんの頭の中の明晰さが見えてきます。

第1章  勝機は誰にもある
第2章  直感の7割は正しい
第3章  勝負に生かす「集中力」
第4章  「選ぶ」情報、「捨てる」情報
第5章  才能とは、継続できる情熱である

という具合。それぞれの文もとても簡潔に書かれていて読みやいこと。特に面白かったのは、第2章の「読み筋に“情”が移る」という考え。決断をする時に、――「これもありそうだ」と迷ってしまい、同じようなところをぐるぐる回ってしまう。この筋はダメだという結論が出ても、長い時間をかけて考えていたので、その手筋を捨て去ることが思い切れなくなることもある。情が移ってしまう――というのです。そういうことって、わたしにも結構あるかも。これって、前に「『しがらみ』を科学する」でいっていた“こころでっかち”に通じるものがあるかもしれません。

そういう迷いも含めて、勝負は「決断の連続」なわけです。そうやって勝負だけでなく、生きていく上でもさまざまな経験を重ね、何かしら決断して暮らしていくんですよね。

羽生さんの座右の銘は「玲瓏」(れいろう)という言葉だそうです。「いつも透き通った心静かな気持ち」という意味です。最善の「決断」を下す時の心構えなのでしょう。

何はともあれ、羽生さんの将棋にかける情熱と洞察力すぐれた「決断力」に敬服いたしました。

決断力 (角川oneテーマ21)

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2012年7月26日 (木)

今日は「ドンタマ」

日経の夕刊に連載中の小説「ファミレス」は、ときどき面白いレシピを披露してくれます。先日(139)の回で紹介されていたのが「ドンタマ」。平たくいえば、卵かけご飯。

今日のお昼は、うだる暑さでご飯を作る気力もなし。家で一人食だし・・・

「そうだ、残ったご飯に卵かけちゃえ!えーい、ドンタマだい!!」と、やってみたら、これが美味しいのですupぜひ、お試しください。

 茶碗一杯ぶんのご飯を小さめの丼によそい、食べるラー油をまぜこむ。味加減は少し辛め。いったんボウルなどに移してからしっかり混ぜ込むのではなく、窮屈な丼の中で箸先で混ぜる。当然ながら、均一にはならない。それでいい。いや、そうしなければドンタマの魅力は生まれない。
 卵も同様に、じかに割り入れる。それを箸でさっくり溶く。「混ぜる」のではなく「切り刻む」感覚である。黄身と白身は分かれたままでよし。(重松清「ファミレス」第6章8より)

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連載のイラスト

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今日のコニコのお昼、「ドンタマ」

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2012年7月25日 (水)

映画「ペイ・フォワード」(Pay It Forward)(ネタバレあり)

2000年の映画だったんですね。今日、テレビでやっていた「ペイ・フォワード」は、前から気になっていた映画でした。録画をしておいて、いま観終わったところ。

中1の少年、トレバーは、学校の先生に「もし君たちが世界を変えたいと思ったら、何をする?」と問いかけられます。彼が懸命に考えて思いついたのが、“善意をされた人にではなく、3人の他の人に渡していくこと”、つまり、自分に与えてもらった善意をどんどん他の人にもリレーしていくことでした。図にするとこんな感じ。

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この計画は紙の上では、丸と線でとてもシンプルに拡がっていくのに、実際にはそう簡単に世界を変えるほど、善意は拡がっていかないように思えました。そこには、恐怖心のブロック、哀しみの記憶のブロック、こころの弱さのブロックがあり、トレバーは苦しみます。現実は、理想どおりってわけにはなかなかいかないものですよね。トレバーが抱えている苦しみは、家庭内暴力やアルコール中毒の母。重すぎる現実が目の前にあります。彼自身が助けてもらいたいのに、一生懸命「何かよいことはできないか」を考えます。

トレバー(ハーレイ・ジョエル・オスメント)が最初に助けたホームレスの男性は、トレバーの善意を広げていこうと一歩踏み出します。飛び降り自殺をしようとする女性を助けようとして「どうぞ私と一緒にお茶を飲んで下さい。私を助けて」と必死で迫ります。人を助けようと懸命になっていたら、自分の麻薬中毒で、禁断症状が出ていることを忘れて自分自身が救われていたという、このシーンは、胸を打ちました。

