« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »

2012年9月の記事

2012年9月30日 (日)

ドビュッシー、音楽と美術――印象派と象徴派のあいだで

Img

東京駅にほど近いブリヂストン美術館で開催中の展覧会「ドビュッシー、音楽と美術」展を観てきました。

生誕150年を記念して、ドビュッシーのコンサートや特集テレビ番組などをみかけますが、今回のこの展示は音楽と美術から多面的にドビュッシーに迫ろうとするもの。絵の好きな音楽家だっただけに期待度大ですnote

Photo_3

会場に入ってすぐにあったのが、このマルセル・バジェが描いた「ドビュッシーの肖像」です。まだ20代の彼ですが、この前髪がなんだかどっちゃん坊やみたいで、イケてないですよね。でも、ドビュッシーは人並み外れて額が大きかったそうで、きっとまだ若かりし頃は、コンプレックスに思って前髪で隠していたんでしょうね。うふ。

さて、順路に沿って進むと、副題が“印象派と象徴派のあいだで”とあるように、オルセー美術館からもずいぶんとモネ、ルノアールやモーリス・ドニなどの絵がきています。一昨年の「オルセー展」や、去年の「モーリス・ドニ いのちの輝き」展で観た絵もあり、懐かい再会でした。しかも大好きなルドンの絵も2点展示があり、嬉しい驚きでした。

そういった名作の中でも、今回のコニコが心惹かれたのは、カミーユ・クローデルの彫刻「ワルツ」です。

Photo


テーブルにのるほどの、そんなに大きくはない作品ですが、このよろめき方が凄まじく、優雅なワルツというより、濃密なタンゴのよう。この2人は、ドビュッシーの音楽に身をまかせて倒れてしまいそう。オーディオ・ガイドによると、ドビュッシーは、この彫刻を生涯、手元に置いていたということです。何かと女性問題を起こした彼は、恋の情熱にこの彫刻のように身をまかせていたのかもしれませんね。

もう一つ印象的だったのが、アメリカの画家、ウィンスロー・ホーマーの「夏の夜」です。

Photo_2

煌々と光る満月の夜にひとときの華やぎを楽しむ娘たち。波は幻想的にキラめいて、ドビュッシーのピアノのキラキラした音符を感じさせます。

ドビュッシーが紡いだ、文学、美術、音楽とジャンルを超えた時代が生み出した才能ある人たちのネットワークを網羅した展覧会も新鮮味がありました。

ただ、惜しむらくは、やっぱり美術館での作曲家の展覧会は、当たり前ですが絵が中心ですよね。会場に流れる音楽や映像をもっとドビュッシー色の音楽に染めてほしかったという気持ちはありました。

でも、手書きのスコアなどやっぱりドビュッシーのファンには垂涎ものが多く、見逃せない展示です。

帰ってから、ドビュッシーの「月の光」を聴いて余韻を楽しみました♫

追伸:一番上の、ルノアールのクリアファイルをおみやげに買って帰りました。日本の美術館には必ずクリアファイルがあるから嬉しいです♪

続きを読む "ドビュッシー、音楽と美術――印象派と象徴派のあいだで"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月29日 (土)

My 万華鏡

Img

渋谷の Bunkamura Gallery で開催中の「万華鏡展」は、時の経つのを忘れるほどウキウキする色と形の世界を楽しませてくれます。9月30日までということで、覗いてみました。

先日行った成川美術館に万華鏡コーナーがあり、無限に変わっていくその極彩色の世界にうっとりしていたところ、なんと偶然にもこの展覧会を発見。

入場無料で、気に入ればその場で買うこともできます。はたして、万華鏡って、いくらくらいするものなのかしら?もちろん、なんでもピンからきりで、お値段はさまざまですが、手頃な大きさのものでも5千円はするんですね。手の凝ったものは、なんと100万円以上 w(゚o゚)w 我が家の家宝に一つ欲しい・・・なんてことは大それて考えませんが…

しかし、せっかく来たのだし、自分の万華鏡ってほしいって思いませんか?なんて思っていたら、幸運なことに、万華鏡ワークショップにも参加することが出来ました。“ハイポイントワンドスコープ”(繊細で美しく、まるで孔雀が羽を広げたような万華鏡)という自分だけの万華鏡を作ってお持ち帰りです。

Ca3c1454

3枚の薄い表面反射鏡を貼り付けてこの筒の中に収めます。

Ca3c1456_2

色の素になるビーズやボタン

Ca3c1457

透明な筒の中にそれぞれ自分の好みでビーズなどを入れます。今日試したのはドライタイプ。グリセリンを入れると、中のビーズなどがゆっくり動いてそれも独特の美しさがありとか。

Ca3c1458

透明な筒をさっきの鏡の本体の穴に通してレンズで覗いてみると

Ca3c1455

何と綺麗な!思わず自画自賛です。この写真は、三角のレンズから携帯のカメラで撮っているので、全体が見えませんが、くるくると回すと、光がニョウキニョキと生まれてくるような不思議な世界。引き込まれてしまいます。

この透明な筒は、色々なものを入れることで無限に楽しめるということです。講師の山見浩司先生は、「スワロフスキーのビーズとか、ゴージャスですよ~」なんて言ってました。万華鏡の移ろいゆく光り輝く世界に酔いました。

続きを読む "My 万華鏡"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月28日 (金)

