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2012年12月 3日 (月)

11月の読書のまとめ

2012年11月の読書
読んだ本の数:6冊


私小説―from left to right (ちくま文庫)私小説―from left to right (ちくま文庫)感想
前から読みたかった水村美苗さんの小説を手に取りました。気持ちが揺れて日本語と英語がゆらめくような――文字通り、from left to rightという形式もそんな気持ちが浮き出てきている気がしました。アメリカの凍てつく夜にlong distance callをかけ続ける彷徨える姉と妹の欝とした気持ちが伝わってきます。彼女たちを取りまく“アメリカ人”の描写も東海岸の生活の厳しさ、孤独さを誘います。水村さんの乾いた冷静な視線に惹きつけられました。
読了日:11月25日 著者:水村 美苗

天地明察(下) (角川文庫)天地明察(下) (角川文庫)感想
「頼みましたぞ」という期待に「頼まれました」とすっと答える春海どの。貴殿に改暦を託して逝った夢追い人たち、そしてか弱き妻、‘こと’のことを思うと胸が熱くなり申す。見事、偉業を果たされ、大願成就されましたな~。 などと、声をかけたくなる結末でした。 幸せな一生でござったのお。
読了日:11月17日 著者:冲方 丁

天地明察(上) (角川文庫)天地明察(上) (角川文庫)感想
冒頭の文が、粋だ。「幸せだった」である。渋川春海どのの若き研鑽の日々が読んでいて清々しい。 この若者を支える識者たちも天晴れな人格者である。天の星を夢見る地上の星たちに、はてしていかなる運命が待ち受けるか、とくと続きを拝見つかまつる。
読了日:11月13日 著者:冲方 丁

ブルーノ・タウト - 日本美を再発見した建築家 (中公新書)ブルーノ・タウト - 日本美を再発見した建築家 (中公新書)感想
日本で活躍した外国の建築家の中でも、実際に残っている建物、熱海旧日向別邸ひとつしかないのは残念だ。もう少し長生きをされたら、フランク・ロイド・ライトのように日本でももっと著名だっただろう。58歳で亡くなったのはいかにも早い死だったと思う。
読了日:11月12日 著者:田中 辰明

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)感想
衝撃パンチをくらったような読後感。それもじわじわ効いてくるボディブローのような感覚。各章がモノローグの“告白”の形になっている。芥川の「羅生門」ではないが、ある時間に起こった出来事がどういう言葉で綴られていき、連鎖していくか、目が離せなかった。巻末の映画監督、中島氏のインタビューに「本に語られている言葉を全部信用していいか」という問題が書かれていて、告白している登場人物が意識的にせよ、無意識にせよ、嘘をついているかもしれないという視点が面白い。 ぜひ映画も観てみたい。
読了日:11月7日 著者:湊 かなえ

ローマ人の物語 (4) ― ハンニバル戦記(中) (新潮文庫)ローマ人の物語 (4) ― ハンニバル戦記(中) (新潮文庫)感想
ハンニバルの怒涛の攻撃は、読んでいるものに息をもつかせない勢いだ。ローマ人の負けじ魂と人材の厚さも大したもの。何より、塩野さんの筆致がさえる。 ロー城壁まで迫ったハンニバルの“散策”は、まるで映画のクライマックスを見ているようだった。白馬を駆ける36歳のカルタゴの武将、ハンニバルがあざやかに想像できた。 続きが楽しみ。
読了日:11月6日 著者:塩野 七生

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