トレバーも、同じように母親(ヘレン・ハント)を助けることで、実は自分が救われる…そう思えたラストで、彼は倒れます。いじめにあっている友人を救おうと勇気をふるって立ち向かって、刺されてしまうという悲劇が起ります。

安直なハッピーエンドで終わらずに、そこには深く流れる強さを感じさせるものがありました。薄暗い夜明けに灯る人々の弔いのキャンドルが何とも印象的でした。キャンドルの灯りのバックに流れるトーマス・ニューマンの“Calling All Angels”が耳に残ります。

ペイ・フォワード [DVD]

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2012年7月21日 (土)

銀座の入母屋(いりもや)

先日いった銀座の和食やさんが大ヒットでした。銀座プランタンの並びにあるギンザ・グラッセ・ビル9階にある「和食 入母屋」。

和食ランチとデザートビュッフェが楽しめる、女性に人気間違いないメニュー。全席個室というのも特別感ありました。

今回頂いたのは「優彩小町」で2180円。

まずお惣菜8品。

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主菜をお魚かお肉で選んでご飯、味噌汁がつきました。

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お食事が終わると、別室のデザートビュフェー室に案内され、

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45分のデザートタイムとなります。少しずつですが、取りにとって、8品。実はお代わりもして、コーヒーも飲んで、「あ~、満腹」。おしゃべりにも花が咲いて楽しいひとときでした。

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銀座で女友達とお店に迷うようでしたら、こちらはおススメよnote

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そうめん または ひやむぎ

以前に「ラテ または オレ」という記事を書きましたが、今日も“その違いって何?”という疑問に答えてくれる記事発見です。

はたして、そうめんとひやむぎの違いは何?

そうめんは小麦粉を塩水でこね、油を練りながら手で細く延ばして作る「手延べ麺」。ひやむぎは小麦粉を塩水でこねるところまでは同じ。麺線にする段階で、うどんのように麺棒を使って薄く打ち延ばしてから包丁で細く切る「手打ち麺」だ。

(中略)機械打ちのものが出回るようになってから、機械製麺はどうか。直径1.3㍉未満がそうめん、直径1.7㍉未満がひやむぎ。(日経プラス1 「生活発見」より7月14日)

最近、目が悪くなって1㍉以下の太さなど見分けられないコニコ。“そうめんとひやむぎの違いがわかる女”ではなくなりましたbearing

まあ、どちらも麺が好きだから問題ないかdelicious

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2012年7月19日 (木)

アイデアが世界を変える

ちょっと前の話になりますが…NHKの「クローズアップ現代」7月2日放送の「アイデアが世界を変える~TED 究極のプレゼン」が刺激的でした。

な~んとこの番組まるごとサイトでみられます。上のタイトルをクリックしてもらうと動画が出ます。

この番組をみて、まず思ったのが“TED”って何?です。ウィキペディアで調べてみると

TEDTechnology Entertainment Design)とは、アメリカのカリフォルニア州モントレーで年一回、講演会を主催しているグループのこと。

TEDが主催している講演会の名称をTED Conference(テド・カンファレンス)といい、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物がプレゼンテーションを行なう。講演会は1984年に極々身内のサロン的集まりとして始まったが、2006年から講演会の内容をインターネット上で無料で動画配信するようになり、それを契機にその名が広く知られるようになった。

と書いてありました。番組では、TEDの代表であるクリス・アンダーソン氏にインタビューしています。いま行われているTEDの形は、「1人の人間がステージに立ち、18分以内で1000人を超える観客の前でアイデアを語る」と説明していました。

ここで、私がつらつら言葉を重ねるよりも、実際にTEDのプレゼンを見て頂いた方が、これがバラエティに富んでいて面白いことがわかります。「これぞプレゼンの極み」といえる数々。これは、「日常生活でも、人にわかりやすく伝える時の参考になるな」と思えました。そもそも、ここで展開する練られた豊かなアイデア自体が、“既成概念”を疑わせる力をもっています。

印象に強く残るのは、アンダーソン氏の「世界はアイデアで動いています。アイデアが歴史を作るのです」という言葉でした。

世界は、面白いアイデアに満ちています。このTEDもYouTubeというアイデアで世界に拡がっていったようです。今も、新しいアイデアが、また新たなアイデアを生むという化学反応がすごいスピードと量でおこっているはずup

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2012年7月18日 (水)

