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2015年3月17日 (火)

「『つながり』の進化生物学」を読んで

小川洋子さんのラジオ番組「メロディアス・ライブラリー」で紹介していた「『つながり』の進化生物学」では、なるほど~、と思う指摘が満載でした。

 本田学さんという国立精神・神経医療研究センターの研究者は、人間の安心感には超音波の存在が大事だといっています。(中略)直接、耳で聞こえなくても、体の何かしらの受信器で超音波をキャッチしているということ。
 楽器は、耳に聞こえる音だけではなく、その整数倍の音をたくさん出しています。ヴァイオリンで高い音を出すと、50キロヘルツくらいまでの倍音が出る。楽器の生演奏で心が穏やかになれるのは、コンクリートで囲まれた超音波の少ない環境で、虫やネズミでなくても、楽器が出している超音波が、僕たちに心の安定をもたらしてくれるからかもしれません。(39ページ)

かつての人類は、絶対音感をもっていたといわれます。言葉をもつ前の人間の祖先の歌は、たぶん絶対音感にもとづくものだったのでしょう。音の高さに意味があって、それで対象を表現していたのかな。同じ音でも高いとネズミ、低いとゾウを指すというふうにね。
 でも、そもそも動物がもっているのって、絶対音感なんですよ。絶対音感とは、ある音の高さを、他とくらべずに判別できる能力のことだよね。動物たちは、鳴き声の絶対的な高さによって、個体の大きさなどの情操を伝えているのです。
 われわれは、進化の過程で、絶対音感から相対音感に移行しました。相対音感というのは、ある音の高さを基準として、音を比較し、判断する能力のことです。
 今、世界中で流布している音楽は、メロディーを中心とした西洋音楽ですね。メロディーは、音の高さの相対的な関係からできていて、絶対的な音の高さは不要な情報です。(149ページ)

やっぱり生の音、体で感じる音、っていいってわけがわかりました。音に関するものばかりですが、言葉と音と、人間と動物とそして音楽と、つらつらと思いを巡らす楽しい読書でした。

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