イチイの木で想像したこと

前回ご紹介した「渡りの足跡」の冒頭章“風を測る”の中で、イチイの木について語られるくだりに興味がわきました。

 あれは?私は年を経た魔法使いのような赤っぽい木を指さす。あれは、オンコですね、イチイです。案内人が答える。癖のある老人のような年季の入ったねじ曲がり方をしたオンコの木。オンコの木がイチイのことだと、どこかでは読んでいた気がするが、感覚としてピンと来なかったので、私の中で知識として蓄積されることはなかったのだろう。ここで案内人に言われて初めて二つが結びついた。私のイメージにあるイチイといったら英国の古城の庭園やマナーハウスの庭に年代物のトピアリーとしてリスやら幾何学的な模様やらに仕立てられた姿だ。特にルーシー・ボストンの十二世紀からの歴史を持つマナーハウスの庭の、彼女自身が丹精したトピアリーの巨大さは今でも目に浮かぶ。そしてオンコ、といえば知床を代表する老賢人のような木をいう印象を持っていたのだった。その全くかけ離れた二つのイメージを結びつけるのにちょっと時間がかかった。そうか、イチイって自然のままに放っておけば、こんな風にとりとめもなくなるわけなんですねぇ……と、思わずため息をつく。とりとめもなく、奔放に、凄まじく。樹皮一枚下に、どんな内実が隠されているのか。natureの本質は、いつもどこかに見え隠れしている。(14ページ)

イチイの木といえば、今年の春にレビューした「怪物はささやく」で登場した怪物がイチイの木でした。この「怪物はささやく」のイチイの木も、ものすごいパワーを持った老賢人のように思えましたが、梨木さんが見た北海道のオンコ(イチイ)も“年を経た魔法使い”のような木だと書いてあって、なるほど同じ木だと妙に嬉しくなりました。

梨木さんのイチイのイメージがトピアリーとして仕立てられた姿であったというのも、また新鮮で、木も育て方次第でまるで違った種類のようにもなるのだと、面白く思いました。

そして、先日観た映画「指輪物語 二つの塔」に出てくるtreebeardも、もしかしたらイチイの木かもしれないとふと思いました。梨木さんが深く感じられた“natureの本質”が奔放に凄まじく樹の内面に蓄積されて人間には測り知れない日々重なる時代を作っているのかもしれません。

Treebeard

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月27日 (木)

「渡りの足跡」

小川洋子さんのラジオ「メロディアス・ライブラリー」で以前取り上げられた本「渡りの足跡」を読んだ。

暑い季節から秋風が吹く頃になると、自然は人間が面倒がる衣替えよりもずっと潔く、それころしぜんに身をまかせて準備を始まる。渡り鳥は、命懸けの旅の準備を始めるのだ。

梨木香歩さん(「西の魔女が死んだ」の著者)のエッセイは、その“渡り”の旅立ちをじっと見守っている。彼女の眼差しは、渡る鳥だけに限らず、やがて越境するすべての生きものに向けられる。

このエッセイの最後に哲学的ともいえる深い洞察に満ちた文章がある。少し長いが、引用したい。

 鳥瞰図、という言葉は、高い視点で俯瞰された風景のことを言うけれど、鳥の視力は(特に狩りをするオオワシなど猛禽類のそれは)、人間には考えられないほど優れたものらしい。時々その感覚を想像する。
 それはきっと、マクロとミクロを同時に知覚できるようなものではないだろうか。遠くでしている生活の音やにおいが、動物の動きがまるで自分がそこに身を浸しているように感じられるような。彼方で誘ってやまない北極星の光が、外界と内界の境を超え、自分の内側で瞬くのを捉えられるような。
 それは越境していく、ということであり、同じボーダーという概念を扱いながらも、他者との境に侵入し、それを戦略的に我がものとする「侵略」とは次元も質も違う。「越境する」ということの、万華鏡的な豊穣さに浸かって、言葉が生み出され、散らばって、また新たな言葉が誕生する。そういう無数の瞬間の、リアリティの中を、生き物は渡っていく。
 秋になれば、カムチャッカのほとんどすべての鳥は、渡りを始める。体重十グラムも、五千グラムも。群れになって、あるいは単独で。(159ページ)

時間という季節に背負った余計なものを捨てて、最短距離を行くのではなく回り道もしながら、渡っていくその足跡は、思ったよりもずっと豊かなものであることを示していた。寒さがます北海道の空を見渡してみたくなる本だ。
  
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月26日 (水)

ブォーノ!イタリア

Ca3c1446

涼しくなってきて、秋を感じます。食欲の秋!

「ブォーノ!イタリア」ってポスターに釣られて、池袋の西武に行っちゃいました。謳い文句が「食べる、語る、笑う、それがイタリア!」っていうのも心惹かれてしまい・・・

主にチーズやワインなどの食品が並んでいて、やっぱり本場よりもお高い(当たり前でしょうが)。でも、ジェラートとかピザとか、美味しそうで、催事場にあるイートインでランチすることにしました。結構お店も多くて、どこがいいか迷います。

Ca3c1447

またまた目についたのがこのポスター。「ナポリピッツァ世界一」っていう殺し文句で、ピザを食べることにしました。

Ca3c1450_2

2010年にナポリのピッツァ選手権で1位になった味にトライ。決め手はチーズなのだそう。うん、確かに美味しい!でも世界一って言われても、よくわからないというのが正直なところ。それだけ日本のイタリアンがおしなべて美味しくなったせいなんでしょうね。「このピザが世界一なんだ~」と確信を持てずに、でもパクパクと食べたコニコでした。

10月1日まで開催中。

続きを読む "ブォーノ!イタリア"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月23日 (日)

これがあのお菓子♫

以前、「ナルニア物語 ライオンと魔女」を読んだとき、Turkish Delightというお菓子が出てきてどんなものなのかしら?と思っていました。

映画では、次男のエドマンドが白い魔女にこのお菓子で誘惑されるシーンがありました。そうか、白いお菓子なんだと外観は判明。さて、お味の方は??