オースティンの命日

7月18日は、作家ジェイン・オースティンの命日です。1775年に生まれて、1817年の今日に亡くなっています。わずか41歳という若さでした。

先日、BSでやっていた「ブリジット・ジョーンズの日記」(「プライドの偏見」の翻案映画)を観て、“この作品もオースティンがいなかったら、作られなかった映画だったんだ~”と思った次第。面白かった(*゚▽゚)ノ

昨日も深夜、映画「ジェイン・オースティンの読書会」をやっていましたね。あれって、今日が命日だったからかしら?(レビューはコチラ

読書の愉しみと、映画のたのしみを頂いて、そしてオースティン・ファンということで友だちになれた人たち、いろいろ彼女には感謝だわheart04

ブリジット・ジョーンズの日記 [DVD]

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2012年7月17日 (火)

選評と「道化師の蝶」

17日に新しい芥川賞の発表があり、今回は女性の鹿島田真希さんの「冥土めぐり」が受賞しましたね。

いつも遅れているコニコですが、文藝春秋3月特別号で前回の芥川賞2作を読んでみました。この掲載雑誌に載っている芥川賞選評がいつも楽しくて、今回も作品を読むのと同じくらいどう評しているか、期待しました。

すっかりインタビューで有名になってしまった田中慎弥氏と、発言が地味な円城塔氏は、見た目だけでなく、作品でも真逆の小説でした。

かたや伝統的な小説と、かたや実験的ともいえる小説―コニコの好みは「道化師の蝶」の方でした。

ことばを使って成り立っている小説自体を実験材料として、網ですくい取ろうとするように感じます。それは、着想、発想、妄想、奇想のコレクションのようでもありました。

たとえばこの小説の重要な登場人物エイブラムス氏は、語り手“わたし”にこう話します。

「書く環境が大切だということですか。たとえばわたしが作家を雇い、今のわたしのように四六時中飛行機の中に閉じ込めておくとしましょう。その作家が書くものは、移動中に読むにたえるものとなりましょうかな」(中略)

「何かを受注した以上、使用に即した作品を仕上げる義務が作家にはある。契約ですから。飛行機の中で読むことのできる作品を仕上げるという仕事を受けたなら、実際にその作品が飛行機の中で読むのに適しているということが実証されてはじめて、納品完了ということになるわけです。そうですね、この場合、無作為に選んだ乗客たちの三割程度が読みとおすことのできる作品を書くというあたりを、契約の条件とするべきだ」
(文藝春秋「421ページ)

こんな考え方、フツーしないでしょ。実際、この小説はとても変な話です。芥川賞選者の中には、この作品を小説といえないといった人もいたようでした。その中で、この作品を強く推したのが、川上弘美さんだったらしいのです。彼女の選評「あらゆる猫」という文章の中で「道化師の蝶」を評するのに、彼女が受けた「量子力学」の授業を引き合いに出してこんなことを書いていました。

「世界にはどうやら、日常の言葉ではとうてい説明しきれない現象が存在する。けれど、説明しづらいその現象は、たとえば遠い宇宙の果てで起っている自分と無関係なもの、というわけではなく、ごく身近なところでいくらでも起っている――げんに、電子は私の体をかたちづくる無数の原子を構成する物質そのものなのだから――のであるなあ、ひゃあ、これはまた難儀な」ということのなのでした。
 ここにある日常。または非日常。この世界の一部。また、この世界の全体。それらを眺め思考し、物語をつくりだす。それが、小説です。(文藝春秋364ページ)

川上さんは、「道化師の蝶」に、つかめそうでつかめないもの、言葉であって、言葉でないものを感じたのではないでしょうか。

また、選者の島田雅彦氏も、この小説を評価してこういっています。

「道化師の蝶」はそれ自体が言語論であり、フィクション論であり、発想というアクションそのものをテーマにした小説だ。自然界に存在しないものを生み出す言語は、生存には役立たないもの、用途不明のもの、しかし、魅力的なものを無数に生み出すユニットであるが、小説という人工物もその最たるものである。日々、妄想にかまけ、あるいは夢を見て、無数の着想を得ながら、それらを廃棄し、忘却する日々を送る私たちの営みは、まさにこの小説に描かれているような性懲りもないものである。この作品は夢で得たヒントのようにはかなく忘れられてゆく無数の発想へのレクイエムといってもいい。
(文藝春秋369ページ)

