« 玉三郎の「天守物語」 | トップページ | ナプア・グレイグ&ハワイアン・フラ・ガールズ »

2014年8月 1日 (金)

7月の読書まとめ

読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3081ページ

ディア・ライフ (新潮クレスト・ブックス)ディア・ライフ (新潮クレスト・ブックス)感想
何気ない話が何気なく描かれているようで、そこには研ぎ澄まされた言葉たちが余計な飾りをつけずに佇んでいる風情だ。短く書かれた言葉に流れている時間はたゆたゆと過ぎていく。その愛おしい歳月をじっくりとかみしめたと思えた。良作。
読了日:7月1日 著者:アリスマンロー
さよなら、お母さん: 墓守娘が決断する時さよなら、お母さん: 墓守娘が決断する時感想
近頃、信田さよ子さんの本をよく見かけるので手にとってみました。タイトルも目を引きます。プロローグの「震災後の様相」がとても印象的でした。家族の絆という呪縛に日本中ががんじがらめになってしまっているという指摘に大いに共感しました。カウンセリングの事例に基づいて作られた「ある母娘の物語」もページをめくる手が止まりませんでした。「母が重くてたまらない」も読んでみます。
読了日:7月7日 著者:信田さよ子
心感想
「死」を考え、「生」を思う気持ちが迫ってきます。喪うという想いもまた「生死」を包み込んで、多くの人が心の中に持っているものなのでしょう。生きていって喪っていく、喪って生きていく、そんなやりとりがこの本に流れている通奏低音のように思えました。後ろではなく前に響く確かな木霊のように。
読了日:7月8日 著者:姜尚中
っぽいっぽい感想
いろいろな本を読んで、ときどきこころに風を入れたいなって思う時に絵本を手にしたりします。今回手にしたのが、ピーター・レイノルズの「っぽい」。原題は、「ish」でした。星のようにキラキラしたことばがありました。「『っぽい』えでも いいのか」、似てなくてもいい、その気持ちがつたわれば。ピカソの絵だって、全然対象に似てないものもたくさんあります。「せかいを まるごと あじわって くらした」ラモン。わたしも本をまるごとあじわって、書評っぽいものを書いていきます。
読了日:7月13日 著者:ピーター・レイノルズ

白蓮れんれん (集英社文庫)白蓮れんれん (集英社文庫)感想
90年以上前に起きた白蓮事件に興味を持ちました。今とは比べものにならないくらい皇室の権威があり、姦通罪などがあった社会で、白蓮と名乗ったひとりの女の生きざまが描かれています。書簡をもとにしているようですが、林真理子の巧みな筆致で、確かな小説になっています。事件当時のゴシップに湧いた社会の状況が思い浮かびます。石炭王の家族の複雑さとドロドロした思惑も読みどころのひとつ。
読了日:7月15日 著者:林真理子
精霊の守り人 (新潮文庫)精霊の守り人 (新潮文庫)感想
先日、上橋菜穂子さんが国際アンデルセン賞を受賞したことを知りました。日本でも、「指輪物語」や「ゲド戦記」と肩を並べて誇れるファンタジーがあるというのに読まない手をないですよね。“守り人”シリーズの第1弾を手にとってみました。印象に残ったのは、登場する人々やものの名前。どこか懐かしい響きを感じます。太古の国造りにそんな者たちがいたのかと思いめぐらすだけでもわくわくします。続きを楽しみに!
読了日:7月21日 著者:上橋菜穂子
ホーム (トニ・モリスン・コレクション)ホーム (トニ・モリスン・コレクション)感想
トニ・モリスンの代表作「ビラヴド」では、人間が自由を奪われ、つねに虐待された奴隷農園の名前が“スウィート・ホーム”だった。モリスンは、自由な心を持って安心して暮らせる“ホーム”を視点を変えて描きたかったのだろう。シ―を蔑んだのは親戚で、シーを救ったのはコミュニティの女性たちだった。コミュニティのリーダー、エセル・フォーダムの「自分に頼るのよ。あんたがどんな人間かを(他人に)決めさせるんじゃないよ」の言葉に、シ―は「わたし、どこにも行かないよ。ここが、わたしのいるところなんだから」と答えたのが印象的だった。
読了日:7月22日 著者:トニモリスン
ハウスワイフ2.0ハウスワイフ2.0感想
形だけ「女性が輝く社会」をアピールしている日本とは違う現象がアメリカでは起きているのかと思って、手にとってみた。原題は「Homeward Bound(家庭回帰)」。面白いのは、家庭に回帰しよう、またはしたいと考えている人が高学歴の働き盛りの女性。産休のないアメリカで、子育てママは家でネット起業するか、DIYの生活をするかなど大奮闘している。驚きの凝りようだが、本当にそれで生活していけるのだろうかという疑問も残る。最終章、経済的に自立を頭に入れておくべきなど、4つのアドバイスが客観的でさすがと納得した。
読了日:7月24日 著者:エミリーマッチャー
歌川国芳猫づくし歌川国芳猫づくし感想
風刺たっぷりの『源頼光公館土蜘作妖怪図』を描いた国芳がでてくるとあれば、きっと面白いに違いない!と手に取れば、やはりこりゃあ、面白く、気風のいい浮世絵のようにさくさくと読了。特に北斎の娘、お栄が出てくる「高い塔の女」が気に入りました。北斎が亡くなって国芳を頼ってきたお栄との会話が面白すぎて、やがて悲しき生き方でした。
読了日:7月26日 著者:風野真知雄
黄金の羅針盤〈下〉 (ライラの冒険)黄金の羅針盤〈下〉 (ライラの冒険)感想
くまさんのバーニソンがいい味出しています。お姫様(もちろんライラ)を守るサムライのような、孤軍奮闘でステキ。壮大なお話は進行中で、ダストの謎は深まるばかり。そして、ライラが立ち向かう相手は、母であり、父であったとは。続きを読みましょうっと。
読了日:7月30日 著者:フィリッププルマン
失われた名前 サルとともに生きた少女の真実の物語失われた名前 サルとともに生きた少女の真実の物語感想
「ぜったい凄いから、読んでみて」と読書好きの友だちから薦められた。読み始めたら、「これって、実話なの?」と何度もびっくりしてしまうジェットコースター・ストーリーだった。5歳で拉致されて、14歳で自らの名前をルス・マリーナとつけたところで終わっている。巻末の写真がダメ押しのようにリアル。続編が出るそうだ。待ち遠しい。
読了日:7月31日 著者:マリーナ・チャップマン

|

« 玉三郎の「天守物語」 | トップページ | ナプア・グレイグ&ハワイアン・フラ・ガールズ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/114487/56963712

この記事へのトラックバック一覧です: 7月の読書まとめ:

« 玉三郎の「天守物語」 | トップページ | ナプア・グレイグ&ハワイアン・フラ・ガールズ »