Photo

先日トルコに旅行に行った友だちから、まさにこのお菓子をお土産でもらいました。

Ca3c1441

Ca3c1442_2

映画とおんなじ白いお菓子でした。トルコではロクムという名前だそうです。ナッツ入りのもので、柔らかくって、でもモッチリしていて気に入りました。日本人受けしそうな、モチ系の和菓子のようです。

とっても甘くってやわらかくて、イギリスでも戦争中に疎開した子どもたちにとって、どうしても食べたくなるお菓子だったんですね、きっと。

白い誘惑の味を初体験しましたcake

続きを読む "これがあのお菓子♫"

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2012年9月19日 (水)

成川美術館

Ca3c1416

何度も箱根に行ったことがありますが、ここまで足をのばしたことがありませんでした。

元箱根港にある成川美術館をはじめて訪れてみました。門から急な坂道になっていて、歩いていくのはかなりしんどい…という気持ちを察してか、エスカレーターが美術館の入口までありました。

そんなに大きくはない美術館ですが、高台にあり、落ち着いた趣きで入り口から芦ノ湖が一望できます。

展望台からは、富士山も見えて、この眺めがまるで名画のようです。この美術館は、現代日本画を中心にした展示が主で、「悠久の大地」と題して柳沢正人展を観てきました。

なんと、奇遇なことにイタリアを題材にした絵も多く、“箱根にいてイタリア”を味わうという、不思議な巡りあわせでした。

それも今回、コニコがイタリア旅行で訪れたローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアを描いた絵が並んでいて、気分はすっかりイタリアン。あの時の空気や風も感じられるような色彩と光がこころにしみます。

特に、フィレンツェのミケランジェロ広場を描いた大きな絵は、フィレンツェの街を目の当たりに出来たようで、またイタリアに行きたくなりました。

Img
「虹の回廊」

Img_0001

「光降るベニス(春)」

Ca3c1415

Ca3c1414

フィレンツェ





| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月17日 (月)

おじいさんを食べよう

Ca3c1438

今日は「敬老の日」です。パン屋さんで売っていたアンバンが「おじいさん」になっていました。

結構、大きくて食べがいがあります。昨日も食べて、今日も「おじいさんを食べよう」っと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

石の上にも3年ってホントね♫

Ca3c1440


あれは3年前、まだ暑い日の9月。ドキドキした、はじめてのヴァイオリンのレッスン。

そして、今年の9月はじめに先生からもらった楽譜が「パッフェルベルのカノン」。昔の人は、いいことをいいます。“石の上にも3年”、ギーギーいわせながら弾いたヴァイオリン、下手ながらもめげずに(というのはウソで、いつも相当めげていたけれど)諦めずに続けたヴァイオリン。

とうとう「カノン」を弾くことができるなんて。まだまだこの曲を習い始めですが、ひしひしと胸に迫るものがあります。音を出すのが楽しい、まさに音楽ですnote

はじめてヨカッタ(´∀`)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年9月15日 (土)

絶景 富士山

Ca3c1403

Ca3c1412

「箱根に行きたい」という母と共に行ったのが、元箱根の「山のホテル」。お庭からの富士山が絶景でした。上は夕暮れの富士。そして、下が朝陽に浮かぶ富士。

写真は、ちょっと銭湯の絵のようですが、霊山と言われるだけあって、見ているだけで何だか神聖で、清々しい気持ちになりました。

富士山からパワーもらいました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月14日 (金)

「ベルばら」も40歳

Img

♬ベルサイユのばら~♫ “オスカル!” “アンドレ!”と盛り上がった少女マンガ、「ベルサイユのばら」は、1972年から週刊マーガレットに連載が始まったんですね。早40年が経ち、銀座松屋では、「40周年記念 ペルサイユのばら展」が開催中(9月24日まで)。

友人に誘っていただいて行ってきました。平日で開催2日目でもあるせいか、思ったより混んでいなくてラッキー。お客さんの年齢層は、50代が多いかしらね。ベルばらに憧れた“元少女”たちってわけ!?

赤いぱら色の展示場には、原画や宝塚の舞台で使われた衣装などが所狭しと飾ってあり、当時の宝塚のステージも上映されていて、見入ってしまいます。実際に舞台を観に行ったことはありませんが、やっぱり華やかですよね。

小さかった頃、「週刊少女フレンド」と、「週刊マーガレット」を2冊買うお小遣いがなくて、どちらかというと「少女フレンド」派だったコニコは、単行本になった「ベルばら」を1冊づつ買い足していった想い出があります。どこいっちゃったか、実家に1冊くらいは残っているかも?懐かしいわ~。でもね、原画のセリフをいま読むと、中にはちょっと気はずかしいような言葉もあり、“恋に憧れる少女”ってところもありましたね。

Img_0001

おっ、展示物の中にヴァイオリンが!「オスカルのヴァイオリン」って書いてありました。全然忘れてしまっていましたが、オスカルってヴァイオリン、弾けたんですね。オスカルが奏でる音色は、きっと華麗なものでしょう♫

帰りは、例によって展示のグッズがたくさん売ってました。もちろんここではクリアファイルもいろいろな種類があって、どれにするか迷っちゃいます。で、決めたのがこちら↓

Img_0002

思いがけず、少女だったマンガ好きの頃にタイムスリップしました。

ベルばらファンの方は、こちらの展示、どうぞお見逃しなくgood

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月11日 (火)

最終回~イタリアの旅⑯

ヴェネツィア2日目は、混雑を避けて、ツアー客が来る前、朝のうちにサン・マルコ寺院を見学することにしました。

行く道で、カフェ・フローリアンがもうオープンしていて、「おやっ、何だか聞いたことのあるメロディー?」と思ったら、そこのバンドが「瀬戸の花嫁」を演奏していました。きっと日本人客向けのサービスなんでしょうね。ちょっと、ヴェネツィアで「瀬戸の花嫁ですか~?」と思うでしょう。でも、これがなかなか郷愁があって、印象に残ります。