手にとることのできないこの“無数の発想”を蝶にたとえ、網で捕えることができたら――と考えること自体、すごい発想という、考えのラビリンスに陥りそうです。

たまたま読んだ、この本のあるレビューで、「マグリットの絵を文章化したらこうなるんじゃないだろうかと思いながら読み進めた」というものがありました。マグリットの有名な絵、「これはパイプではない」のような、シュールな感覚がずっと残る不思議な小説でした。

マグリットが面白いと思えると同じように、この本も面白いかなと思えました。

道化師の蝶

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2012年7月16日 (月)

「それでも三月は、また」

今年の3月11日に出た本です。

日本、アメリカ、イギリス同時刊行された本でもあります。私が読み終わったのは、日本版の「それでも三月は、また」です。

同時刊行された本書の著者印税相当額/売り上げの一部は震災復興のため寄付されるそうです。

17人のことばのプロたちが綴った「あの日」を想ったアンソロジーです。

一年経って、まだ「あの日」のことをどう語っていいか迷いがある表現者はたくさんいると思います。時がうつろう中でいろいろな想いが熟していく時がくるのかもしれません。

この一年は、短いようで長かったともいえるし、長いようで短かったともいえます。この本の著者たちは、その時間の中で、そして、この本の中でとてつもなく“真摯”に言葉をつむいでいったと思います。

それぞれがそれぞれの言葉で。谷川俊太郎は「言葉」という詩で。多和田葉子は「不死の島」という小説で。バリー・ユアグローや村上龍はエッセイという形で。

印象に残ったのは、川上弘美さんの「神様 2011」のあとがき。

1993年に、わたしはこの本の中におさめられた最初の短編「神様」を書きました。
熊の神様、というものの出てくる話です。(中略)2011年の3月末に、わたしはあらためて、「神様2011」を書きました。原子力利用にともなう危険を警告する、という大上段にかまえた姿勢で書いたのでは、まったくありません。それよりもむしろ、日常は続いてゆく、けれどその日常は何かのことで大きく変化してしまう可能性をもつものだ、という大きな驚きの気持ちをこめて書きました。(78ページ)

この先もずっと続く日常という時間。日常の中に起きた想定外の2011年3月11日という非日常がこれからもずっと私たちの生活に“何か”の影響を与えていくのでしょう。その言い知れぬ“何か”がこの本の中にあるような気がしました。

それでも三月は、また

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2012年7月13日 (金)

桃・柿チャリティーランチ

一年ほど前に「わたしでもチャリティー」という記事を書きました。

震災があった2011年3月11日から1年と4カ月経った今年の7月11日、ふたたび仲間とチャリティーランチとバザーを行いました。

自分たちで企画し、計画を立てたオリジナルのチャリティー・イベント。今年も建築家の安藤忠雄さんが立ち上げた「桃柿育英会」に、ランチ代と合わせて募金してもらったものとバザーの売上を寄付をしました。この育英会は、 “東日本大震災で遺児・孤児になった子どもたちに10年間支援を続ける“というもの。

去年の震災直後は、皆がこぞって寄付をしていましたが、続けて支援していくということはなかなか難しいもの。

今回も、2回目がうまくいくか、緊張して当日は朝の4時ごろに目が覚めちゃいました。そうそう、去年と同じ人数を想定して20人の個室を探すのも難航しました。が、運よく趣のある銀座の「巴里夕顔」というレストランがみつかり一安心。こちらのレストラン、ランチのコース料理、おススメです。

とにもかくにも、去年を上回る寄付が集まり、参加者の笑顔のうちに大成功に終わり、ほっとしています。

今年の新しい趣向として、お食事を頂く前にプロのヴァイオリニストの演奏も盛り込みました。この会での演奏を快諾して下さったMさんに感謝note優しいメロディーの「タイスの瞑想曲」、ノリのいい「チャルダッシュ」、しっとりとした「からたちの花」、そして最後はコニコのリクエスト「ふるさと」を弾いて頂きました。こころにじーんときました。

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美味しいランチを食べながら、友だちの輪も広げていこうという試みは、皆のエネルギッシュなオバサンパワーで炸裂。話題が尽きることがありません。誰かが誰かの友達だったりで、「世の中、狭いわね~flair」ってことになります。

食後のバザー(参加者がバザー品を持ち寄り)では、テーブルに所狭しと、手作りでしかもプロ並みのアロマ石鹸、布のトートバッグ、アクセサリー、クッキーなどが並びました。うーん、皆、なんて才能があるのかしら~。

