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2013年6月の記事

2013年6月17日 (月)

「華麗なるギャツビー」(The Great Gatsby)

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観てきました。期待の「華麗なるギャツビー」のリメイクは、とっても原作に忠実で、とってもゴージャスな映画でした。なんといってもテンポがいいこと。ジャズにチャールストン、花吹雪が夜通し舞い散るパーティ三昧の映像が、アメリカの狂騒の時代をあざやかに映し出し、ふと日本のバブル時代を思い出しました。

冒頭とラストがモノクロ映像で、ニックの語りが始まると色づく展開が魅力的です。

貫禄はあってもどこかあどけなさが残るディカプリオのギャツビーは、とってもコニコ好みでした。社交界の華、デイジーを演じたキャリー・マリガンも、どことなくスコット・フィッツジェラルドの奥さん、ゼルダに似ていて違和感が全然なかったです。デイジーはたぶんゼルダをモデルにした人物で、とにかくお金のかかる女性だったみたいです。そうそう、映画の衣装はプラダのデザインで、いかにもきらびやかでした。

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それにしても、アメリカって面白いところですよね。禁酒法が大真面目で施行されているのにシャンパンがばんばん抜かれてどんちゃん騒ぎ。世界の中で成金と思われていたアメリカ人が自分たちの中で、従来のお金持ち(イーストエッグに住む人々)が新しいお金持ち(ウェストエッグに住む人々)を成金だと差別しているとか。貧困層が住む場所にはメガネをかけた“神の目”があるとか。

いじらしくて滑稽なほどデイジーに対しては無垢なギャツビーに、生身のデイジーは残忍なほどに容赦なく自己中心的。このストーリーの醍醐味は、ニックがそんなニューヨークでの人生にかかわる人間模様を真摯に語っているところかもしれません。寒い中西部のサナトリウムでニックがギャツビーを語り、書き記す、抑えた姿が心に残ります。

3Dもありましたが、今回は2Dの鑑賞です。監督は「ロミオ&ジュリエット」、「ムーラン・ルージュ」のバズ・ラーマン。さすがの音楽です。とっても華麗な、それでいて絶望的に哀しい希望を背負ったギャツビーでした。

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2013年6月16日 (日)

「貴婦人と一角獣」展

先日また早起きして国立新美術館に3番乗りくらいで、話題の「貴婦人と一角獣」展を観てきました。結構宣伝もしているし、絵画でなく、タピスリー、それもなかなか海外に持ち出されることがないアート作品です。

この前、NHKの日曜美術館でも取り上げていました。その詳しい解説はクーネルさんのブログ記事にお任せして、観てきた時のコニコの印象ですが・・・

これが、思っていたよりもずっと大きなタピスリーでした。入口に入ってすぐにある大きな展示室に触覚、味覚、嗅覚、聴覚、視覚五感を表す5枚のタペスリーと、「我が唯一の望み」と書かれた謎めいたタピスリー、全6枚がパノラマのように見渡せました。展示室の中央に立ち、やわらかな光に包まれたタピスリーたちは、500年の歳月を経てきたとは思えないくらい鮮かな赤の色調をたたえていました。「貴婦人と一角獣」と題していますが、一枚一枚に描かれた精密な生きとし生けるものが“何かのストーリー”を物語っているようで、想像力を掻き立てます。

六連作タピスリーといっていますが、もしかしたら「我が唯一の望み」のあとにも物語は続いていて、消えてしまったタピスリーがどこかにねむっているかも?なんて考えるとゾクゾクしますね。

ともかく、どのタピスリーが素敵かというよりも、この全体の放つ時空のオーラに圧倒されます。この展覧会は、この全体像を感じるだけで価値があると思えました。

もう一つ、人間たち、それも貴婦人の表情がなんだか生彩ないのに比べて動物たちの表情は豊かでお茶目だったり、楽しいです。男性が描かれていませんが、楽しそうにみえる動物たちは男性を表しているのかしらって思ったり。

原田マハさんでなくても、このタピスリーの秘めたる物語を知りたくなります。このタピスリー自体の物語と、このタピスリーが500年もの間みてきた歴史の物語を紐解いてみたら?なんていう妄想にとらわれて、赤いタピスリーをしばし眺めていました。

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2013年6月13日 (木)

