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2014年3月10日 (月)

2月の読書まとめ

3月ももう10日ですね。すっかりブログもご無沙汰。2月の読んだ本は、9冊でした。

星の民のクリスマス星の民のクリスマス感想
創造主の神は「光あれ」といった。この物語で、絵本を書いた主、「影」と呼ばれる彼は、歴史小説家でもあり、「影の部分に光をあてるような作品を書くと、よく言われます」といっている。彼が描いた、影の中に光る雪の世界と、カマリのこころの影が呼応し、彼自身も彼の作品のように“影そのもの”になってしまったという設定が面白い。カマリ、ギイ、銀色の配達員は、家族の温もりを感じることなく育った人たちだ。この三人の関係が紆余曲折していく様に惹きつけられた。それを見守る金の配達員はどこかサンタクロースを思わせる。
読了日:2月6日 著者:古谷田奈月
ダ・ヴィンチ封印「タヴォラ・ドーリア」の500年ダ・ヴィンチ封印「タヴォラ・ドーリア」の500年感想
絵画は、時としてその絵に描かれたものだけでなく、描かれていないものも同様に物語ることを本書は明らかにしている。1502年前後に描かれたというタヴォラ・ドーリアには、ダ・ヴィンチ、マキャベリ、チェーザレの三人の秘められた想いが込められているようだ。この表紙の戦いの絵を見て、「戦争画」でもなく「反戦争画」でもない、メメント・モリを感じる。著者の「この絵が“人間性を失う凶暴性”を表現することで、戦争への抑止力になったのでは」という考えに強く共感する。一枚の絵は、実にドラマチックな運命を辿ったのだと知った。
読了日:2月10日 著者:秋山敏郎
アメリカン・ヒーローの系譜アメリカン・ヒーローの系譜感想
アメリカ人のヒーロー好きは以前から感じていたことだ。この本はどんな人(架空の人物も含めて)がヒーローたりえたかを系譜として辿っている。アメリカのフロンティア時代と深く関わる自然自由人を神話化している。アメリカ人の精神的シンボル、アイデンティティなるものがヒーローになっていったといえる。日本ではあまり馴染みのないジョニー・アップルシード、ポール・バニアン、ジェシー・ジェイムズについて書かれている点も興味深かった。
読了日:2月12日 著者:亀井俊介
映画で読むアメリカ (朝日文庫)映画で読むアメリカ (朝日文庫)感想
この本が書かれたのは20年ほど前だが、70~90年代のアメリカ映画を振り返って見えてくるものがあった。アメリカの社会とその時の時代を色濃く描く名画が紹介されている。その時代背景も解説されていて、人種差別問題を扱った第8章「寛容性の限界」を面白く読んだ。その章で紹介されている映画「背信の日々」と「ミシシッピー・バーニング」を観てみようと思う。
読了日:2月15日 著者:長坂寿久

海賊とよばれた男 上海賊とよばれた男 上感想
日本が敗戦を迎えたその日から物語は始まる。銕造とはどういう人物なのか、知りたいという強い興味に捕らわれた。多くの人が「会ってみたい」と思わせる魅力は何かを考えながら、読み進んでいる。日田さんの無私の支援に涙した。下巻へ――
読了日:2月20日 著者:百田尚樹
海賊とよばれた男 下海賊とよばれた男 下感想
国岡銕造という人の魅力は、「海のように大きな夢を視る力と、それを成し遂げる強い心意気」だと感じた。彼の元に集まった者たちのエネルギーを十二分に発揮させるという、人を育てることも大事にしていた。銕造という人物を見抜いた日田重太郎の懐の深さは、大海よりも深い。
読了日:2月21日 著者:百田尚樹
がんばれヘンリーくん (ゆかいなヘンリーくん 1)がんばれヘンリーくん (ゆかいなヘンリーくん 1)感想
あばら骨が見えるほどやせている犬、アバラーとヘンリーの愉快な事件に惹かれます。特に気に入ったのが、「緑のクリスマス」。クリスマス・オペレッタで主役になってしまったヘンリーが、アバラーの“活躍”でいかに“難”を逃れるかが描かれて笑ってしまいました。「百万びきのグッピー」も大笑い。子どもの頃の、ウキウキ、ドキドキする気持ちを思い出させる物語でした。
読了日:2月23日 著者:ベバリイクリアリー
お茶の水女子大学特別講義 世界を変えた10人の女性お茶の水女子大学特別講義 世界を変えた10人の女性感想
自分が大学生の頃、池上さんの授業をぜひ受けてみたかった。この方は、実に難しいことをわかりやすく、複雑なことを簡潔に話してくれる。この本で紹介された10人の女性がいかに素晴らしく、魅力的であったかは言うに及ばず、巻末に「学生レポート講評会」が勉強になった。論理的に批判的に物事を思考するプロセスを学ばせてもらった。若い人に強くお薦めしたい。
読了日:2月28日 著者:池上彰
翻訳がつくる日本語―ヒロインは「女ことば」を話し続ける翻訳がつくる日本語―ヒロインは「女ことば」を話し続ける感想
翻訳された日本語の不文律を分析している洞察に富んだ本だった。自分が無意識に受け入れている「~わ、~かしら」などの女ことばも誰がどんな状況で言っているかで微妙なルールがあったとは。方言の項は、東北の訛りと関連して述べているのが、考えさせられた。 これから映画字幕や、外人のインタビューなど、どんな翻訳になっているか、“注意していきたいわ~!”
読了日:2月28日 著者:中村桃子

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