コニコのバザー品として出したのは、ハート型のクッキー(今年はドライクランベリーを入れてみました)とコニコ・コレクションのクリアファイルを少々。クッキーは、こころのこもったイベントになるよう願いを込めて、汗だくになりながら焼きましたよ。

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そして、「原子力と人間」という本。この本は、原子力の仕組みをわかりやすく書いたおススメ本だったので、一冊は手元において、もう一冊をアマゾンで注文し、バザーに出しました。それから、オースティンの本、間違えて同じ本を2冊買ってしまったので、そちらも出品しました。どなたに買って頂いたのかしら?感動の嵐のDVD「プロジェクトX」も4本寄付。

今年は、参加者だけでないバザー品の寄付もあり、寄付金に大きく寄与してくれました。有難いことです。

コニコの戦利品はこちらです。意外と少なかったわ。友だちにいろいろ薦めているうちに、自分の買い物する時間がなかったのでした。売り子オバサンになってしまって被害にあわれた方は、どうぞお許しをhappy02

実は、もっとお菓子を買ったのですが、写真を撮る前につい食べてしまいました。栗まんじゅう、美味しかったこと!また、これからの時期に嬉しい日焼け止めクリームもゲット。こちらはなんと人数分だけS社から寄付して頂いた品。さっそく今日、お出かけ前にこれで紫外線をカット。写真の上の方にある洗顔石鹸も、渋谷の「あまき堂」さんからの寄付で、試してみるのが楽しみです。

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そして、ビーズの先生をしておられる福島出身のKさんもたくさんたくさん作品を寄付してくれました。ロンデル、スワロフスキーなどのビーズを使ったすてきなネックレスもお買い得でしたね。

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懸案のコニコの復興読書も合わせて募金。ひとりで続けた、本を読んだページ数だけ寄付をするという支援と、仲間と一緒にはじめたチャリティー・イベントとが合わさって、とっても達成感がありました。

一緒にがんばった仲間の皆さん、お疲れ様でした。そして、この会の趣旨に賛同してくれて参加してくれた愛すべき友人たちに心から「ありがとう」と言わせてくださいね。

「来年もまたやりましょう!」が合言葉になって、オリジナルの試みが地道な支援になっていきますように。

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あっ、ローマ人だ!

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夏のご挨拶、お中元ももう終わろうとしていますが、街でみかけたポスターで、「おっ!」と思ったのがこれ。

「ローマ人がハムの宣伝をしている?」

と、思うコニコもどうかしていますが、「テレマエ・ロマエ」を観てから、阿部ちゃんは、ローマ人にしか見えなくなってしまいました。

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2012年7月10日 (火)

今日は「納豆の日」

今朝、ラジオを聴いていたら「今日は、納豆の日です」と言っていました。

なるへそ、7(なっ)10(とう)ってわけ。

わが家の食卓には欠かせない納豆ですが、たいていは商品についているたれをかけて食べます。ラジオでおススメしていたのが、“塩納豆”。ちょっと変わっていますね。よし、今晩ためしてみます。それと、先日おススメした馬路村のゆずポンでもたべてみよっと。

皆さまの“わが家特製の納豆の食べ方”ってありますか?

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2012年7月 8日 (日)

馬路村のゆずポン

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みつけ!スーパーにありました。先日読んだ、有川浩さんの「植物図鑑」で、どんなサラダにも合うといっていたポン酢です。高知県土佐の、馬路村産ゆず味のポン酢を買って、さっそくお味を試してみました。

う~ん、さっぱり、酸っぱく、後味もいい。これから暑い時期にぴったりだわ。フツウのポン酢よりも酸っぱさがちょっときつい気がしますが、酸っぱいの大好きなコニコ一家では大歓迎。

水菜のサラダにゆずポンをかけてパクパクと頂きました。

馬路村ゆずポン、何種類かあるようです。な~んとアマゾンでも買えたんですね。しらなかった~flair

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2012年7月 7日 (土)

七夕に「天の川奇譚」

小泉八雲の本、「怪談・骨董 他」の“他”に当たる部分に「天の川奇譚」があります。

むかしの日本が行なってきた、数ある風雅な行事のなかで、何といってもいちばんロマンチィックなものは、タナバタサマの祭であった。(353ページ)