映画「華麗なるギャツビー」

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ジャーン、「華麗なるギャツビー」、明日からロードショーですね。楽しみです。でもって前売りを買いました。おまけにプレミアムキーリングなるものをもらいました。

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ちょっと得した気分です。来週、さっそく観に行ってきますね♪うふふ、ディカプリオのギャツビー、ヾ(@⌒ー⌒@)ノヾ(@⌒ー⌒@)ノ

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2013年6月 4日 (火)

映画「舟を編む」

話題の映画です。ベストセラーになった原作「舟を編む」を読了して観に行ってきました。

まずは映画の出来とは全然関係ありませんが、昨日レビューした映画「それから」の主役、代助を演じた松田優作の息子、松田龍平が主役、馬締を演じています。それでもって、「それから」の代助のライバル、平岡を演じた小林薫が、馬締くんの先輩にあたる編集者を演じています。四半世紀以上の時を経て、この配役が奇遇だなって思いました。

ほぼ原作に沿っての映画作りですが、たいていは映画の方がラブ・ストーリー寄り。もちろん、馬締とかぐやさんとの超真面目な恋愛も面白い、でもコニコがいいなって思ったのは、カツラをつけたような取って付けた髪型のオダギリジョー演じる西岡と池脇千鶴が演じる麗美ちゃんの自然体の恋愛。ほっこりするサイドラブストーリーでした。

それから映画ならではのシーンが、馬締が見る悪夢。辞書作りが暗礁にのりあげそうになった時に、馬締が言葉の大海で溺れそうになってしまう場面は、妙に心に残りました。あまり表情を出さない馬締くんですが、それだけに内に抱えた辞書編纂の重圧が具現化していて面白いと感じました。

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また、ラストでめでたく辞書が完成するシーンで飾られるポスターも新鮮で、原作「舟を編む」と同じ色を使っていて飽きのこない親しみのあるものでした。

映画も楽しかったのですが、実は映画のあとに買ったプログラムが素晴らしかったんです。

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巻末にシナリオがついているし、「『舟を編む』からはじめる、辞書ガイド」などが紙質を辞書版で薄くして編んでいるなど、凝った一冊の本として読み応えありです。このプログラムを買えただけでも映画を観る価値があった、なんて思ったりして。

原作の楽しさを違う角度から再度堪能できた映画鑑賞でした。

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2013年6月 3日 (月)

映画「それから」

文豪・夏目漱石の同名小説を『家族ゲーム』『失楽園』などの森田芳光監督が完全映画化。明治という時代を様式化した美術や衣裳、小道具、台詞回しなど、ノスタルジックかつスタイリッシュな映像世界がめくるめくように展開し、その中から男女の愛がじわじわ醸し出されていく。抑えに抑えた松田の静なる演技も実に見事。梅林茂の悲しみの叙情をたたえた音楽も忘れがたい余韻を残してくれている。

というのがアマゾンのこの映画の商品説明です。ふむふむと頷きながら、この映画が名作だったという想いをじわじわと噛み締めています。1985年に作られた映画ですが、原作に忠実な脚本と、色あせない映像、郷愁を誘う音楽が長く余韻を残します。

配役が絶妙で、嫌な感じがよく出ている小林薫の平岡、着物がよく似合う藤谷美和子の三千代、脇を固める代助の豪快な兄役の中村嘉葎雄、 世話好きの、その妻を演じる草笛光子がとても魅力的。

後半のクライマックス、白い百合を飾った場面は、代助と三千代の強い想いが痛いくらいに伝わってきて忘れられない印象を残します。

続きを読む "映画「それから」"

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2013年6月 1日 (土)