さて、サン・マルコ寺院は、9世紀にエジプトから聖マルコの遺骸を収めるために作られた寺院です。それから千年の間、ヴェネツィアが謳歌した栄光の日々が、ドゥカーレ宮殿とともにぎっしりと詰まっているところ。

数々の宝石類もたいしたものでしたが、一番目を惹いたのは四頭の馬たちです。この馬のコピーは、寺院入口上のテラスに飾られていますが、本物は、建物の中にありました。

Img_0001

この馬は、13世紀にヴェネツィアが隆盛極めていく時代、十字軍がコンスタンティノーブルから持ち帰ったものだそうで、紀元前400年から200年という古いもの。一時はナポレオンがパリに戦利品として持っていったのが、また戻されたのいうのですから、ヴェネツィアに縁があった馬たちなんですね。きっと、この馬たちは、人間の起こした幾たの戦いを見てきたことでしょう。馬の気持ちになって、おしゃべりできたら、すごい話が聞けそうですよね。

さて、サン・マルコ寺院を後にしてムラーノ島に向かいます。そこでガラス工芸など見て回り、お土産を買いました。ムラーノ島までは、水上バスで50分ほどでしたが、ところどころに海に杭が打ってあり、海の道になっているんですね。昔、戦いの時は、この杭を全部抜いて、敵の海軍を翻弄させたということが塩野七生さんの「海の都の物語」に書いてありました。浅瀬と深いところが入り組んだヴェネツィアの海も、戦いの時を刻んでいるのだと感じ入りました。

Ca3c1388

ムラーノ島からもどって、訪れたのが、リアルト橋。ここからの風景はカナレットの絵、そのものです。どこから撮っても美しい街並みとカナル・グランデが見事なハーモニーを醸し出します。

Img_0002
(ガイドブック「ヴェネツィア」より)

8日間のイタリアの旅を終えて、翌日、マルコ・ポール空港から帰路につきました。

なが~い旅行記にお付き合い頂いて、どうもありがとうございました。今度の旅で、イタリアがますます好きになりました。たくさんのものを見て、古代に想いを馳せ、今を楽しめた充実の旅が出来たことに感謝の気持ちでいっぱいです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月10日 (月)

ヴェネツィアのシーフードほか~イタリアの旅⑮

本場のイタリアのバスタ、ピザは美味しい…と思ってやってきたのが今回のイタリア旅行。でも、最近は、イタリアで勉強してきた若いシェフなどが、東京で美味しいイタリア料理店をやっているので、ローマでもフィレンツェでも、美味しかったのですが、特に「さすが本場!」という感じはなかったんです。

でも、ヴェネツィアの夕食は、“さすが”と思わせるものがありました。

1日目に行ったレストランの生ハムは、いちじくが添えられてメロンとは違った味と食感のパランスがすてき。
Ca3c1384

前菜のシーフード盛り合わせは、右上の細長い貝が、ツルッとしていて私好み。

Ca3c1385

ヴェネツィアでパスタといえば、イカ墨です!歯も口も真っ黒にさせて頂きました。中に入っていたイカが柔らかなこと。
Ca3c1393

2日目は、「地球の歩き方」オススメのコルテ・スコンタというレストランに行ってみました。宣伝文句が「知る人ぞ知る美味しいお店」ということで、ホテルで予約してもらい場所も確認。なんとも雰囲気のある店で、テラスが葡萄棚になっていて、その下でお食事ができます。

お店のオーナーは、イタリア女性で、テーブル毎に挨拶に回っていました。私たちのテーブルにもやってきて、日本語でメニューを説明したり、笑顔の応対です。後からやってきた私たちの隣テーブルのお客さんにも挨拶にやってきて、その方がたはフランス人のようで、今度は流暢なフランス語で応対していました。ヴェネツィアの商売のうまさは、ここでも感じました。

最初のディッシュ、シーフードの盛り合わせが絶品。なんと、日本人の大好きな蟹みそまででて、ワインもすすみます。

Ca3c1389

Ca3c1390_2

またしてもイカ墨のパスタ。この店は、パスタにイカ墨を練りこんで作っているため、同じ黒いパスタでも、歯も口も黒くなりません。いや~、これは“さすが”の味でした。

Ca3c1391

最後のドルチェは、ティアミス。1人前なのに3つもついて、もう大サービスですね。

Ca3c1392

イタリア旅行、最後の晩餐がブラヴィッシーモ!さすがの美味しさでした。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年9月 8日 (土)

海の都 ヴェネツィア~イタリアの旅⑭

フィレンツェを後にして、翌日、列車ユーロスターで一路ヴェネツィアに向かいました。今回の旅も最終地になります。

Ca3c1376


サンタ・ルチア駅に着くと駅前には、運河が開け、“陸ではなく海がある”という世界です。いつもならタクシーでホテルまでお願いするところ、道がないのでタクシーもいません。でも、水上タクシーなるものがあって、早速それに乗ってサン・マルコ広場に行くことにしました。私たちと同じ観光客が列を作って水上タクシーの順番を待っています。

「値段は60ユーロです」と運転手が言っていると、私たちの他にも3人の家族連れが乗り込んできて、「じゃあ、50、50でOKか?」と聞いてきます。私は、てっきり「あっ、タクシー代が半分になるのね、30ユーロだわ」と思ったのですが、文字通り50ユーロだったんです。同じサン・マルコ広場行きで、結局このタクシーの運転手は100ユーロ手にしたんですね。何だかヴェネツィアは商売上手な気がしました。