という文から始まります。七夕は、恋人同士の年に一度の逢瀬。それも、「すこしでも雨が降れば、天の川の水かさが増して、恋人同士は、またまる一年待たなくてはならない」(361)のです。タナバナの晩にたまたま降る雨のことを、「涙の雨」ということも知りました。

七夕の晩には、子どもたちが「天気になあれ」といって、短い歌をうたい、夫婦星が出逢うと思われる時刻に、青年たちがふざけた歌をうたって、からかう―などという、風流さがあったとか。いま、七夕はすっかり短冊の願い事をするお祭りになってしまいましたが、天の恋人たちに想いを馳せるのって、ロマンチックだわheart01

七夕や あまり急ぐと 転ぶべし

天の川 波は立つとも わが舟は
いざ漕ぎいでん 夜の更けぬまに

八雲が載せた俳句・短歌です。

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2012年7月 6日 (金)

「地球交響曲―第六番―」

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以前、佐藤初女さんが出演されていた「地球交響曲―第二番―」をみて、すっかりこのシリーズのファンになったコニコですが、最近、「地球交響曲―第六番―」(Gaia Symphony No.6)を観る機会に恵まれました。

サブタイトルは「全ての存在は響き合っている――世界は虚空の音に満ちている」。ガイア・シリーズ6番目の出演者は、3人の音の魔術師たち。

ラヴィ・シャンカール(シタール奏者)
1920年インド・ワーラーナシー生まれ。若くしてヨーロッパ文明の洗礼を受け、17歳の時インドに帰って7年間、師に全てを捧げる苛酷な修行生活を送り、常にインド数千年の叡智に立ち還りながら、西洋近代文明との橋渡しを続けて来た。60年代、モントレー、ウッドストックなどのフェスティバルに出演。ニューエイジの若者達から圧倒的な支持を受ける。ビートルズの故ジョージ・ハリスンは、シャンカールの音楽に触れ、一介の弟子となる。74年インド音楽の原点に回帰する運動を開始。以後、世界の音楽家、政治家、経済人とも交流を深める。バイオリンの名手、故ユーディ・メニューインは、彼のことを「20世紀最大の楽聖」と評した。

ケリー・ヨスト(ピアニスト)
1940年米国アイダホ州ボイジ生まれ。6歳よりピアノを始める。アイダホ大学で音楽と哲学を学んだ後、南カリフォルニア大学大学院でピアノを専攻。87年、チャネル・プロダクションを設立。デビュー・アルバム『Piano Reflections』を発表。幼い頃から大自然の山や川、森や湖との超越的な交感を何度も体験した。有名になることも、喝采を浴びることも求めず、ただひたすらピアノの中から“光の音”を紡ぎだすことに全霊を捧げてきたケリーの生き方が、そのまま、優しさと気品にあふれたピアノ音楽となって私達のもとに届けられる。アイダホの自然と環境の保護運動においても中心的な役割を果たしている。

ロジャー・ペイン(海洋生物学者)
初めてザトウ鯨と出会い、得意のチェロでその歌を採譜し、彼らが人間と同じ作曲法で歌をつくることを発見した。鯨と海の環境保護をすすめる団体、“Ocean Alliance”を設立。彼が提唱する鯨達の知力、知性に関する考察は、大きな反響を呼び、当時出版した『ザトウクジラがの唄』は世界中で1,050万枚を超える大ベストセラーとなった。

(映画パンフレットより)

この世のすべての存在をつなぐ、人間の耳に普段、聴こえない音、音、音。3人の作りだす音は、実はもうすでにそこにあったものであり、その音を描く術を知っていた者だけが、それを聴くことができるかのように響き合う音、音、音。

ピアニストのケリー・ヨストさんの調べがあんまり静謐だったので、即CDを購入してしまいました。本を読みながら、聴いていると、とても落ち着いた気持ちになります。

3人の紹介の間に挿入される“虚空の弾き手たち”は、弓を鳴らし(奈良裕之)、ディジュリドウを吹きます(KNOB)。狭い室内ではなく、拡がっていく大地の中で、音波を放っていくようでした。

“癒しの音”にとどまらず、“響き合っていく音”がこころに残りました。この映画はDVDにもなっていますが、自主上映予定は公式サイトにアップされています。お近くで観られるチャンスがあれば、ぜひお薦めです。

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2012年7月 5日 (木)

「『しがらみ』を科学する」

糸井さんのファン、クーネルさんから紹介された「『しがらみ』を科学する」を読んでみました。副題に「高校生からの社会心理学入門」とあります。著者の山岸俊男氏は、北海道大学で教えておられる先生で、海外でも教鞭をとられた方。