5月の読書まとめ

2013年5月の読書
読んだ本の数:8冊


西瓜糖の日々 (河出文庫)西瓜糖の日々 (河出文庫)感想
“西瓜糖”?――とっても妙なタイトルで、とってもとらえどころのない「わたし」が、とっても不思議な世界で起こることを物語っています。何かタルコフスキーの映像のような詩的でどこか哀愁を帯びた、それでいてざわざわとした気持ちになる、やっぱり不思議なお話でした。終わりに掲載されている柴田元幸さんの解説を読んでまた再読したくなりました。
読了日:5月2日 著者:リチャード ブローティガン
伊熊よし子のおいしい音楽案内 パリに魅せられ、グラナダに酔う (PHP新書)伊熊よし子のおいしい音楽案内 パリに魅せられ、グラナダに酔う (PHP新書)感想
今年のラ・フォル・ジュルネ2013「パリ、至福の時」の公式本になっていたので、早速読んでみました。スペインとフランスの作曲家を紹介するだけでなく、それぞれの作家の名盤もガイドしてくれていて、興味がつきません。音楽は時空を越えて心に刻まれていくものだと、つくづく感じます。また、この本を読むと音楽を感じるために旅もしたくなります。
読了日:5月4日 著者:伊熊 よし子
永遠の詩 (全8巻)2 茨木のり子永遠の詩 (全8巻)2 茨木のり子感想
前から好きだった「自分の感受性くらい」が読みたくて手に取りました。茨木のり子さんの詩を読むと活力が湧いてきて、くよくよなんかしてられません!って気持ちになります。彼女の詩は、ずばっと言葉をつかいながら、とっても懐が深くて味わいがあります。背中を押されて“自分の感受性くらい自分で守らなければ”と励まされました。
読了日:5月6日 著者:茨木 のり子
高村光太郎詩集 道程 (豊かなことば 現代日本の詩1) (豊かなことば現代日本の詩 1)高村光太郎詩集 道程 (豊かなことば 現代日本の詩1) (豊かなことば現代日本の詩 1)感想
シンプルな表紙に惹かれて読んでみました。教科書に載っていた「道程」を歳を重ねて読んでみると、いろいろな想いがこみ上げてくる気持ちになります。智恵子のことを詠んだ「レモン哀歌」が切なく胸に迫ります。
読了日:5月8日 著者:高村光太郎
“想い”と“頭脳”で稼ぐ 社会起業・実戦ガイド 「20円」で世界をつなぐ仕事“想い”と“頭脳”で稼ぐ 社会起業・実戦ガイド 「20円」で世界をつなぐ仕事感想
Table For Twoのうわさは聞いていましたが、実際どんな運営をされているのか、興味がありました。NPO法人立ち上げの苦労や社会事業でもきっちり利益を出していく姿勢など、印象に残りました。この本のその後がどうなったのか、ぜひ「社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた」も読んでみたいです。
読了日:5月13日 著者:小暮 真久
ヴァイオリン (児童図書館・絵本の部屋)ヴァイオリン (児童図書館・絵本の部屋)感想
河合隼雄さんが強く推薦していた絵本。CD付のものがあったので、そちらを図書館から借りてみました。絵本といってもモノクロの写真で綴られたドキュメンタリー映画のよう。遠くて懐かしいけれど切ない思い出のような写真たち。白黒の色彩が北国の寒さをよく伝えています。そして、キーンとした冷たい空気の中で響くヴァイオリンの音の美しいだろうこと。おじいさんは老齢な音楽の精だったかもしれません。クリスは、楽器が親しみ深い表情を持っていることを感じ、成長していきます。クリス少年のヴァイオリンを弾く顔が何だか愛しくなりました。
読了日:5月16日 著者:ロバート・T. アレン
バッハの秘密 (平凡社新書)バッハの秘密 (平凡社新書)感想
かなり専門的な本ではありますが、バッハ音楽の真髄に迫る力作だと思います。彼の音楽にあふれている数学的構築性が実際の作品を取り上げて解説されていて、なるほどと膝を打ちました。数字の3が「三位一体の神」を象徴し、12は「十二弟子、教会」、40は「四十日間のイエスの断食」を表すなど、興味深いものです。またシャープ#記号が十字架を、フラット♭記号が涙を表すことなど、緻密に計算された作曲法など、彼の偉大さをあらためて知ることとなりました。バッハ、偉大すぎます!
読了日:5月23日 著者:淡野 弓子
なくしてしまった魔法の時間 (安房直子コレクション)なくしてしまった魔法の時間 (安房直子コレクション)感想
小川洋子さんのラジオ番組で「きつねの窓」を紹介していました。青色に染められた指を窓にして見えるものは…喪失してしまった愛しい人や風景たち。安房直子さんが描く、あざやかに広がる心の原風景にワープしている自分を発見します。“哀しさが残っても、うしなってしまったものたちのことは忘れない”そんな切ない想いに胸打たれます。感性豊かな子どもはもちろん、もと子どもだった大人も、慌ただしい日常のすきまに立ちどまって読みたい本です。
読了日:5月24日 著者:安房 直子

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