Ca3c1377

ホテルに荷物を置いて、まずはサン・マルコ広場に繰り出してみました。ひぇ~、観光客がわんさか、苦手な鳩がいっぱい!特に中国人ツアーがいっぱい。人に酔いそうなくらいの混雑ぶりで、しかも暑さが半端でない。どこか影になるところに入ることにしました。サン・マルコ寺院は長蛇の列だし…と、寺院の横の鐘楼が比較的列が短い。というわけで、96、8メートルのこの鐘楼に登ることになりました。あ~、でもフィレンツェの時にような階段の苦行が待っているのかしら?と思いきや、こちらにはエレベーターがあり、苦なく屋上まで上れ、ラグーナの街を一望できました。対岸のサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会の光景が文字通り絵画のようです。

ランチは、やっぱりサン・マルコ広場のカフェに決まり。映画「旅情」で有名なフローリアンや老舗クアードリが立ち並びます。広場に椅子が並び、バンドが郷愁をそそる音楽を演奏しています。特にアコーディオンが入ると、心が温かくなりますね。フローリアンはだいぶ混んでいたので、ゆっくり出来そうなクアードリに入って一休みです。

Ca3c1378

でも、何だかここに来て暑さがこたえて、ランチ後はホテルでお昼寝タイム。

午後の観光に備えます!“疲れたわ~”と爆睡1時間。

閉館時間ギリギリでドゥカーレ宮殿に行ってきました。入るのに、待つこともなく混んでいなくて大正解。ここは、かつてのヴェネツィア総督の政庁だったところです。

Ca3c1381

ヴェネツィアの紋章である「本を開くライオン」も見かけます。これは、ウィキペディアによると、“「マルコによる福音書」の著者マルコ(San Marco)がローマへ向かう途中、ヴェネツィアに立ち寄った。そこに天使が現れ、「私の福音者である汝に平和を。この地で汝の体は休まるであろう」と祝福した。この言葉が、ヴェネツィアの紋章「本を開くライオン」のライオンが持つ本の中に記載されている”というもの。

この宮殿の2階にある大評議の間にあるティントレットの「天国」なる油絵があり、その大きさは、まるでプール一つ分くらいある絵。システィーナ礼拝堂の「最後の審判」も大きな絵でしたが、これはもっと大きいそうで、世界最大の油絵といわれているそうです。宮殿自体の建物も優雅で、風格があります。その昔、共和国であった華麗なるヴェネツィアの時代が偲ばれます。

Img
(ガイドブック「The Doge's Palace」より)

夕暮れ時のドゥカーレ宮殿は、熟年の貴婦人を想わせる品格がありました。サン・マルコ広場に立っていると、まるで街そのものが舞台のような気がして、そこに集う人々は、しぜんと心が浮き立ってくるようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月 7日 (金)

ウフィッツィ美術館&フィレンツェ街歩き~イタリアの旅⑬

フィレンツェ2日目は、朝9時に予約を入れていたウフィッツィ美術館に張り切って出かけました。ここは、メディチ家が財力にものいわせて世界の芸術を結集した美の殿堂です。

予約なしの当日券の人がもう列を作っていましたが、予約の控えをもっていたのですんなり入場。ガイドなしなので、日本語のオーディオガイドを借りることにしました。ここでは、パスポートと引き換えにオーディオガイドセットを貸出していて、実は返却するまでちょっと心配でした(もちろん失したりしたら、天下のウフィッツィ美術館の名誉にかかわりますものね)。

ここも、撮影禁止。ここでは日本人のツアー客によく出会いました。といっても、はじめのジョットやフィリッポ・リッピの絵のところではなく、あの絵です。ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」と「プリマベーラ」。忙しい日本人のツアーは、このポッティチェッリの2枚と、ダ・ヴィンチの「受胎告知」、そしてミケランジェロの「聖家族」をみて終わりになるんじゃないのかしら?

確かに有名なこの4枚はひときわ人気者で、風格のある絵です。でも、何だかあまりにもコピー品が出回ってしまって、すごく感動したという気はしませんでした。逆にフィリッポ・リッピの「聖母子と二天使」、ティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」、そしてカラヴァッジョの「メドゥーサ」が印象に残りました。

Img_0002

慈悲深い柔らかな表情がなかなか心にしみます。

Img_0001_2

純粋に女性讃歌の絵に思えます。美しいわ~。

Img_0003

カラヴァッジョの激しく闇の中に浮き出すようなメドゥーサがド迫力でした。

駆け足で見て3時間近く、オーディオガイドも半分くらいしか聞けなかったのですが、その所蔵の多彩さ、豊富さには脱帽です。残念だったのは、ラッファエッロとルーベンスの部屋が改装中だったこと。また、いつか訪れたい…は、あるかな~?

やれやれ、一息ランチをしてから、今度は「ダンテの家」というマイナーな場所を訪ねました。いつか「神曲」を読みたいと思っているコニコには、ダンテ生誕の地は見逃せません。Img_0004

あんまりマイナーすぎて、ほとんどお客さんがいませんでしたが、ダンテのファミリー・ツリーや「神曲」のイラストなどが出ていて、本当にマイナーな展示でした。

その後は、ポンテ・ベッキオに行って、宝石店をウィンドウ・ショッピング。日本の温泉場にでもある珊瑚や水晶のお店にちょっと雰囲気が似ていて面白かったですよ。

それから、また夕方になってから登りの苦行。フィレンツェはこのパターンだわ。高さ85m、414段の階段のジョットの鐘楼に登りました。エレベーターなしなので、もちろん足で登ったんです。途中、2、3回休みながら、なんとか上まで到着。山登りをしたような達成感がありました。さすがに街を一望できる眺めは最高。私たちが降りた出口で、アメリカ人のグループが円陣を組んで、登るために気合を入れていました。

