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2013年4月 1日 (月)

3月の読書まとめ

今日から4月。新年度ですね。それからエイプリルフールですが、おっとウソをついていないわ~♪残念なんて。

さて、3月はいろいろな種類の本を読んでみました。久々の2桁、全部で10冊になりました。

富士山うたごよみ (日本傑作絵本シリーズ)富士山うたごよみ (日本傑作絵本シリーズ)感想
児童文学のエキスパートである松居直さんの講演で紹介された本です。豊かな日本語とユーモアのセンスたっぷりの画が心憎い絵本。日本の自然の奥深さ、富士山のすばらしさを文句なく感じられました。“寒露”に描かれた北斎の『凱風快晴』のアレンジが大好き! 「夕焼けの 赤く染まった バイクの君は 騎士という」 コニコ心の短歌でした。 
読了日:3月4日 著者:俵 万智
須賀敦子全集〈第8巻〉 (河出文庫)須賀敦子全集〈第8巻〉 (河出文庫)感想
2年間かけて少しずつ読んできた全集もこの八巻で読了。前半のエッセイに比べて、後半の詩や文学論はタフでした。八巻の若い頃のエッセイが本当に瑞々しく一途で心打たれました。この巻の約半分に当たる詳細な年譜を読んでいると、なんだか須賀さんの声が聞こえてくるようで、ちょっと最後の方は涙ぐんでしまいました。 全集の他に別巻があることを知り、これも読んでみようと思っています。 また、振り返ってみたい本たちです。
読了日:3月5日 著者:須賀 敦子
きつねの窓 (おはなし名作絵本 27)きつねの窓 (おはなし名作絵本 27)感想
桔梗の花言葉は「変わらぬ愛」。青く染めた指で作った窓には大事な人が佇んでいました。震災の日にこの本を読んで、窓の向こう側にいる人を偲びました。
読了日:3月12日 著者:安房 直子
ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)感想
前から読みたかったワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」、思っていたよりも長い話でした。自らの若々しい美しさを知ってしまったドリアンは、まるでファウストのように悪魔に魂を売ってしまったようです。でも、ワイルドの場合は、メフィストフェレスではなく、退屈さを嫌う快楽主義者のヘンリー・ウォットン卿の囁きと、分身関係にある醜く老いていく肖像がドリアンの魂をじわじわと壊していくという、恐ろしい話です。 結末に残されたドリアン・グレイの肖像をみてみたい気持ちになります。
読了日:3月12日 著者:ワイルド
69 sixty nine (文春文庫)69 sixty nine (文春文庫)感想
30年以上前に「限りなく透明に近いブルー」を読んで以来の村上龍の小説を手にしました。お久しぶり!彼が17歳だった1969年がタイトルになっています。その時代の“熱”と、青春真っ只中の限りなく広がっていくエゴとコンプレックスが、面白くハチャメチャに描かれていて読みながら声を上げて笑ってしまいました。皆が九州の訛りでしゃべっている中、ロジックなことをいう時になぜか標準語になる矢崎くんが愉快です。
読了日:3月14日 著者:村上 龍
にほんごにほんご感想
文部省学習指導要領にとらわれない、小学校一年生のための国語教科書を想定してつくったという本。「読み」「書く」よりも「話す」「聞く」を先行させたという言葉通り、方言の豊かさや、《おとまねことば・ありさまことば》、《ことばのしらべ》など音に出して感じる日本語の楽しさ満載です。むかし小学一年生だった私も声に出して読んでみると、楽しくなってきます。わたしには、いまや音読はボケ防止になってしまいますが、それもまた楽し、ですね。
読了日:3月15日 著者:
TwistedTwisted感想
タイトルのTwistedは、日本語にすると「どんでん返し」になりますか。ジェフリー・ディーヴァーのめずらしい短編集。16篇の中の“The Christmas Present"にリンカーン・ライムが登場するのも魅力の一つ。最後のアッと驚く“どんでん返し”で本当に「あっ」と声を上げてしまったのが、“Triangle"。多少意味がわからなくても原書の生で味わうスリルはたまりません。超オススメです。
読了日:3月17日 著者:Jeff Deaver
楽園のカンヴァス楽園のカンヴァス感想
なんという“情熱”。ルソーに対する、絵画に対する、そして人間に対する情熱がこの「夢をみた J'ai re^ve`」(「楽園のカンヴァス」改題前)を生み出したと思う。一気に読ませる知的興奮に酔いながら、エコール・ド・パリへ想いを馳せる。ほとばしる情熱をあたえてくれるものに真作、贋作の評価はもはやいらないのではないかと思える。 登場人物の中で地味ながら、惹かれるのは織絵の母だった。娘を信頼し、何事も奥ゆかしく、潔いこの女性に私は憧れる。
読了日:3月23日 著者:原田 マハ
連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)感想
中山七里さんの職人的なミステリー展開で、一気読みです。「さよならドビュッシー」と同じくらい驚きの結末。 犯人の忌まわしい過去と猟奇的殺人のグロさには辟易させられながらも、責任能力を問う刑法の問題や、正義感を振り回したマスコミや市民の暴発性など、考えさせられました。特に暴徒化した市民が警察を襲うシーンは、まるで映画「アルゴ」のイラン、アメリカ大使館襲撃のシーンを彷彿させました。 恐ろしい殺人鬼事件だけには終わらない、現代社会の昏い映し鏡を見たような気がします。
読了日:3月28日 著者:中山 七里
もっと知りたいルドン―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)もっと知りたいルドン―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)感想
昨年に観に行ったルドン展から折にふれて読んでいたルドンのガイドブック。黒の内側から出てきた色彩がオーラのよう。特に黒をスパイスにして青と黄色がまるで教会のステンドクラスのような輝きを放つ画たちに圧倒される。ヴァイオリンの腕が相当なことや、ドラクロワに私淑していたことなど、いままで知らなかったルドンの一面を学ぶことができた。 この秋に公開されるというグラン・ブーケに再会したくなる。
読了日:3月31日 著者:山本 敦子

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コメント

言葉は 映し鏡 で プログ検索中です
ハイライトで 文体から 言葉は映し鏡を探しました。少し わたしの探そうとしたプログとは 違いますけれど(大変すいません)
私も 本が好きです。
絵画も好きです。画家の生涯も いろいろですね。タレントみたいな人もいますね。
絵画同好会(名前検討中
どんでん返し 短編 読んでみたいです。
カエル男 かわったキャラクターの殺人鬼ですね。絵本も 好きです。大人味かなぁ。
読書同好会(名前検討中

投稿: 村石太マン&反核ダー | 2013年5月 5日 (日) 13時19分

村石太マンさん、はじめまして。
こんばんは。
「Twisted」の翻訳のタイトルは「クリスマス・プレゼント」です。文春文庫から出ています。これからもよろしくお願いします。

投稿: コニコ | 2013年5月 5日 (日) 22時51分

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