目次を見渡すと、面白そうなトピックが並んでいます。しか~し、のっけの“ジントニックのクイズ”から、ちょっとややこしい!高校生で、このクイズは解けるの?と突っ込みを入れたくなりますが。まあ、落ち着いて・・・“本をはじめから読む”という“しがらみ”を捨てて、タイトルが面白い第4章「ぐるぐる巻きの赤ちゃん――社会がわかるとは」から読んでみると、なかなか楽しい。赤ちゃんをぐるぐる巻きにして子育てしている実例を収集して、その実態を「理論的に観察」してみたというのです。ここで、大事なのが理論。

現実をぼーっと眺めていただけで見えてこないものがある。そうした場合には、私たちは理論をサーチライトとして使うことで、無数にある「現実」の中から観察すべきものを明るみに引き出すんですね。(149ページ)

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この本で、キーワードになる“心でっかち”――“一人ひとりの気持ちや考え方である「心」がすべての原因だと考えること”(42ページ)

人と共感することを求められる社会で、それが苦手な人が、生きていく手段として理論をもって、科学的に考えていく姿勢を説いている点は、「空気を読む」ことを強制する日本社会では、新鮮に思えました。

山岸氏が若い人と話している、「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載された「しがらみを科学してみた」も楽しいですよ。

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2012年7月 1日 (日)

6月の復興読書 一区切り

今日から7月です。もう今年も半分過ぎたのですね。

さて、コニコの6月「復興読書」のページは、3081ページでした。なんと、読んだ冊数は12冊。ここ一年でいちばん本を読んだ月になりました。これまでの復興読書も合計で32768ページになりました。

去年の4月から始めた復興読書もここで、一区切りつけたいと思います。いままで読んできたページ数分を桃柿育英会などに寄付を考えています。

6月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3081ページ
ナイス数:93ナイス

和菓子のアン和菓子のアン
「和菓子のアンちゃん、美味しかった」じゃなくて、面白かったです。5月からはじまって、お正月明けまで、和菓子のいわれは、まるで日本の風物詩を味わうような楽しさと深さがありました。立花さんの言葉―「和菓子は俳句と似てるんだ」に納得です。 デパートで売れ残りを出さない愛すべき店長の姿勢も食べ物に対しての温かさが感じられてステキです。
読了日:06月30日 著者:坂木 司

怪談・骨董他怪談・骨董他
ずいぶんと時間がかかりましたが、読了しました。この本には、参考資料として八雲が基にした粉本が掲載されてあります。それと比べると、八雲の「怪談」がいかにみずみずしい創作であったかが伺えます。訳者である、平井氏の言葉通り、八雲がただの怪奇作家ではなく、鋭い審美眼と霊魂に対しての畏怖があった書き手だったことがわかりました。
読了日:06月24日 著者:小泉 八雲

今井信子 憧れ ヴィオラとともに今井信子 憧れ ヴィオラとともに
先日、ヴィオラスペースで今井信子さんの演奏を聴いてきました。ヴィオラ、そして音楽に対して全身全霊の想いが感じられて聴いていてつい前のめりになりました。 本を出されているとは、いままで知りませんでした。あの音楽のように熱い生き方をされているのだとあらためてファンになりました。巻末のCD「私を泣かせてください」は歴史に残る名演奏だと思います。
読了日:06月24日 著者:今井 信子

「しがらみ」を科学する: 高校生からの社会心理学入門 (ちくまプリマー新書)「しがらみ」を科学する: 高校生からの社会心理学入門 (ちくまプリマー新書)
自分が「心でっかち」かつ「頭でっかち」であるということを実感しました。それでもめげずに、他人の反応ばかりを気にせず、ポジティヴな「予言の自己実現」を続けていけば、何かが変わっていくかもしれないと思える本でした。印象に残ったのは、“いじめを起こす負の螺旋”、紙一重の怖さがありました。
読了日:06月23日 著者:山岸 俊男

センセイの鞄センセイの鞄
川上弘美さんの本をはじめて読みました。センセイとカタカナで書くセンスの良さが気に入りました。どの章も印象深い場面がありましたが、「お正月」の、ツキコさんがどんどんこどもになってしまうシーンには胸を突かれました。“多生の縁”の「多生」も良かったです。 ドラマ化もされているんですね。ぜひ観てみたいと思います。
読了日:06月21日 著者:川上 弘美