もう、お腹も空いたし、夕食にすることにしました。行ったレストランは、お土産にビスコッティを買った街の老舗レストラン、ジッリ(Gilli)。

Ca3c1368

フィレンツェは、Tボーン・ステーキがおいしいということで、3人で800グラムの骨付きステーキを注文しました。柔らかな肉で食べやすくて残さず頂きました。生ハムもグッド。さらにデザートはレモンのジェラートで、締めくくり。フィレンツェの夜は深けて、翌朝はヴェネツィアへ。

Ca3c1366

Ca3c1364

Ca3c1367

続きを読む "ウフィッツィ美術館&フィレンツェ街歩き~イタリアの旅⑬"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年9月 6日 (木)

グッチな街&ダヴィデ・ダヴィデ・ブー~イタリアの旅⑫

アカデミア美術館を見てから、シニョリーア広場へ向かいます。ヴェッキオ宮の前にはダヴィデ像のコピーを発見。

Ca3c1363_2

「コピーはさっき見てきた本物より、白い気がする」なんて思いながら、すぐ近くにあるグッチ博物館を見学しに行きました。

Ca3c1357

展示はそう多くないのですが、一階にあるグッチのロールスロイスがすごい。内装もグッチ仕様で、この車はプライスレスですね。この他、グッチのカバンのデザインの変遷とか、スポーツ・ウェアのグッチものとか、貴重なものが見られました。

Img

展示室を出るとショップがあって、何かお土産でも・・・と思ったのですが、フツーの布のトートバッグが5千円くらいして、グッチブランドだと、やっぱりフツーじゃないんだとあらためて感じた次第。お土産はやめて、隣のカフェでコーヒーを飲むことにしました。図書館風の落ち着いたカフェ。

Ca3c1358

驚いたのが、コーヒーについていたお砂糖。な~んとグッチのマークになっています。思わず写真、撮りたくなりますね。

Ca3c1359_2

一息ついてから、もうひと観光。ベッキオ橋を見て、ミケランジェロ広場からフィレンツェの街の夕陽を見よう(パパチ提案)ということになりました。ローマは、ベルニーニの街という感じがしましたが、フィレンツェは、ミケランジェロの街って気がします。

ミケランジェロ広場は、高台になっていて緩やかな階段を結構な段数、登らなければなりません。あ~あ、しんどい(||´Д`)o やっとの思いでのぼって、日の入りに間に合いました。ここにもミケランジェロ作のダヴィデの像(コピー)がありました。

Ca3c1360

この日もいろいろなところを見て回って、もうくたくた。ミケランジェロ広場からバスで帰ることにしたら、ルートを間違えたようで、ずいぶん遠回りにして、駅まで行ってしまいました。時間は午後9時近く。結局駅からタクシーでホテルまで戻って、レストランを探すエネルギーもなくなり、ホテルで夕食を食べました。

ここで、ちゃんと寝て次の日のウフィッツィ美術館に備えなければ!ということで次回はウフィッツィ美術館です。

続きを読む "グッチな街&ダヴィデ・ダヴィデ・ブー~イタリアの旅⑫"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年9月 5日 (水)

フィレンツェは~イタリアの旅⑪

Ca3c1351

ローマ、テルミニ駅からヴェネツィア行きのユーロスターに乗って、1つ目の停車駅、フィレンツェに向かいます。

ヴァカンス・シーズンのせいか、満席でした。海外旅行で鉄道に乗ると、混んでいてもちょっとのんびりした気持ちになって嬉しくなります。1時間半ほどで、サンタ・マリア・のヴェッラ駅に到着です。

Ca3c1355

ローマでは殆どしなかったお買い物も、フィレンツェでは楽しまなければ~!娘との約束でグッチ、ブラだ、ミュウミュウをウィンドーショッピングです。日本でめったにブランド品をみることんどないコニコですが、結構楽しくって。8月は誕生日だったし、きゃきゃ、グッチのバッグを奮発して買ってもらいました。パパチ(夫のあだ名)、ありがとうm(__)m

で~、お昼を食べて街のあちこちで見かけるジェラートを食べました。

Ca3c1354

なんたって、暑さがハンパじゃないし、アイスクリームが美味しくて。そこらじゅうで観光客がジェラートを食べていました。

さて、午後3時からはアカデミア美術館を予約しています。世に「ダヴィデ像」は多々ありますが、本物はこのアカデミア美術館でしか見られません。コニコは、ミケランジェロの絵よりもやっぱり彫刻が好き。

Img
(絵はがき)

Ca3c1369_2

ここも写真撮影が禁止だったので、ガイドブックのクロースアップを見ると・・・こんな表情だったんですね。さらに・・・目をアップにすると、瞳がなんと♡マークになっていませんか~。険しい表情なのに、♡とは、驚きました。

Ca3c1370

実際にダヴェデ像の前に立ってみると、思ったより頭の部分が大きく感じられ、7等身というより、5等身くらいに思えたから不思議。

続きを読む "フィレンツェは~イタリアの旅⑪"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月 4日 (火)

バロック三昧~イタリアの旅⑩

ヴァチカン美術館を後にしてやってきたのは、サン・ルイージ・デイ・フランテージ教会。この教会の名前が長くてなかなか覚えられません。フランス人たちの聖者ルイ(13世紀のフランス王)の教会で、ローマにいるフランス人カトリック信者が集うところだそうです。

この教会の祭壇には、カラムーチョでなくてカルパッチョじゃなくて、そう、カラヴァッジョの「聖マタイ(イタリア語ではマッテオ)3部作」があるのです。おっちょこちょいのコニコは、カラヴァッジョのことを時々言い間違えてしまいますが。「この絵がぜひ見たい」と思ったのは、須賀敦子さんの「トリエステの坂道」に出てくる印象的な文に出逢ったからです。