盗まれた手紙 (バベルの図書館 11)盗まれた手紙 (バベルの図書館 11)
《バベルの図書館》シリーズの魅力は、何といっても冒頭のボルヘスの序文だ。「悪夢という言葉がポーの物語のほとんどすべてに適用できる」(12ページ)という視点からアラン・ポーの短編5編を読んだ。「落し穴と振り子」は再読だが、その迫力は何度読んでも色褪せない。
読了日:06月18日 著者:E・A・ポー

須賀敦子全集〈第5巻〉イタリアの詩人たち、ウンベルト・サバ詩集ほか (河出文庫)須賀敦子全集〈第5巻〉イタリアの詩人たち、ウンベルト・サバ詩集ほか (河出文庫)
須賀さんの全集8巻あるうちの後半に入った。苦手の詩を語った巻だったので、身構えてしまったが、ウンベルト・サバの詩集は情感にあふれていいなと感じた。後半のミケランジェロの手紙では、発注した作品の代金の苦労など、偉大な芸術家の生活苦が偲ばれ、驚かされた。
読了日:06月17日 著者:須賀 敦子

怪談 (英文版) ― KWAIDAN (タトルクラシックス )怪談 (英文版) ― KWAIDAN (タトルクラシックス )
「怪談」の他に掲載されている虫の話が深く印象に残った。「蝶」、「蚊」、そして「蟻」についてのエッセイ。「蝶」の詩的な語りが特にハーンの真骨頂に思える。「蚊」の話も、ハーンのお墓参りをすませたばかりだけに味わいのある話だった。 「蟻」の研究は、英語がやっかいで翻訳を読みながらでも難しかったが、蟻が人間より利他的で倫理的にすぐれた社会を構成しているという視点が面白かった。
読了日:06月17日 著者:ラフカディオ ハーン (小泉八雲),Lafcadio Hearn

かいじゅうたちのいるところかいじゅうたちのいるところ
こどもに宿るワイルドな気持ちが描かれていて、いいなって思う。ウォーって叫びたくなるようなときってあったよね、小さい頃。大人になっても叫びたくなることはあるけれど、その時は「まったく~」って感じで、ちょっとワイルドな気持ちとは違ってる。
読了日:06月12日 著者:モーリス・センダック

パラサイト・イヴ (新潮文庫)パラサイト・イヴ (新潮文庫)
病院にお見舞いに行った時に、待合室にあった本。前から気になっていたタイトルで、パラリとページをめくったら、もう病みつき。聖美&EVEから目が離せなくなってしまった。ホラーだのSFだののジャンルも、専門用語も気にならずに最後のカタルシスまで持っていくエンターテイメント小説として仕上がっている。あとがきでは、瀬名氏の小説家としての矜持が感じられ、好感を持てた。
読了日:06月08日 著者:瀬名 秀明

(032)黒 (百年文庫)(032)黒 (百年文庫)
「黒」というキーワードで選ばれた短編だけあって、その作品世界は闇のように暗い。ホーソーンの「牧師の黒のベール」は、あまりにも謎めいて長く印象に残る作品。再読だがやっぱり不気味に恐ろしい! 夢野久作は、以前「ドグラ・マグラ」を読み切れずにいた著者だったが、女・青ひげのような短編「けむりを吐かぬ煙突」にはぐいぐい引き込まれた。名ばかり知っていて読んだことのないサドの作品「ファクスランジュ」は、フランスの香りのするビター・ロマンスで楽しめた。ちなみにマルキ・ド・サドのマルキは侯爵の意とは知らなかった!
読了日:06月04日 著者:ホーソーン,夢野久作,サド

音楽力が高まる17の「なに?」音楽力が高まる17の「なに?」
こちらの本、楽器を弾かれる方、音楽好きだけでなく楽しめる本です。音楽は静かに聴くものではなかったとか、絶対音感が実は全然絶対的なものじゃなかったとか、440Hzと決まって80年そこそこしか経ってないとか、通念を覆してくれる本です。わかりやすく書かれているので、若い学生でも手に取って楽しく読めるのではないでしょうか。 自分の音楽力が高まったかどうかはわかりませんが、楽器の練習する心構えは、この本を読むとおのずと変わってきますよ♪
読了日:06月01日 著者:大嶋 義実

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