まるで見えない手にぐいと肩をおされたみたいに、「マッテオの召出し」とよばれる絵だけが、私をひきつけた。(中略)私は、たったいま、深いところでたましいを揺りうごかすような作品に出会ってきたという、稀な感動にひたっている自分に気づいた。しばらく忘れていた、ほんものに接したときの、あの確かな感触だった。(「トリエステの坂道」“ふるえる手”より)

Ca3c1347

マタイは、キリストの呼びかけられる前は、人にいやしまれる収税人だったそうで、この絵は、キリストの「さあ、マタイ、ついてきなさい」という言葉を聞いて何もかも捨ててキリストについていく、まさにその瞬間を描いています。暗闇に指す光はキリストから左の若者の手に当たっています。須賀さんは、この手に注目して、“この手がカラヴァッジョ自身の手にちがいない”といっています。さらに“醜い自分の手を、ミケランジェロの天地創造の手を意識において描いたといわれるキリストの美しい手の対極に置いて描きおおせたとき、彼は、ついに、自己の芸術の極点に立つことができたのではなかったか”と推察しています。

Ca3c1352_2

この絵で、誰がマタイか論議されていたようですが、今では、この左の若者がマタイだろうと言われています。いやしい収税人の穢れた手を画家自身の手に重ねたのではないかという須賀さんの考えは、ボルゲーゼ美術館で「ゴリアテ(自画像)の首を持つダヴィデ」を見て、妙に納得したのでした。

「う~ん」と唸りながら、見ていると、絵が暗闇に消えてしまいました。須賀さんも言っていたとおり、この教会の絵はお金を入れている時だけライトアップされるのです。気のいいアメリカ人(だと思います)がさりげなくコインを入れてくれて「サンキュー」とお礼をいったら、「No problem!」と何とも清々しいこと。そして、「聖マタイの召出し」が真っ暗の中から浮かび上がった時、地下室から天の光を見た想いがしました。

このシステムを知らないで、「あれっ」という顔をしていた人に、他の絵のところで、娘がコインを入れてみました。0.1、0.2、0.5、1.0ユーロと、たくさん入れれば入れるほどライトアップの時間が長くなる仕組みです。

Ca3c1349

この後、歩いてすぐのナヴォーナ広場で夕食を取ることにしました。ここは、二千年前、ローマ皇帝の競技場だったところですが、今はベルニーニの「四大河の噴水」と「ムーア人の噴水」があり、観光客で賑わっていました。

Ca3c1350

これは、「ムーア人の噴水」です。ここでは、たくさんの大道芸人がいろいろな芸で人々を楽しませていましたが、ひときわ目立っていたのが、インド人。

Photo
(夫、撮影)

なんと、竹筒一本でパランスをとって座禅しています。バロック期の巨匠、ベルニーニの噴水と、不思議なインド人と、チョロを弾くイタリア人を眺めながら、ローマ滞在最後の夜を楽しみました。

さあ、次はフィレンツェへGO!

続きを読む "バロック三昧~イタリアの旅⑩"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年9月 3日 (月)

8月の読書まとめ

ここで、ちょっと“イタリアの旅”をお休みして、8月の読書をまとめてみます。
読んだ本は7冊。ヴァイオリンの発表会や旅行をした盛りだくさんの月だったので、ちょっと少なかったかしら。でも、塩野さんのローマとヴェネツィア、それぞれのシリーズが面白くて9月も読み進められそうです。チャリティーは700円分になりました。

海の都の物語〈2〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫)海の都の物語〈2〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫)
シェークスピア作「ヴェニスの商人」では、悪徳商人というイメージのこの地の商人たちが、実は地道な経営人であったことがわかった。特にヴェネツィア人が近代的な銀行を創ったことが面白い。リアルト橋の袂は、今のウォール・ストリートを彷彿させる金融中心地だったということも想像すると不思議な気がしてくる。
読了日:08月31日 著者:塩野 七生

海の都の物語〈1〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫)海の都の物語〈1〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫)
先日ヴェネツィアの地を訪ねて、その情景をみると、塩野さんが「水の都」ではなく、「海の都の物語」としたことが実感できた。その昔、中世には奴隷とともに木材を積み込んだヴェネツィア商船がアドリア海を行き来していたかと思うと、この小さな島国の大きな野望に驚かされる。 第四次十字軍のコンスタンティーノ略奪の凄まじさも圧倒された。
読了日:08月31日 著者:塩野 七生

マルセルマルセル
高樹のぶ子さんの小説は、はじめて。絵画ミステリーと聞いてぜひ読んでみたくなりました。 ロートレックの「マルセル」が、まるで生きた女性のように千晶の成長を見つめていた気がします。コーヒー好きの私は、ミステリーの大きな鍵になるキングス・モカハラーってどんなコーヒーなのかとか、パーコレーターってどんな型かななどと想像して読みました。フランスを訪ねる当たりから加速的に話に入り込めて、一気に読了しました。読後、真作贋作について考えさせられました。
読了日:08月30日 著者:高樹 のぶ子

文学 (ヒューマニティーズ)文学 (ヒューマニティーズ)
新聞の書評に取り上げられていたので、手に取ってみました。わたしには、5章のうち圧倒的に第1章の「文学はどのようにして生まれたのか」が魅力的です。先日拝聴した磯崎憲一郎さんの講演と、ほぼ集合体で和となる重なりをみせていました。引用されている「カフカの書き方」のことば――”書きながら追いついていく”が印象的。 この本に刺激されて、ダンテの「神曲」、読まなくてはと思いました。
読了日:08月12日 著者:小野 正嗣

ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) (新潮文庫)ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) (新潮文庫)
繰り返され、長期化する戦闘にどうローマとカルタゴの人々が対処していったか、興味深かった。負けて帰った軍指揮官を処罰しなかったローマと、死刑という厳罰を科したカルタゴ――それぞれのやり方の長短が見えて歴史の生々しさを感じた。また第一次ポエニ戦没後にローマにおいて中産階級が台頭していったことも国の繁栄の証明になっていったのだろう。
読了日:08月11日 著者:塩野 七生

海松(みる)海松(みる)
稲葉真弓さんの講演を聴きに行くことになり、読んでみた。4編の短・中編は静謐さの中にも主人公のこころのざわめきが丁寧に描かれていて、気持ちに寄り添って読むことが出来た。中でも書き下ろしの「桟橋」が、海草のようにゆらゆら暮らしている母子を描いて惹かれた。
読了日:08月10日 著者:稲葉 真弓

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)
私にとっては、キリスト教に限らずイスラム教も仏教も「ふしぎ」だったので、大澤先生の大胆な質問と、橋爪先生のなるべくわかりやすく説明しようとしているお話にじっと耳を傾け続けた。いちばん印象に残ったのは、キリスト教は、“ユダヤ教の部分を克服しつつ、それを内部に残している”という点。なぜ旧約と新約の二つを合わせて聖書ができているかが、このことで納得できた。理解が不十分のところがあるので、再読を試みたい本だ。
読了日:08月05日 著者:橋爪 大三郎,大澤 真幸

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月 2日 (日)

ヴァチカン美術館~イタリアの旅⑨

いよいよローマ3日目のハイライト、ヴァチカン美術館へ。日本語ができるイタリア人のガイドさんに導かれて美術館の入口に行きます。実は、システィーナ礼拝堂はサン・ピエトロ大聖堂のすぐ右隣にあるのですが、美術館の入口は、くるくるくるっと反対側まで回らなければなりません。入館するにも大変な混雑ですが、ガイドさん曰く「今日は、まあまあの混み具合ですね。2日間休館だったので、もっと混んでいるかと思いましたが、よかったですね~」

入口でガイドさんの「最後の審判」の簡単な説明があり、まずはベルヴェデーレ宮殿中庭にあるド迫力の「ラオコーン」像を見学。ギリシア神話の物語、ラオコーンが2人の息子とともに海蛇に襲われ悶え苦しむ話を生々しく伝えています。

Ca3c1342

Ca3c1343

「ベルヴェデーレのトルソ」も駆け足で鑑賞。ミケランジェロが感動したというこの彫像は筋肉モリモリ。それから2階の「地図のギャラりー」から、「ラファエッロの間」へ向かます。

この空間には、世界の名画中の名画「アテネの学堂」が色も鮮やかに君臨しているという感じでした。青空の高みから降りてくるようなアリストテレスとプラトンは、ギリシアの神々のよう。

Ca3c1309

「では、これからシスティーナ礼拝堂に行きます。礼拝堂は撮影禁止ですからね。皆さん、写真は撮らないでくださいね。ルールは守りましょ」という注意があって、いよいよお目当ての礼拝堂に入ります。去年訪れた、四国の大塚国際美術館で見た「陶板のシスティーナ礼拝堂」の本物を見られるのですから、興奮します。

中に入ると、人が多くて日本のプールの芋洗い状態。体の向きを変えるのにも一苦労…っと、“パチリ、パチリ”シャッターを切る音が…カメラ禁止を無視して写真を撮る人が続出です。最初は、穏やかに美術館の係の人が注意していたのが、全然やめる気配がなく、怒り出して声を荒げ、手振りも激しく「NO~、N~O~Photo!!!」と叫んでいました。鑑賞者もその剣幕に凍りつき、礼拝堂は絵を鑑賞する余裕もないほどに緊張が走りました。何だか、このシスティーナ礼拝堂体験って!思っていたのと大違い。それでも、気をとり直して見渡してみると、本当に目に入るっ壁という壁が絵に覆われて、天地創造からキリストの復活まで、キリスト教でいう“この世のはじめから終わりまで”すべてが描き込まれているんですね。

大塚国際美術館の陶板の天井画と「最後の審判」は、荘厳ですっきりした印象だったのですが、本物は、何というか、もっと人間臭い感じがしました。今もローマ法王はここで決められるそうですし、何世紀もの人間の権力争いや駆け引きもあったのかもしれないと妄想したり(ちなみに法王を決める相談をイタリア語で「コンクラーベ」というそうです。正に根比べになる時もありそうで面白いわ)。

実際の礼拝堂には、祭壇、聖歌隊席、内陣の柵などがあり、祈りの時も感じさせます。また、壁全面に「最後の審判」を背にして右が「モーゼの一生」、左が「キリストの一生」が左右対象に描かれていました。先日読んだ「ふしぎなキリスト教」で書かれていたように、旧約聖書の部分を切り捨てないでキリストを賛えたというキリスト教の本質を見たような気もしました。

Ca3c1345
(ガイドブック「ヴァティカン美術館」より)

それにしても、本当にミケランジェロは、この天井画と正面一面の「最後の審判」をよくもまあ一人で描き上げたこと。7月の「『須賀敦子全集』を読破する読書会」で、彼女が翻訳したミケランジェロの詩には、

胸がわの皮膚は いくらあっても足りず
背中は シリアの弓の如くに
反対に曲げているので しわだらけ
 (「ジョバンニ・ダ・ピストイアに システィナ聖堂の天井画製作中の歌」より

というものがあり、実際の制作がいかに過酷だったかが忍ばれます。その苦しみに耐えながら完成させたミケランジェロは、正真正銘の超人といえるのではないでしょうか。

帰りにはミュージアム・ショップで日本語のイラスト本を発見。買ってみました。

Ca3c1346

約2時間の見学でしたが、駆け足の鑑賞でした。エジプトの展示など、興味深いものもありましたが、ちょっと疲れて今回はパスでした。。この疲れは、あの“システィーナ礼拝堂の緊張”が大きかったのかも。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »